

『キングオブコント』制覇のロングコートダディが証明した「設定に頼らない笑いの真髄」
『キングオブコント2025』王者に輝いたロングコートダディ。『M-1グランプリ』では決勝2回、『キングオブコント』では決勝4回、『ダブルインパクト』では準優勝と、誰もが実力者と知る彼らは今大会の大本命と目され、横綱相撲で悲願のタイトルを勝ち取った。
賞レースのたびに言われるのが“順番”だが、今大会も顕著な影響が見て取れた。結果から言えば、トップバッターのロングコートダディが今大会の最高点、そして2番手のや団がそれに次ぐ点数を出したことで、それ以降のコント師たちは割りを食ったと見ることができる。審査員の飯塚悟志(東京03)が触れていた通り、飛び道具的なネタに挑戦したしずるやトム・ブラウン、ベルナルドが最終盤で順番に出てこず、合間に挟まっていればもう少し点数の上昇が期待できたのではとも思う。
また言うまでもなく、審査員のコントへの好みも影響した。
コントでは設定(世界観)、演技力、ストーリー性といった要素を加えることができる。例えば、レインボーの演技力は毎日コントと向き合い続けている彼らにしか出せないものであったし、トム・ブラウンが醸し出す世界観は唯一無二だった。
ただ、こと今大会においては設定や世界観に全振りしたようなコントは審査員にあまり受け入れられていなかったように感じる。前述のトム・ブラウンはもちろん、しずるやベルナルドといったコントならではのネタを披露した組の点数は伸び悩み、会場ウケの乏しさやそれ以外の粗さが見られたことを指摘されていた。審査員たちが指摘した点も当然理解はできるのだが、審査員の人数がもっと多く、好みに幅があれば違う結果になったことも想像できる。
だが、どのような形であれ、ロングコートダディが圧倒的な優勝を果たしたと断言できる。それほどまでに2本のネタの完成度は高かった。
ロングコートダディのネタは見る人を選ばなかった。それは丁寧にあるあるネタをコントの中に組み込み、無駄な言葉を極限まで削ぎ落として会話を面白くしている点にあると思う。
1本目は地底人というコントらしいネタだったが、その本質は「会話に否定から入る」という世のどこにでもいる人間を具現化したものだった。コントでありながら2人の単純な会話が面白く、そこに電話やロケットという外的な要素で世界観を固めていた。
2本目に関してはより顕著で、できるビジネスウーマンに扮した兎と、悩む警察・堂前のやり取りが面白いという前提の上に成り立っており、最後のどんでん返しで驚きと爆笑を巻き起こした。
共通して言えるのは、コントらしい要素に必要以上に頼ることなく笑いを取っていたということ。その点においては他9組と完全に一線を画しており、2つのネタで審査員5人から安定した評価を受けたのも頷ける。
漫才でも結果を残してきた彼ららしいネタとも言える一方、彼らの漫才は逆にコントっぽさもあるので、一概にそう決めつけてしまうのは憚られる。だが、それでも、コントの中の2人だけのやり取りでこんなに笑えるのかと気づかせてくれたロングコートダディの優勝はやはり必然だった。それも、2本とも今年生まれた“新ネタ”というのだから驚きだ。
すでにお笑い界でも確固たる地位を確立していた彼らが今回の優勝でどうなっていくのか。ついにタイトルホルダーとなったロングコートダディが、どこまで突き進むのかしかと見届けたい。
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