©2023 Mainframe Pictures. All Rights Reserved.

【何観る週末シネマ】ホラーファンを唸らせてきたブルームクイスト・ブラザーズ作品がついに日本で劇場公開

2024.09.20 18:38
提供:ENTAME next

この週末、何を観よう……。映画ライターのバフィー吉川が推したい1本をピックアップ。おすすめポイントともにご紹介します。今回ご紹介するのは、現在公開されている『ファウンダーズデイ/殺戮選挙』。気になった方はぜひ劇場へ。

〇ストーリーニューイングランドの平和な町で現職のブレア・グラッドウェルと挑戦者ハロルド・フォークナーは目前に迫った町長選を巡り、激しく争っていた。ある夜、アリソンとメリッサが夜道を歩いているとマスクを被った謎の男に襲われる。これは不吉な連続殺人事件の始まりにすぎなかった......。

〇おすすめポイントドキュメンタリー映画『封印殺人映画』(2006)のなかで、ホラーによって記念日は使い尽くされたとされていたが、ついに選挙にまで手を出してきた。……と言っても選挙を題材としたホラーは既にいくつかある。有名なところでいうと「パージ」シリーズもそうだが、『Election Night』(2021)やトランプ前大統領のようなマスクを被った殺人鬼が登場する『President Evil』(2018)なども、日本では未公開ではあるが存在している。

ただ、今作で注目してもらいたいのは、選挙を題材としているということよりも、クリエイター”ブルームクイスト・ブラザーズ”が、いかにホラーマニアかということだ。

「スクリーム」や「死霊のはらわた」など有名なシリーズの新作でさえ、劇場公開されないホラーアウェーが進む日本において、中間的な規模の作品が輸入されるなど、もはや絶望的。そんななかで、こういった新進気鋭のホラー作家による作品が公開されることは嬉しいかぎりだ。

今作の監督を務めたエリック・ブルームクイストの名前を聞いてホラー映画を想像する人は、欧米ホラー通であることは間違いない。というのもエリックが手掛けた作品は、これまで日本で公開されたことが、ほとんど無いのだ。

脚本・プロデューサーには、カーソン・ブルームクイストも継続している。このふたりは、ホラー以外のジャンルも取り扱うが、幼い頃からビデオカメラで映画を撮影して遊んでいた実兄弟であり、コアな映画ファンの間では注目されている。ほかにもコーリー・アシノフスキーやアダム・ウェップラーといった、ブルームクイストチームとしてはお馴染みのキャストも参加している。

ブルームクイストの作品は、どれも王道プロットになぞられていながらも、そのなかで独自性や予想外のギミックを仕掛けているのに、どこか懐かしい。そんなスタイルであることから、幅広いホラーファンから愛されている。

例えば『Ten Minutes to Midnight』(2020)では、『悪魔のいけにえ2』(1986)以来、キャロライン・ウィリアムズに約34年ぶりのDJ役を演じさせるなど、キャスティングからもホラーマニア感がにじみ出ていたし、サマーキャンプを通して様々な恐怖が飛び掛かってくる『She Came from the Woods』(2022)なども、王道から古典、カルトホラーにあるコミカルと恐怖の間の絶妙な空気感を良い具合に現代的なものとして変換してみせた。

今作も同様に、王道プロットになぞられたスラッシャーでありながら、予想を上回って、”それはアリなの?”と思わせるような新しいギミックが仕掛けられていた。

選挙というものをネタの入り口として使っているだけではなく、選挙に勝つには、自分の手は汚さずに、いかに周りの人間をコマとして動かすのか~という実際にアメリカの選挙制度に通じるような風刺も効いており、ちゃんとポリティカル・サスペンスとしても機能しているのは見事だった。

(C)2023 Mainframe Pictures. All Rights Reserved.

