次代の『相棒』だ！ 水10ドラマ『大追跡～警視庁SSBC強行犯係～』大ヒット&長寿の有力根拠

期待がかかる『大追跡～警視庁SSBC強行犯係～』の舞台は、警視庁の「SSBC＝捜査支援分析センター（Sousa Shien Bunseki Center）」。2009年に新設された組織で、分析や追跡捜査の専門部隊だ。初動捜査において、防犯カメラの映像を収集・分析し、スマートフォンやパソコンの解析、犯人像のプロファイリングを行い、犯人の足取りを調査するのが主な役目となる。ちなみに、大きな話題を集めた広域強盗事件の指示役が逮捕された際に、アプリを解析して事件解明に貢献した部隊として現実でも注目されている組織だ。そんなSSBCの中でも、殺人などの凶悪犯罪を担当する捜査一課を専門に支援する「SSBC強行犯係」が、主人公たちの在籍する組織となる。

その「SSBC強行犯係」に所属するのが、大森南朋が演じる伊垣修二と、相葉が扮する名波凛太郎だ。伊垣は、捜査一課所属だったが過去に問題を起こし、SSBCに異動になった刑事。正義感が強い昭和気質の性格で、テレビ朝日の作品にはピッタリの設定となる。一方、凛太郎は外資系証券会社に務めていたサラリーマンで、40歳を前に中途採用試験に合格して入庁した変わった経歴の持ち主。キャリア組であり、伯父が元警察庁長官で内閣官房長官を務めているというスーパーエリートなキャラとなる。この水と油のような伊垣と凛太郎がバディになっていくストーリーで、2人がどんな化学反応を起こすのかが見どころとなりそうだ。ちなみに、松下が演じるもう一人の主人公・青柳遥は捜査一課の主任で、伊垣とは元夫婦。伊垣と凛太郎が暴走することで、常に迷惑を被る役となる。

同作の注目ポイントは、大森と相葉が描き出すバディの新しい形だ。第1話のあらすじを見ると、伊垣は過去のトラブルがあるからか保守的で、凛太郎は自ら真相を追いかけ暴走を見せるキャラ。公式情報では、伊垣が名波に影響されて捜査に動き始めるとあるので、2人が触発されながら捜査一課をサポートする裏方のはずなのに、率先して犯人検挙に動き出していくストーリーになることが予想される。形は違うものの、設定としては『相棒』に近いものがあり、そういった意味でも大ヒットの予感をプンプンとさせている。

また、同作の脚本を担当するのはヒットメーカーの福田靖で、登場人物を一人ひとり丁寧に活かし群像劇を描くことがうまい作家だ。伊垣と凛太郎を中心に、遥もうまく絡ませて見ごたえのあるドラマを作ってくれる可能性が大。『HERO』（フジテレビ系）やNHK大河ドラマ『龍馬伝』、『ガリレオ』（フジテレビ系）など大ヒット作を生み出している脚本家なので、今回の『大追跡～警視庁SSBC強行犯係～』でも、視聴者が見たいポイントをおさえた名ドラマに仕上げるだろう。

さらに言えば、主演の3人以外にも豪華な俳優が勢ぞろいしているのも魅力だ。名バイプレイヤーの光石研、遠藤憲一をはじめ、佐藤浩市、伊藤淳史、若手の注目株である野村康太や、お笑いタレント・丸山礼までキャスティング。幅広く注目される俳優がそろっている印象で、それぞれが活躍を見せそうな雰囲気だ。相葉の後輩であるHey! Say! JUMPの髙木雄也もレギュラーメンバーで、2人がどんな形でからむのかにも注目が集まるだろう。

ちなみに、主題歌『BEACON』はDREAMS COME TRUEの楽曲だが、同バンドが地上波ドラマの主題歌を書き下ろすのは5年ぶり。ドリカムを主題歌に採用するあたり、制作陣の気合の入りようが伝わってくる。長期シリーズ化する可能性が高く、いまからしっかり視聴しておくのがおすすめだ。

放送前に公開されている情報を見るだけでも、テレビ朝日が力を入れて制作していることがわかる『大追跡～警視庁SSBC強行犯係～』。また一つ、「テレ朝水曜9時」に名作シリーズドラマが誕生することになりそうだ。