

独身女性が綾瀬はるか主演『ひとりでしにたい』で感じたリアル 義家族とのすれ違い、親の無理解…
綾瀬はるかが主演を務めるNHKドラマ『ひとりでしにたい』は、“終活”をテーマにした異色のヒューマンドラマ。学芸員として働きながら推し活を楽しむ独身アラフォー女性・山口鳴海(綾瀬)が、伯母の孤独死をきっかけに、自らの老後と向き合い始める――という物語だ。家族との価値観のズレ、義家族との微妙な距離感、そして社会が押しつけてくる“結婚しないと不幸”という無言の圧力。本作は、未婚・既婚に関係なく多くの人の心に突き刺さる問いを投げかけてくる。独身で生きることに罪悪感を覚えがちな時代に、鳴海と同じ立場にあるコラムニストの小林久乃が感じた“戦い”と“共感”とは。
バツなし、子なし、パートナーなし。日本国内で孤立して生活している私にとって、身につまされるドラマが始まった。それが『ひとりでしにたい』(NHK総合)だ。主人公の山口鳴海(綾瀬はるか)は学芸員としての仕事、アイドルの推し活……とアラフォーの独身生活を思い切り満喫していたある日、父方の伯母・光子(山口沙也加)が自宅の浴室で遺体となって発見される。この事件をきっかけに未婚と既婚の間に生じた軋轢や、孤独死への恐怖と、今まで目を背けていた現実と向き合う。そして鳴海はひとりで生きて、きちんと死ぬための準備をしようと“終活”を始める。
第一話は主人公と自分の共通項が多すぎた。共感をしたくないのに、テレビを見ながら「あ〜わかる!」と声をあげてしまう二律背反が続く60分間。これはドラマから独身の自分に向かって、宣戦布告なのかもしれない。そう思った私は気になった(勝手に)敵をチェックしてみることにした。
◆ひとりで生きているとは罪人ですか?
第一話を見て、特に引っかかったのは鳴海の父・和夫(國村隼)の台詞だった。定年退職をして自宅に引きこもりの和夫は昭和の感覚が全く抜けていない、バブルの残骸のような頑固親父だ。
「贅沢言わずに誰でもいいから結婚をしろって(死んだ叔母さんへ)言ったのに。おまえのばあちゃんも死ぬまで心配していた」
「女一人の老後ってのは惨めだな。結婚もせず、ひとり生きてきたから最期に罰が当たってとこか」
これを自分宛に訳すと「誰でもいいから結婚さえすればいいのに。先行き長くないおまえのお母さんも心配している。そのままフラフラ生きていると、罰が当たるぞ」となる。鳴海も驚愕していたが、独身で生きているとは罪で罰が当たるのだろうか? 結婚をして子どもを産み、子宮機能を果たして少子化に協力するのが“善”なのだろうか。疑問を持ったまま、鳴海の母・雅子(松坂慶子)から次の矢が飛んでくる。このドラマは息を着く暇もない。
「鳴海、あんたも休みにうちなんて来ていないで婚活でもしたら? だから聡(鳴海の弟/小関裕太)に先越されちゃうんじゃない」
弟が姉よりも先に結婚した事実を突っ込んでくる。ちなみに私もふたり姉妹で妹は結婚して、子どもを二人もうけている。引け目に感じた時期もあったけれど、時代の流れのおかげで全く気にならなくなった。つまりどこまでも堂々巡りとなってしまう事項を投げつけてくる。それが『ひとりでしにたい』だ。敵の作中でこの着眼点は鋭いと膝を打ったのが、鳴海の義妹・まゆ(恒松祐里)との感覚の違いだ。かつては光子が専業主婦の雅子に対して「自分は自由に使える金も時間もある」マウンティングを取っていたと知る鳴海。ところが晩年は、光子が形勢逆転とばかりに孫や家族がいるとを光子にひけらかす。自分だけはそんな失態は侵さず、まゆとうまくやっていこうと、とあるLINEをする。
「まゆさん、翔ちゃん、元気? なんとフライドポテトって体に悪いからやめた方がいいらしいよ。焼く、揚げる、炒めるとか150°以上の料理にアクリルアミドが出るらしい。ソーセージも食べ過ぎはがんになりやすいって。安めのパンにも大量の食品添加物が」
甥っ子の食生活を気遣って連絡をしたつもりが、まゆには小言にしか聞こえなかった。結果、聡から「迷惑だからしばらく連絡を取らないでくれる?」と苦情をもらう始末。鳴海は自分が馬鹿だったと責める。ただ鳴海と同じ軍である私からすると、そうでもないと思う。以前、私も義弟が東京へ単身赴任をしてくると聞いて嬉しくなり「困ったらなんでも言ってね! 時間あったら飲みに行こうね!」と連絡をしたら、妹から怒られた。どうも義弟は義姉と深くつき合うのは苦手だったらしい。
両親とジェネレーションギャップが生じるのは、わかりやすい。でも同年代との違いは、地雷を踏むか踏まないかだから、わかりにくい。そんな些細な問題まで投げてくる独身の敵が本作なのである。
◆誰が悪いわけでもなく、社会が悪い
ここまで読んでくれた人が果たして、ドラマを見て一緒に戦いに参戦してくれるかどうかはわからないが、これだけはわかってほしい。悪いのは鳴海でもあなたでも、家族でもない。未婚VS既婚加えて、子なしVS子持ちに妙な境界線を引いた社会が悪い。もっといえば、単身の生き方を否定し続けてきた日本の風潮が悪い。
『ひとりでしにたい』の視聴を経て、現実をやっと見つめた私たちができるのは他人の生き方や、立場を否定しないこと。そう考えるとこの作品は現代社会を生きていくための教科書だ。
と、書いていると、敵との勝敗がだんだん不明になるけれど、最終回までには和解したいと思う。さ、第二話の放送を筋トレでもしながら待つか(戦う気満々)。
▽「ひとりでしにたい」N H K総合 毎週土曜22時放送 <全6回放送>
(出演)綾瀬はるか 佐野勇斗 山口紗弥加 小関裕太 恒松祐里 満島真之介 國村隼 松坂慶子
(第二話あらすじ)「終活」について考え始めた鳴海(綾瀬はるか)は「自分より、親の老後が先にやってくる」ことに気がつく。もし親に介護が必要になったら自分が世話を? 仕事をしながら介護できるのか? 亡くなった場合の葬儀代は? それらすべてを自分が背負わなければならなくなったとしたら...自分の終活どころではない! そこで鳴海はまず父・和夫(國村隼)と母・雅子(松坂慶子)に「終活」を始めてもらおうと、ある作戦を思いつく。そのために同僚・那須田(佐野勇斗)を連れて実家を訪れるが...。
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