有村昆 撮影:松山勇樹

有村昆が紹介する人生に悩んだ時に見るべき映画「ジョージ・ルーカスの生き方から学べ」

2025.04.13 12:05
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春といえば、暖かくなってきて、希望に満ち溢れたイメージがありますが、卒業、入学、就職など人生の転機が訪れることも多く、いろいろ悩みが深まる時期でもあります。自分の人生、これからどうなっちゃうんだろう。とどまるべきか、一歩踏み出すべきか…。揺れ動いてしまう気持ちを、ちょっとだけ勇気づけてくれるような映画を、僕有村昆がセレクトしてみました。

●『ボヘミアン・ラプソディ』

伝説のバンド「クイーン」の波乱万丈な軌跡を描き、日本でも大ヒットした伝記映画です。クイーンの楽曲が満載で、実話に基づいた物語も衝撃的なんですけど、あらゆるシーンに人生の教科書になるべき要素が詰まっている作品だと思います。

この作品は、クライマックスで展開するライブシーンが語られがちなんですけど、僕が注目したいのは「なぜクイーンが伝説になったのか」というヒントが詰まっているエピソードなんです。

フレディ・マーキュリーは渾身のオリジナル曲『ボヘミアン・ラプソディ』を完成させますが、シングルとしてリリースする際にプロデューサーから「曲の長さを3分でまとめろ」と指示されます。当時は、ラジオで曲が流れなければヒットしないといわれていて、その枠である3分以内にしなければならないというセオリーがあったわけです。

でも、『ボヘミアン・ラプソディ』は5分55秒もある。しかもAメロ、Bメロでサビみたいなわかりやすい構成じゃなく、曲調もテンポもどんどん変わっていくヘンな曲なんです。プロデューサーは「こんな曲、どこのラジオ局が流すんだ!」「直せ!」と怒るんですけど、クイーンのメンバーは、いや、この長さで完璧なんだから削らない、と突っぱねるわけです。

これはすごく大事な場面ですよね。音楽業界に限らず、世の中というのは杓子定規なシステムがあって、なにかと「型」に入れようとしてくる。自分としては本当はこっちがいいと思っていても、世の中のフォーマットがこうだといわれると、そこに合わせに行ってしまうというのは、誰しも経験があるんじゃないでしょうか。でもクイーンは、1箇所でも削ったらダメなんだというポリシーを持って押し切った。 

仕事や進路に迷ったとき、先輩や友達のアドバイスでやってみても、それで失敗した時にやっぱり後悔すると思うんですよ。自分のやりたいことを、自分のやり方でやることがロックなんだということを、この場面から学びましたね。

それでいうと、フレディ・マーキュリーのファッションやビジュアルも当時のロック業界からいうと異端なんですよね。ロックアーティストって長髪で革ジャンでサングラスかけてみたいなイメージでしたけど、フレディは短髪で半裸のタンクトップみたいな格好で出たりするんで、奇異な目で見られたと思うんです。でも、彼はこれが自分だ、これがクイーンのフレディ・マーキュリーだということを貫き続けた結果、まわりの評価を変えていった。

ネットで観た動画なんですけど、フェスみたいな場所で、名もなき若者が変なダンスをひとりでずっと踊ってるんですよ。最初は周りも「なんだあいつ」「ヤバイやつがいるぞ」みたいな感じで、ちょっと離れた場所から笑ってるんですけど、そこに観衆のなかからひとりが飛び出て、その若者の踊りを真似て踊り始めるんです。それがすっごく楽しそうなんですよ。それを見て3人目が出てきて、4人、5人とどんどん増えていって、最後は100人でくらいで一緒に踊るんですよ。これがまさに周りを変える、時代を変えるってことですよね。

自分を貫くということが、やがて時代を変えていくということを、僕は『ボヘミアン・ラプソディ』を観るたびに思い直します。 

●『スター・ウォーズ』

もはや映画というジャンルを超えて、ひとつの文化といえるの規模になっている『スター・ウォーズ』関連作品。その内容や世界観はたっぷり語られてきたと思うんですけど、僕があえて注目したいのが、最初の映画『スター・ウォーズ』を製作・監督したジョージ・ルーカスの生き様なんです。

