『ラーメン河』

年間700杯以上食べる男・ラーメン官僚が語る食べ歩きの極意、1日6軒回るには

2025.03.08 12:03
提供:ENTAME next

日本全国のラーメン店の発掘と紹介をライフワークとし、年間700杯以上のラーメンを食べ続け、生涯実食杯数は21,000杯に迫る日本屈指のラーメンフリーク、通称「ラーメン官僚」こと、かずあっきぃ氏。そんな同氏が、日本におけるラーメンの歴史・文化・進化を語り尽くす短期連載。第5シーズンでは、「ラーメンの食べ歩きの極意」について2回にわけて語ります。(前後編の後編)

ラーメンの食べ歩きを行う際、大切なのは、食べ歩きの最初 (1軒目)に、最も訪問優先度が高い店をセットすることだと思います。モチベーションが上がりますから。では、2軒目以降は、どのように決めていけば良いのか。訪問優先度が高い順に攻略するのも一案ですが、2軒目は1軒目、3軒目は2軒目とタイプが異なるラーメンを出す店をはめ込んでいくのも、おススメしたい方法です。

似たような味のラーメンを食べ続けると、どうしても飽きが生じてしまいます。可能な範囲内で、最初は「醤油」、次は「塩」、その次は「つけ麺」といった具合に、食べるラーメンに変化を付けることで、マンネリ感を最小限に抑え込むことが可能です。

あと、原則として、味が濃い、いわゆる「重いラーメン」を後回しにすることは避けた方が無難でしょう。3杯、4杯と杯数を重ねていく。そんな状況下において、最後に濃厚ラーメンが待ち構えていると考えると、心が折れてしまうじゃないですか。なので、ガッツリ系は、「食べ歩き」の早い段階で消化してしまうのが賢明です。

一例として、私が先日実行した、奈良県における食べ歩きのコースを紹介したいと思います。

当日、現地に住んでいるラーメン好きの後輩と合流し、まずは朝10時にオープンする『ラーメン河』に行きました。ここは吉野川の渓流に面する秘境店なのですが、かねてから奈良県最大の宿題店として、私の中で最も訪問優先度が高い店でした。同店では、あっさり系の「ラーメン(塩ベース)」と、名物サイドメニューである「まぐろ丼」を実食。

2軒目に訪れたのは、香芝市の新店『麺の道あをによし』。同店で、濃厚つけ麺である「魚介鶏つけ麺」を実食。これは、「濃厚系は食べ歩きの早い段階で消化する」というセオリーに則った行動です。3軒目以降は、未食店が固まって存在し、効率的に食べ歩きができる奈良市・天理市へと移動。まずは、天理市の人気店『らぁ麺せんいち』で、鶏ベースの「塩らぁ麺」を実食しました。同店の店主は、埼玉県の名店『中華そば四つ葉』の出身で、非常に食べやすい淡麗ラーメンを提供しています。

4軒目は、最近関西で一世を風靡しているブレンダーでスープを泡立てた「エスプーマ系鳥白湯」の実力店『鶏next』を訪問。関西の鶏白湯は、食味がサッパリしており、ボリュームも控えめです。3軒目の「塩らぁ麺」とテイストが全く異なるので、食べ飽きも生じません。

さらに「もう一軒行きたいね」と、5軒目は『麺〜seeness〜なかの』という通し営業の店へと向かいました。同店も「エスプーマ系鶏白湯」を提供していますが、私は、『鶏next』で食べた「醤油」ベースの「ChickenBlack」とは異なる「塩」ベースの1杯をチョイスすることで、食べ疲れを回避しています。休憩を挟んで6軒目は、話題店『新スタミナらーめんNOROMA』で「スタそば(生卵トッピング)」を実食。これは、天理のご当地麺である『天理ラーメン』と「鶏白湯」のエッセンスを融合させた独創的な1杯です。

6杯食べたところで、同行者が東京に戻る時刻が迫り、その日の食べ歩きは終了。この食べ歩きにおいては、後輩が車を出してくれたから6軒回ることができましたが、公共交通機関と徒歩だけで対応しようとすれば、せいぜい3、4軒訪問するのが関の山だったと思います。

話のついでになりますが、食べ歩きを行うに当たり、車を活用するか、公共交通機関と徒歩で対応するかといった移動手段のチョイスも、行程を大きく左右します。杯数を稼ごうとすれば前者に分がありますが、後者の場合でも、歩いている間にお腹が空く、土地勘ができるといったメリットがあります。

