「カリカリ」は共通言語? 柏木由紀主演ドラマに見る‟猫あるある”のリアルと猫ブームへの懸念
「ネコノミクス」という言葉が浸透するほど、猫がもたらす経済効果は大きい。猫グッズのコーナーは多くの雑貨店にあるし、猫関連イベントも毎週末のように開催されている。こうした中、猫が登場する映像作品も続々と放送されている。本稿では猫好きの筆者が、土ドラ特別企画『元カレの猫を、預かりまして。』(東海テレビ・フジテレビ系)を中心に、猫人気と猫が登場する作品について考えてみたい。
◆猫の特性‟あるある”に思わず頷く
3月7日と14日に放送される『元カレの猫を、預かりまして。』は柏木由紀が主演を務める作品だ。
主人公・柴田まさき(柏木由紀)が元カレ・伊藤圭一(井澤巧麻)から関西弁を話すエキゾチックショートヘアの「ヨミチ」を突如預かることとなり、猫との暮らしが想定外に始まった。
本作には、猫好きが思わず微笑んでしまう台詞や、‟あるある”なシーンが満載だ。象徴的なのが、圭一からヨミチと日用品を「2カ月だけ預かって」と押し付けられ、部屋前に置いてある‟それ”に気づいたまさきが困惑し、彼に電話をかける場面である。
圭一が「ゴミじゃないよ。紙袋の方にお気に入りの毛布とか、あとカリカリの残りがちょっとだけ入ってる」と説明すると、まさきは「はぁ?カリカリ?毛布?」と理解できない様子。猫飼いにとって「カリカリ」(=キャットフード)は共通言語であり、猫は使い慣れた毛布を好むというのも常識だ。
また、月給以上のバッグを爪とぎにされ、まさきが嘆くシーンも、猫好きにとってはお馴染みの光景だろう。人間には高価なバッグでも、猫にとっては爪とぎの道具にすぎない。
まさきは「このクソバカ化け猫!いくらすると思ってんのよ」と憤慨しながらも、ヨミチを受け入れていく。愛猫家は猫に大切なものを壊された瞬間に‟バカ野郎!”と激高しても、すぐに許せてしまうものだ。猫がバッグに付けた傷が愛おしく感じることさえある。
まさきとヨミチの信頼関係は少しずつ深まっているが、2話では圭一がヨミチを迎えに来るのだろうか…。◆猫が登場する作品はほかにも
現在、猫がメインのドラマとして、木ドラ24『旅と僕と猫』(テレ東・BSテレ東)も放送中だ。猫と話せるトラベルライター・猫神守(中川大輔)が、旅先の猫から情報を得て取材を進めるという一話完結型の作品である。
「猫は情報通」という説がある。家猫は家族の行動や性格をしっかり把握しているし、野良猫は生息地域に精通している。
1話にはエキゾチックショートヘアの「大吉」が登場。加賀美優花(足立梨花)の元から迷子になった「マル」を見つけるため、守が大吉から情報提供してもらうなど、その特性が生かされている。
過去にも猫メインの作品は少なからず制作されている。2021年の『おじさまと猫』(テレビ東京系)は、神田冬樹(草刈正雄)と猫のふくまるの生活を描いた心あたたまる物語だ。ふくまる役にはパペットが採用されており、猫への負担がない点も安心して観られるポイントである。
2022年の『ねこ物件』(TOKYO MXほか)は二星優斗(古川雄輝)が猫ファーストを貫き、‟猫が人を飼う”という考えに基づいて、シェアハウスを運営する物語だ。優斗の「猫は自分にウソをつかないから 信用できるんだと思います」という台詞には共感させられたものだ。
これらの作品を観ていると、猫は飼い主にとって生きる原動力となり、人生の伴走者でもあると改めて思う。
◆作品に癒される一方、懸念も
先月の猫の日(2月22日)には、猫関連のイベントがおどろくほど多く開催された。その中には猫の適性に合わないものもあり、批判が殺到し、中止となったケースもあった。
猫がもつ経済効果が明らかとなった今、猫が登場する作品は今後も制作されるだろう。視聴者は猫ドラマを見て喜ぶだけでなく、自由気ままな気質、外ロケの危険性、芸を強いることで与えるストレスなど、猫の福祉が守れているか監視することも、猫好きに求められる役割だと思う。
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