『ハルヒ』『ヒロアカ』…音楽テーマじゃないアニメの文化祭ライブが話題になるワケ
現在、全国の高校や大学で文化祭(学園祭)が次々と開催されている。文化祭と言えばライブをイメージする人は多い。『けいおん!』『ぼっち・ざ・ろっく!』など、音楽を軸に置いたアニメのライブシーンはとても熱い。ただ、音楽がメインテーマではないアニメのライブシーンも、これまでの物語とは違った印象を与えるため、新鮮な気持ちにさせてくれる。今回は音楽がテーマではないアニメの文化祭ライブについてまとめたい。
まずは『涼宮ハルヒの憂鬱』12話の「ライブアライブ」。「アニメの文化祭ライブと言えば?」と聞かれて真っ先にこのエピソードが浮かぶ人は少なくない。多くの人の記憶に刻まれた要因として、リアルすぎた演奏が挙げられる。1曲目の『God knows…』のイントロ中、ギターを弾く長門有希がアップになった時、長門の指は『God knows…』のイントロを弾いていた。長門だけではなく、映像が寄りでも引きでも各メンバーの指や手の動きは実際に『God knows…』を演奏している時のそれである。2曲目の『Lost my music』のベースの最初の音は、左手で指板を抑えない“開放弦”というやつだ。その時の弦の揺れ方も開放弦特有の揺れの大きいものになっていた。
また、『God knows…』のラストのサビを歌い上げた後にアウトロのギターソロに移るタイミングで涼宮ハルヒが有希のほうをチラッと見るのもカッコイイ。キャラの魅力も表現しつつ、リアルな演奏が描写されたことにより、アニメ映像ではなくライブ映像を見ているような気持ちを抱かせたからこそ、今なお語り継がれるシーンになっているのだろう。
ちなみに、軽音楽部に所属するバンド「ENOZ」のボーカル・榎本とギター・中西が演奏できなくなり、急遽代打としてハルヒと有希がステージに立つことになったわけではあるが、その経緯をハルヒがキョンに後日説明している時「ユキって意外と器用なのよ?譜面を一度サッと眺めただけで完璧に弾いたのよ」と話していた。つまりは長門が自身の上手さを鼻にかけた“イキりプレイ”をしたわけではなく、あくまで原曲通りの演奏をしただけである。譜面を一度見ただけで高難易度の曲を弾けてしまう長門のすごさは言うまでもない。ただ、高校生であのフレーズを弾ける中西も相当な実力者と言える。
次は『僕のヒーローアカデミア』の第86話「垂れ流せ!文化祭!」。ヒーロー科1年A組がバンド隊、ダンス隊、演出隊の3チームにわかれて文化祭のステージで『Hero too』を披露した。同曲は本作の劇中楽曲を手掛ける林ゆうきが作曲、スリーピースロックバンド・Dizzy Sunfistのギターボーカルを務めるあやぺたが作詞を担当している。また、作中ではアメリカのロックバンド・Against The Currentのボーカルを務めるChrissy Costanzaが歌っていた。
原作漫画ではライブシーンはあるが、どんな曲が披露されているのかまでは描かれていない。アニメではどのように表現されるのか注目されていたが、楽曲のカッコ良さもさることながら、英歌詞だったことには驚きを隠せない。ただ、英歌詞だからこそキャッチ―なメロディがより引き立ち、またCostanzaのクールな歌声も合わさり耳にスーッと入ってきた。
楽曲はもちろん、A組の生徒がダンスや演出で個性を使ってステージを彩っている映像も素晴らしい。私利私欲を満たすためでも、敵を倒すためでもなく、誰かを笑顔にするために個性を発揮している姿もとても眩しい。加えて、ベースボーカルを務める耳郎響香に文字通りスポットライトが当たるエピソードなのも良い。耳郎は戦闘能力が高くなく、これまであまり活躍が見られないキャラだった。『ヒロアカ』は従来のバトル作品とは異なり、戦闘能力のない登場人物でも脚光を浴びる姿を描いてくれる。そんな『ヒロアカ』だからこその魅力が詰まったシーンとも言える。
『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』の11話「わたしにもみえるよ」も印象的。本作は2035年を舞台にした学園アニメ。主人公の天宮学美たちが通う聖桜学園と吸収合併することになった愛光学園の理事長・貴生川鏡子から学園祭の中止を通告される。一方的な鏡子の言い分に怒りや落胆を覚える学美たち。しかし、少子化の影響や価値観の多様化により、「高校に進学せずに働きに出るほうがカッコイイ」という風潮がそもそも根強く、「学園祭中止はやむなし」という空気が学内に流れる。それでも、学校に通うことの意味や楽しさを学美たちが生徒たちと分かち合い、空気を変えることに成功して無事に学園祭の開催にこぎつけた。
自分たちの力で勝ち取った学園祭だけあって、学園祭を開催すること自体に大きなストーリーが乗っかっている。だからこそ、そのステージで友達への感謝を歌った『桜舞うこの約束の地で』が演奏されたことは感慨深い。同曲は茅原実里が声優兼歌唱も担う“バンドリーダー”という名もなきキャラがギターボーカルを務めるバンドによって披露された、疾走感に溢れたゴリゴリのベースサウンドがたまらない青春パンクになっている。学美たちの軌跡を考え、照れてしまうくらいの真っすぐな歌詞が余計に胸に突き刺さった。
今後も音楽をテーマにしていないアニメの心に残る文化祭ライブが多く描かれることに期待したい。
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