

ABCお笑いグランプリ2025を振り返る、エバースの圧勝に見る新たな漫才の潮流
もはや圧巻、貫禄の完勝劇だった。第46回ABCお笑いグランプリ2025はエバースが優勝を果たした。彼らの快進撃が始まったのはちょうど1年前の同大会決勝出場あたりからだ。M-1グランプリ2023の敗者復活戦でインパクトを残すと、2024年は「ツギクル芸人グランプリ」「第45回ABCお笑いグランプリ」「マイナビLaughter Night」「M-1グランプリ2024」で決勝に進出。「NHK新人お笑い大賞」では自身初のタイトルを獲得した。
すでに漫才において十分すぎるほどの実績を残しているが、だからといってABCお笑いグランプリで勝つことは決して簡単ではない。普段から劇場でしのぎを削る金魚番長や家族チャーハンなどはもちろん、かが屋やザ・マミィといったコント師とも戦わなければならない。お笑い界の異種格闘技戦は唯一無二の価値を持っており、ゆえに昨年もすでにM-1王者だった令和ロマンも出場を決意したのではないだろうか。
そんな中で迎えた今大会。昨年は明らかな緊張から“噛み”によるミスが見られたエバースはもうそこにはいなかった。1本目の「棺おけ」のネタ、2本目の「たばことししゃも」ともに彼らの良さが詰まっており、審査員・観客の心をがっちりとつかんだ。
エバースの特徴は普段の日常会話の延長線上にあるという点だ。ありそうでない、なさそうであることをテーマにしつつ、ボケの佐々木隆史が妙に理屈の通った世界観を広げていき、ツッコミの町田和樹がおかしな点を指摘する。
明らかな空想でないぶんボケの前フリに時間がかかるが、エンジンがかかってくると、ボケでもツッコミでも笑いが取れるのが発明的だ。1本目ではとんでもない様子に仕上がっていく棺おけを、2本目では喫煙所でししゃもを焼く姿を想像して笑いが込み上げてくる。
また、ツッコミに関して霜降り明星や真空ジェシカなどボケに対する答え合わせ的に笑いを起こす手法が流行って久しいが、エバースは異なる。より丁寧に状況を整理し、的確に訂正・指摘を行う。もちろん、その間や声量で笑いを誘発しているのだが、やっていることは比較的シンプルだ。
そんな中でエバースの代名詞となりつつあるのが町田の一言ツッコミ。M-1グランプリ2024で見せた「さすがに末締めだろ」や「ちっ都市開発か」は、大きなボケに対する振りかぶったツッコミではない。だが、前フリが効いているぶんだけ一言で大きな笑いへ変換する威力を持つ。
今回で言えば、おじいちゃんへの思いを語る佐々木に対して返した「まじ孫」は、待っていましたと言わんばかりの笑いが起きた。町田のリアクションで落とすのは意識的に行っていると佐々木はインタビューで明かしており、たった4文字も試行錯誤の末に生まれたものなのではと推察する。ファイナルステージで披露したネタは佐々木の独自論に筋が通っており、正すはずの町田が翻弄されていく。まくし立てて町田を責め立てる佐々木はより普段の姿に近いからか奇妙な説得力がある。観覧に来ていた客層はお笑い好きで、上半期ブレイクを続けているエバースの関係性を知っている人もきっと少なくないだろう。そのため、会場が爆笑の渦へと包まれていったのも必然だったのかもしれない。
結果にもそれは明確に現れた。エバースの667点に対して、2位の家族チャーハンは652点。15点もの差がつき、ここ5大会のうち4大会は一桁での決着となったABCお笑いグランプリにおいて珍しい“圧勝劇”だったとも言える。
決して家族チャーハンやかが屋が明らかに劣っていたわけではない。エバースが仕上がりすぎていたのだ。M-1を連覇した令和ロマンが新たな伝説となった漫才界において、次の風穴を開けるのはエバースかもしれない。
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