小泉今日子

【2025年ドラマ私的ベスト5】110本観たドラマオタクが“本気で推す”年末年始必見作

2025.12.30 09:03
提供:ENTAME next

2025年もよくドラマを観た。どれほど観たのかと目算してみると、約110本もあった。今年もおつかれ、眼球。さてそんなドラマオタクの私が『ENTAMEnext』のみなさまに向けて、面白かった&年末年始にぜひ観てほしいドラマ5作品をチョイス。ぜひ年末年始のお時間がある時に、2025年のヒット作に触れてみてはいかがでしょう?

第五位ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~U-NEXTほか/テレビ東京系/松下由樹、野村康太

新人俳優の森山拓人(野村)のマネージャーを務めることになった吉川恵子(松下)。担当タレントへの愛が次第にエスカレートしていく。このドラマ、どこを観ればと聞かれたら、圧倒的に松下由樹の演技だった。トレンディドラマ全盛期から活躍する大女優が齢(よわい)57歳にして挑んだのは、狂愛サスペンス。

近年、深夜帯のドラマには不倫、復讐、略奪と人間関係のドロドロした内容が多く放送されているが、どうも全体的にパンチが足りないとあまり興味がわかなかった。が、往年のキャリアを持つ女優の演技は、一味も二味も違う。“本物”といった言葉がよく似合う。大事なタレント=拓人が売れるため、守るためなら我が身も投げ出し、演技のレッスンのためなら、拓人とディープキスをすることも辞さない、ためらわない。放送回数を重ねるごとに面白くなっていく……のも、松下の迫力ある演技あってこそだった。

第四位ひらやすみPrime Videoほか/NHK総合/岡山天音、森七菜

釣り堀で働くフリーターの生田ヒロトは29歳(岡山)。仲良くしていた老婆から、死後に一軒家を譲り受け、大学進学で上京してきた従妹の小林なつみ(森)と同居をする。このドラマには大きな事件や、派手なアクションシーンもない。ただただ“普通”の時間が流れている。その“普通”をドラマで追っていくと、自分がいる気がしてならなかった。できるだけのんびりと生きたいヒロト、大学でなかなか友人作りができず、都会に馴染めないなつみ。子どももできて幸せなはずなのに、仕事がやる気も持てず、後輩からパワハラを受けるヒデキ(吉村界人)。頑張っても男性社員しか認めてもらえないジレンマに悩む立花よもぎ(吉岡里帆)。登場人物の中に、きっとあなたもいるはず。

第三位ザ・ロイヤルファミリーU-NEXTほか/TBS系/妻夫木聡、佐藤浩市、目黒蓮(Snow Man)

人材派遣会社『ロイヤルヒューマン』の競馬事業部の選任秘書として働く栗須英治(妻夫木)。社長の山王耕造(佐藤)と競馬の分析や研究を続ける、息子の耕一(目黒)とともに、有馬記念での優勝を目指す。見どころはなんと言っても、妻夫木の泣き演技待ち。毎話、必ず英治が涙をこぼすシーンがあり、観ているうちになぜかこちらも泣いてしまう。改めて彼の演技の繊細さに感動した。あとはドラマ中盤から登場する耕造の馬主ライバルの、椎名善弘(沢村一樹)の息子・展之を演じる中川大志は注目。天然嫌味なボンクラ息子の雰囲気を醸し出し方が絶妙で、やはり子役からのキャリアはすごいと凝視してしまった。何かに熱くなりたい人には、何かが見つかるはず。2026年は午年ですし、ぜひ馬を……。第二位ホットスポットNetflixほか/日本テレビ系/市川実日子、角田晃広

山梨県のホテルに勤務する遠藤清美(市川)の同僚・高橋(角田)は宇宙人。秘密にしているけれど、清美の周囲で起きるトラブルを特別な力で、次々に解決していく。今年もたくさん連続ドラマを観たけれど、腹を抱えて涙を出すほど笑ったのは、角田の演技だった。特に第3話で勤務先のホテルの大浴場(ここの温泉で特別な力を使った体を労われるらしい)に洋服を落とし、ビッショビショの服を着て、なんとか帰ろうとするシーン。あれは一生忘れない。何よりも“宇宙人”という、誰もが予想しない設定を考えた脚本家のバカリズムは天才だった。朝ドラ『巡(まわ)るスワン』(NHK総合/2027年放送予定)にもぜひ、角田の起用をお願いしたい!

第一位続・続・最後から二番目の恋FOD/フジテレビ系/小泉今日子、中井貴一

テレビ局に勤務して長年、ドラマを制作してきた吉野千明(小泉)も、定年退職を間近に控えている。千明の隣家に住む長倉和平(中井)は、定年退職後も鎌倉市役所の“指導監”として働いている。この二人を囲む、巡る人々の生活を描いた本作もいつの間にか、第一シリーズから13年も過ぎた。出演者が全員欠けることなく参加しているのもすごいけれど、観ているこちらも飽きないのはすごい。タイトルから連想して「女性向けのドラマでは」と思われそうだけど、第三シリーズになる本作は、日本人なら誰もが気になる“還暦”が一つのキーワードだった。60歳からをどう過ごすのかについて、考えたい人には観てほしい。そして『続・続・続〜』と本作が続くのを願います。

(文/コラムニスト・小林久乃)

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