〇作品情報監督:エリック・ブルームクイスト脚本: エリック・ブルームクイスト、カーソン・ブルームクイスト出演:ナオミ・グレイス、デヴィン・ドルイド、ウィリアム・ラス、エイミー・ハーグリーヴス、オリヴィア・ニッカネンほか2023 年/アメリカ/英語/106 分/カラーR15/配給:プルーク、エクストリーム公式サイト:https://founders-day.com/2024年9月20日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、シネマート新宿 他 全国ロードショー!

関連リンク

関連記事

  1. SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業
    SKE48 古畑奈和、「自分は誰かの役に立てている」10年突き進んだ"アイドル"という職業
    ENTAME next
  2. 美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】
    美女コスプレイヤー・蒼猫いな、フェチ感じる衣装で美スタイル完全解禁【写真10点】
    ENTAME next
  3. 10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」
    10年ぶりの写真集、中川翔子「過去最大の露出に挑戦したきっかけは江頭2:50さんの一言」
    ENTAME next
  4. 中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」
    中川翔子、すべてを出した10年ぶり写真集を語る「血管を褒められる体験は初」
    ENTAME next
  5. 桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開
    桃月なしこ、話題のフォトスタイルブックからナチュラルな白ランジェリーショット公開
    ENTAME next
  6. 似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」
    似鳥沙也加、まん丸バストを置きパイした泡風呂グラビアに「キュンが止まらない」
    ENTAME next

「音楽」カテゴリーの最新記事

  1. 緑黄色社会が全国ライブハウスツアーを完走「楽しくてたまらなかった」
    緑黄色社会が全国ライブハウスツアーを完走「楽しくてたまらなかった」
    WEBザテレビジョン
  2. 『極悪女王』を観て興味、作家・雨宮処凛が女子プロレスを初観戦「え、こんなに可愛いの?」
    『極悪女王』を観て興味、作家・雨宮処凛が女子プロレスを初観戦「え、こんなに可愛いの?」
    ENTAME next
  3. 作家・雨宮処凛が女子プロレスを初観戦、“バンギャ”的にも刺激「拝みたいような気持ちになった」
    作家・雨宮処凛が女子プロレスを初観戦、“バンギャ”的にも刺激「拝みたいような気持ちになった」
    ENTAME next
  4. 私立恵比寿中学、超ときめき♡宣伝部をはじめとした全14組、過去最多96名が出演!STARDUST THE PARTY2024【レポート】
    私立恵比寿中学、超ときめき♡宣伝部をはじめとした全14組、過去最多96名が出演!STARDUST THE PARTY2024【レポート】
    WWS channel
  5. 【櫻坂46 4thアニラ】「不安でいっぱいの時期があった」過去の葛藤語る “肯定してくれた”ファンへの感謝<アンコール挨拶全文>
    【櫻坂46 4thアニラ】「不安でいっぱいの時期があった」過去の葛藤語る “肯定してくれた”ファンへの感謝<アンコール挨拶全文>
    モデルプレス
  6. 【櫻坂46 4thアニラ】「ZOZOマリン」2DAYSで7万2000人動員 涙で語った4年間の歩みと5年目への覚悟<セットリスト>
    【櫻坂46 4thアニラ】「ZOZOマリン」2DAYSで7万2000人動員 涙で語った4年間の歩みと5年目への覚悟<セットリスト>
    モデルプレス
  7. JO1 今年初のライブツアーがついにスタート!!初のワールドツアーも来年開催決定【レポート】
    JO1 今年初のライブツアーがついにスタート!!初のワールドツアーも来年開催決定【レポート】
    WWS channel
  8. 「今の私が一番私らしい。」1万字に及ぶロングインタビューで紐解く、乃木坂46・賀喜遥香の心境。B.L.T.1月号の表紙画像を公開!
    「今の私が一番私らしい。」1万字に及ぶロングインタビューで紐解く、乃木坂46・賀喜遥香の心境。B.L.T.1月号の表紙画像を公開!
    WWS channel
  9. WILD BLUE、山下幸輝が凱旋ライブ「人生が本当に変わりました」オープニングアクト登場【第37回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト】
    WILD BLUE、山下幸輝が凱旋ライブ「人生が本当に変わりました」オープニングアクト登場【第37回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト】
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事