松嶋菜々子と橋本環奈、冬ドラで見せる「朝ドラヒロイン」からの“別人級”進化
1月も中旬に入り、続々と2026年冬ドラマの放送が開始しています。今回はその中で、初回から好スタートを切った『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』(テレビ朝日系)で主演を務める松嶋菜々子さん、『ヤンドク!』(フジテレビ系)で主演を務める橋本環奈さんが、視聴者の記憶に新しいそれぞれの直近のNHK連続テレビ小説からどう変貌したのかを見ていきたいと思います。
まず、松嶋さんがテレ朝系の連ドラに初主演した『おコメの女』は、初回世帯視聴率10%と絶好調(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下/同)。
さらに、第1話終了時点でのTVerお気に入り登録数は、1月14日執筆時点で冬ドラマNo.1の57.3万というかなりの高水準。松嶋さんという大物女優の存在と作品内容も含め「ドラマコアファン」の支持をしっかり得ているようです。
今作は、国税局の凄腕調査官である松嶋さん扮する主人公・米田正子が、佐野勇斗さん(M!LK)、長濱ねるさん、大地真央さんら豪華キャストが演じる「複雑国税事案処理室」(通称「ザッコク」)メンバーとともに、厄介な脱税事件を扱う勧善懲悪モノとなっています。
松嶋さんの直近の朝ドラ出演作といえば、昨年前期『あんぱん』(NHK総合)で、やなせたかしさんをモデルとした柳井嵩の実母・柳井登美子役が印象的でした。
夫を亡くして以来、恋に奔放で、子供を親戚の家に置いていなくなってしまう。それでも折に触れふらりと現れる自由人・登美子は、いつもきらびやかな着物を纏い色っぽく、薄情で自分勝手でありながらも憎めない存在でした。
『おコメの女』の米田は、普段はメガネをかけシックな佇まいですが、調査のため潜入したパーティーでは、ヘアメイクを変えただけでガラリと雰囲気が変わり、艶やかなVIP級ゲストへと変貌しました。調査対象であるセミナー講師にギラリとたぎるようにロックオンした様も、松嶋さんならではのオーラで溢れています。
こうした米田の変貌後の色艶、何かを見抜いているかのような眼差しは、登美子を彷彿とさせます。ただ、男性に依存していた登美子と違い、米田は自ら立ち上げたクセ者揃いの「ザッコク」メンバーとのチームワークで悪徳脱税者を成敗する超自立型女性。
違う作品と比べても、同じ作品内で比べても、全く別の顔を見せてくれる松嶋さんの凄みを痛感させられます。
続いて橋本さんが月9初主演となった『ヤンドク!』は、初回世帯視聴率8.1%。これは、低調と囁かれる月9ドラマにおいて、過去2年でも2番目に高い好発進です。また、TVerお気に入り登録数も初回終了時で44万と健闘しています。
橋本さんといえば、一昨年後期の朝ドラ『おむすび』(NHK総合)でヒロイン・米田結を演じていました。
そして、2022年から3年連続で『NHK紅白歌合戦』の司会を見事にこなした後、昨年の紅白では「やっぱり橋本環奈に司会をして欲しかった」と、不在であることにより存在感を知らしめるという稀有な国民的人気者に。その期待値も『ヤンドク!』に反映されたのでしょう。
『ヤンドク!』は、橋本さん演じる元ヤンキー娘・田上湖音波が猛勉強の末に脳神経外科医となって、旧態然とした医療現場をパワフルに改革していく医療エンターテインメントです。
『おむすび』の結はギャルから栄養士に、湖音波はヤンキーから医師になり、どちらもギャップがあります。ただ、結の場合の動機が主に彼氏のためであったのに対し、湖音波は事故死した親友のような人々を救いたいと、切実な想いが込められています。
元ヤン医師・湖音波の設定はありえないことのようで、実在する女性医師をモデルにしており、橋本さん自身、迷いなくぶっとんだ役柄を生き生きと演じているように見えます。
湖音波の初登場第一声は、「ええ加減にしやあ!たぁけかっ!」とパンチのある岐阜弁。また、言い合いになった上司には、「なめんな!自分はこの仕事に命張ってんだよ!」と睨みつけます。
ただ、事なかれ主義の病院に対し、湖音波が信じる正義は本当に患者のためを思ってのことばかり。人々のためにおせっかいなほど奔走する姿は、結も湖音波も同じです。さらに湖音波は、自ら難しい手術で執刀し、患者の命を救っていきます。
橋本さんのヤンキー役の代名詞『今日から俺は!!』(日本テレビ系)の早川京子に、初の医師役を演じた『天久鷹央の推理カルテ』(テレ朝系)の天久鷹央も掛け合わせ、橋本さんの女優人生を集約させたような湖音波は、橋本さんの中でも随一のハマり役となりそうです。
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