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兄弟のほとんどが不慮の死…伝説のレスラー一家の呪いを描く『アイアンクロー』

2024.04.04 20:13
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ジャイアント馬場やアントニオ猪木とも激闘を繰り広げたことで、日本のプロレスファンからも伝説のレスラー一家として知られてる”鉄の爪”ことフォン・エリックとその家族。同時に”呪われた家族”ともいわれている。そんな、エリック一家の呪いの正体に迫った映画作品『アイアンクロー』が4月5日より公開されている。

なぜ、”呪われた家族”といわれているのか。それは兄弟のほとんどが不慮の死を遂げているからだ……。

今作はそんなエリック一家の呪いの正体に迫った作品であると同時に、子どもは親の道具ではないということを強く訴えかけている作品だ。

子育てというのは、親の育て方や、その環境によって人格が形成されていく、一種の洗脳のような側面がある。

父のフリッツは悪役レスラーとして知られていたが、現役であることに限界を感じ、次第にその夢を息子たちに託すようになっていったことで、エリック兄弟たちも日常がレスリング中心に回っていることが当たり前の状態に。

音楽界やスポーツ界でも幼い頃から英才教育として子どもの歩む道を限定してしまう場合もあるが、そのなかで飛びぬけたスターになって、結果的に良かったと親に感謝する者もいれば、歩む道を限定されたことによって逃げ場のない人生となってしまったと思う者もいる。

ブロとして光輝けるのは、ほんの一握り。そこに賭けた代償を負うのは親ではなく子どもの方。

エリック兄弟の場合は、父が絶対的な存在であり、何をするにも父の顔色を窺う。しかし結果的に最悪の道を辿ることになった場合、それを受け止め続けてきたのは次男のケビンだったのだ。

ケビンは、父親からの圧力と兄弟への責任や罪悪感の板挟みにあうことで自分自身の精神も消費されていく。そんな環境でも父親を愛していないわけではない。そんなケビンの視点から物語が展開されていくのも特徴的だ。

父親は”家族”を望んでいるのではなく、レスラーとして巡業できる”ファミリー”を望んでいることに気付いていく…。というより、気づいていたけど、気づかないようにしていたことで招いてしまった最悪の結果に苦しむことになる。

そして今作で注目してもらいたいのは、CGかと思うほどに鍛え上げられたバキバキの肉体の裏にある繊細さでケビンというキャラクターを体現したザック・エフロンの演技力。ザックの役者人生にとって、間違いなく代表作になるに違いないだろう。

ザックといえば、日本でも俳優たちが来日するほどに一大旋風を巻き起こしたディズニー・チャンネルのテレビ映画「ハイスクール・ミュージカル」シリーズの印象が強い。

ディズニー・チャンネルにとっても、その後の「ハンナ・モンタナ」や「ディセンダント」シリーズなどのミュージカル・ドラマの基礎を作った作品としてたびたび取り上げられる作品だ。

ザックはそのなかで作品のアイコン的存在であり、共演のヴァネッサ・ハジェンズとプライベートでも恋人同士であったことから、世界一有名なカップルとしても話題となっていた。

「ハイスクール・ミャージカル」以降は、コメディやティーンムービーへの出演が多かったのが、近年は実在するシリアルキラーを演じた『テッド・バンディ』(2019)やラッセル・クロウと共演した『史上最高のカンパイ! 戦地にビールを届けた男』(2022)など、演技力が試される役に抜擢されることも多くなり、そのなかで実力を発揮してきている。

アイドル的な人気から脂の乗った俳優に変化したという点では、レオナルド・ディカプリオのような風格も漂うほどで、今後の活躍にも期待が高まる。

また監督・脚本を務めたショーン・ダーキンといえば、長編監督デビュー作『マーサ、あるいはマーシー・メイ』(2011)を通して、カルト教団による洗脳とトラウマを描いたことでも知られている。前作『不都合な理想の夫婦』(2020)も家族という形態がもたらす呪縛を描いていた。

今作の場合も、より身近な”子育て”という洗脳とトラウマを描いている点からしても、一見違っているようにも思えて、実はテーマが共通しているのだ。

【ストーリー】1980年初頭、プロレス界に歴史を刻んだ“鉄の爪”フォン・エリック家。父フリッツ(ホルト・マッキャラニー)は元AWA世界ヘビー級王者。そんな父親に育てられた息子の次男ケビン(ザック・エフロン)、三男デビッド(ハリス・ディキンソン)、四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、五男マイク(スタンリー・シモンズ)ら兄弟は、父の教えに従いレスラーとしてデビュー、“プロレス界の頂点”を目指す。しかし、デビッドが日本でのプロレスツアー中に急死する。さらにフォン・エリック家はここから悲劇に見舞われる。すでに幼い頃に長男ジャックJr.を亡くしており、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになったその真実と、ケビンの数奇な運命とは……。

【クレジット】監督・脚本:ショーン・ダーキン出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ2023年/アメリカ/英語/132分/カラー・モノクロ/ビスタ/原題:THE IRON CLAW/字幕翻訳:稲田嵯裕里/G(C)2023 House Claw Rights LLC; Claw Film LLC; British Broadcasting Corporation. All Rights Reserved.提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ 公式サイト:ironclaw.jp 4月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

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