また、熊本市、博多市、尾道市、徳島市、和歌山市、高山市、佐野市、喜多方市、白河市、函館市など、比較的狭いエリアにご当地麺を出す店舗が密集するエリアや、鉄道網が発達している東京、名古屋、大阪などの大都市圏では、電車と徒歩でも十分効率的な食べ歩きができるので、ケース・バイ・ケースで車と公共交通機関とを使い分けるのがおススメです。

最後に、本当に細かな食べ歩きのノウハウを、何点かお話しします。

まずは、「食べ歩き」における「アイドルタイム」の活用法について。大多数のラーメン店には、昼営業と夜営業の間にいったん店を閉める「アイドルタイム」が存在します。「アイドルタイム」に差し掛かると訪問できる店がなくなるので、「食べ歩き」は、物理的に中断を余儀なくされます。その際、「喫茶店でお茶をする」という行動を取りがちなのですが、注意すべきは、アイスコーヒーなど冷たいドリンクには極力手を出さないこと。冷たいドリンクは、胃を固めてしまいます。

食べ歩きをしていて「まだ食べられる」という時は、お腹を触ると柔らかいのですが、冷たいドリンクを飲んでお腹が張ると、驚くほど食べられなくなります。経験上、アイスコーヒーはそうなるリスクが高いので、「食べ歩き」の最中は避けた方が無難です。他方、炭酸飲料を飲んで胃の中に空気を入れることで、胃袋にスペースを作るという人の話も聞いたことがあります。普通に考えて「炭酸なんて飲んだらアウトではないか」と思うのですが、そんな人もいるみたいです。

「そこまで頑張る必要はないではないか」という意見があることを承知の上で、胃薬の活用法についても、少し触れておきます。「食べ歩き」において、どうしてもあと1、2杯多めに杯数を重ねたい場合、胃薬に手を出すこともひとつの方法です。胃薬については、「いつ飲むか」が想像以上に大切です。人間である以上、日によってコンディションは変わりますので、1日に7、8杯平気で食べられそうな「調子が良い日」もあれば、そうでない日もあります。「食べ歩き」を進め、「今日はちょっと調子が悪いな」と感じたら、躊躇うことなく胃薬を投入しましょう。すっかり満腹になった後に胃薬を飲んでも、効果はありません。

「食べ歩き」を単独で行うのが良いか、グループを組んで行うのが良いかという論点もあります。結論から申し上げれば、一概にどちらが良いとは言えません。それぞれ、メリットとデメリットがあります。

ラオタ同士による「食べ歩き」では、「相手が『塩』を頼むなら、自分は『醤油』を頼む」といった具合に、同行者とオーダーを変えるのが一般的です。例えば、3人でお店を訪れたとして、自分が「醤油」、もう1人は「塩」、もう1人は「つけ麺」を頼み、ひと口ずつシェアし合えば、その店のラーメンが3種類味わえるじゃないですか。

これは単独での「食べ歩き」では決して得られないメリットです。裏を返せば、実は、全員「塩」が目当ての品だったとしても、一人以外は「醤油」や「つけ麺」を注文せざるを得ないので、我慢を強いられる局面が必ず発生します。これが、グループを組むことで生じるデメリットです。

なので、私とその周りでは、基本的には「その店に行きたい」と言い出した人の希望を優先し、「1軒目は譲るから、2軒目は好きなラーメンを食べさせて」といった具合に、帳尻を合わせながら、わだかまりが生じないようにしています。

これが本当の最後になりますが、もうひと言。「食べ歩き」を行う場合と、同じ店でラーメンを連食する場合とでは、食べるべきラーメンの順番は全く変わります。「食べ歩き」の場合、前述したとおり、なるべく早い段階で濃厚ラーメンを消化し、徐々に味が淡いラーメンへとシフトする食べ方が胃の負担が少なく感じるのでおススメですが、店内連食の場合は、味が淡いラーメンから先に食べるのが鉄則です。例えば、「醤油」と「塩」を連食するのであれば、「塩」から先に食べるのがセオリーだということです。「醤油」を先に食べると、「塩」の味が分からなくなってしまいますので、淡→濃の順番で食べるのがおススメです。

以上、長々と「食べ歩き」にまつわるノウハウをお話ししましたが、ほんの一部でも、ご参考に供していただければ幸いです。

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