ジョージ・ルーカスは自主映画からスタートして、『アメリカン・グラフィティ』で商業監督としてデビューを果たします。そしてSF娯楽作『スター・ウォーズ』で大成功するんですけど、その続編では監督を降りてプロデュースにまわるんですね。これは、同時期の盟友にスティーブン・スピルバーグがいて、ルーカスは監督としては自分はそこまでの才能がないと悟った、というのもあると思うんですよ。

スピルバーグが早撮りするので多作で、娯楽作だけでなく芸樹的な作品も撮ってアカデミー賞にノミネートされたりする。これはさすがにかなわない。

でもルーカスが優れていたのは、プロデューサーとしての手腕であり、ビジネスマンとしての感覚なんです。『スター・ウォーズ』のマーチャンダイジング権を自分のものにして、莫大な利益をあげたり、技術面でも特殊効果スタジオのILMを作ったり、認定規格THXを生み出したり…。

スピルバーグが『ジュラシック・パーク』でデジタル技術を導入して恐竜を蘇らせたなら、ルーカスは『スター・ウォーズ』にデジタル修正を付け加えて『特別編』として自分の作品を蘇らせて、何度も荒稼ぎするんですから、本当にビジネスマンですよね。

このジョージ・ルーカスの生き方から学べるのは、ライバルが多いところでは戦わないという戦略です。たくさんの才能がひしめきあっているような分野ではなく、自分をより活かせるブルーオーシャンを探しましょうということですよね。ルーカスは監督として賞を取ろうとか考えてないと思うんです。それより自分が好きなものを作れるなら肩書なんてなんでもいいんですよね。

結果として、ジョージ・ルーカスはそこらの監督よりも稼いでいる。スター・ウォーズのグッズ収入だけで年間で6000億円あるといわれていて、ただの映画監督だったらそこまで稼げなかったと思うんです。

人生迷ったり、うまく行かない時は、まず視点を変えてみる。そこに自分の才能がないと思ったら、誰かに任せる。こういう考え方、生き方がいまの時代に必要なんじゃないかと思いますね。

●『アナと雪の女王』家族や恋人との接し方、そしてジェンダーの問題も含めた自分との付き合い方、生き方に対し悩んでる人は多いと思います。そこで、新たな視点で見直してもらいたい作品がディズニーアニメ『アナと雪の女王』です。あの大ヒットした主題歌にも出てきますが、この作品は『ありのまま』がテーマだと思うんです。

まず『アナ雪』には、ディズニー映画の定番だった「白馬の王子さま』が出てきません。アナに対して、ハンスという王子さまは出てくるんですけど、こいつが嘘つきで裏切るんですね。それとクリストフという青年も出てくるけど、彼も別に王子じゃないし、いい感じにはなるけど、まだ友達。そんな男性陣は置いといて、最終的には姉妹の愛が氷を溶かし、世界を救うという物語になっています。

エルザは氷の魔法が使えることを封印して、女王として生きていこうとするんですが、結局は飛び出して、自分の本来の姿を取り戻していく。ここから学べることは、まさに「ありのまま」に生きる、ということなんですね。人生に悩んだ時に、社会と迎合する必要はなくて、自分の生きやすい生き方を選んでいい。それで世間の冷たい風にさらされることになるかもしれないけど、「少しも寒くないわ」と強がればいいんです。

お城に籠もって偉くなるよりも、自分らしい生き方のほうが価値がある。僕は、エルザに「ありのままの姿を見せるのよ」ということを教えてもらって、生きるのが楽になりましたね。

特に個人的な性的指向の問題なんて、自分がおかしいのでは、とか、世界から阻害されてるんじゃないかとか思い込んでしまいがちじゃないですか。エルザも魔法のことを世の中の人に知られたくないから、手袋をして封印していた。でも、そんなの脱ぎ捨てて、自分らしくすればいいんです。

ディズニー作品は、昔から異質な存在と社会の摩擦みたいなテーマをよく取り上げますよね。『美女と野獣』も、そうじゃないですか。

それと「身分の差」。普通の女のコが王子さまと結ばれるのが定番ですけど、最近では男女逆になって『アラジン』や『塔の上のラプンツェル』は、粗野な男とお姫様とが結ばれるんですよね。肩書なんて気にしないで、自分の信じた道を選択するというのがゴールなんです。

最近のディズニーはポリコレが強いといってますけど、昔から尖ってるというか、よくも悪くも夢のためならグイグイ行くキャラクターが多いんです。悩んでるときにそれを意識しながら観ると、背中を押されるような気持ちになると思います。

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