なぜ人は杉咲花に惹かれるのか 新ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』で放つ“魔性”の正体
俳優の“杉咲花”といえば、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。可憐、透明感、ナチュラル、清楚、演技派…。そんな印象を抱く人は多いはず。しかし、新ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)で見せる彼女は、ひと味違う。従来のイメージをまといながらも、言動や仕草で周囲を翻弄する“魔性”の魅力が際立っている。
本作は、“恋愛映画の名手”とされる今泉力哉が監督と脚本を務める恋愛ドラマ。公式サイトには「考えすぎてしまう人のためのラブストーリー」と掲げられており、登場人物たちの会話劇を通して、小説家の主人公・土田文菜(杉咲花)の何気ない日常と心の揺れが丁寧に描き出されている。
杉咲が演じる文菜は、とにかく不思議な魅力に溢れたヒロイン。物語は、のちに彼女の恋人となる佐伯ゆきお(成田凌)との出会いから幕を開ける。ふたりが出会ったのは、近所のコインランドリー。ひょんなことから会話が弾んだ文菜は、そのままゆきおの職場を訪れ、彼の部屋にまで上がり込んでしまう。
名前も知らず、恋人がいるかどうかも分からない相手と、部屋でふたりきり…。この状況に不安を覚えたのは、むしろゆきおのほうだ。彼女のことを少しでも知ろうと「いくつか質問してもいいですか?」と切り出すものの、文菜は質問を質問で返すばかり。しまいにはいきなり「帰る」と言い出し、あっさり部屋を出ていってしまう。戸惑うゆきおと同じ感覚を抱いた視聴者は少なくないだろう。
しかし、ほどなくしてチャイムが鳴り、文菜が再び姿を現す。そして「私の名前は土田文菜です」「彼氏はいません」と自己紹介し、続けて「これで初対面じゃないです」「この部屋に訪れたのも二度目です」と説明してみせた。
このように文菜は何を考えているのか分からず、行動もまったく読めない。冷静に考えれば“かなりヤベー女”である。それでも彼女が不安よりも魅力として映るのは、どこか小動物のような可愛らしさをまとい、相手に過度な警戒心を抱かせないためだろう。落ち着いた声色や柔らかな佇まいも相まって、不可解さすら心地よさへと転じていく。
この絶妙なバランスを成立さられるのが“杉咲花”である。もし別の俳優が演じていれば「ヤベー女」で終わっていたかもしれない言動も、彼女が演じることで、いわゆる「オモシレー女」へと転化される。その魅力に、ゆきおが抗えずに惹かれていくのも決して不自然な流れではない。
こうしてふたりはひょんな出会いを経て、“恋人”という関係に発展するのだが――。実は本作において文菜の魅力に惹かれているのは、ゆきおだけではない。第1話の時点で、文菜に強く惹きつけられている様子が描かれたのは他にも“ふたり”いる。ひとりは文菜と同じ小説家で、彼女にとっては先輩にあたる山田線(内堀太郎)だ。お互いに恋人がいるにもかかわらず、ふたりきりで会い、ときにホテルで時間を過ごす関係にある。
初回では飲食店を舞台に、そんな彼らの会話劇が描かれた。といっても、腹を抱えて笑うほど盛り上がるわけでも、際立って面白い話題が飛び出すわけでもない。「今日、何してたんですか?」といった何気ない一言を起点に、取り留めのないやり取りが淡々と続いていく。会話の内容自体はごく平凡だが、不思議と間が途切れない。線の立場に立てば、言葉を探さなくても時間が流れていく文菜は、きわめて居心地のよい存在だろう。
一方で、文菜に惹かれているもうひとりの人物が、男友達の早瀬小太郎(岡山天音)。彼は以前から文菜に好意を抱き、これまでに何度も想いを伝えては振られている。1月21日に放送された第2話では、恋人と別れたばかりの小太郎が、その寂しさを紛らわそうと文菜を呼び出す場面が描かれた。
しかしこの日の文菜は、線と過ごすときとはどこか様子が違う。機嫌の悪さを隠そうともせず、感情のままに言葉をぶつけたことで、ふたりの間には一時、険悪な空気が流れてしまう。それでもほんの些細なきっかけで元の距離感に戻り、いつもの楽しい時間を過ごすふたり。気まずさを引きずることなく、また同じ関係を続けたくなってしまう点に、文菜の厄介さと魅力が同時に表れている。
文菜の言動は、ときに危うく、ときに不可解。しかしその振る舞いは、計算やあざとさとはどこか違う。相手の懐に自然と入り込み、居心地のよい時間を生み出す――その“魔性”は、役柄としての魅力であると同時に、“杉咲花”という俳優の力量そのものではないだろうか。『冬のなんかさ、春のなんかね』は、そんな彼女の新たな一面を堪能できるドラマと言えそうだ。
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