

保志総一朗「“安泰”はない、声優は戦い続けないといけない」「キラ・ヤマト役は自分の誇り」声優活動30周年の想い

『最遊記』孫悟空役、「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」のキラ・ヤマト役といった数々の人気キャラクターを演じ、ベテランとしてのキャリアを持ちながら今なお熱狂的なファンを持つ声優・保志総一朗。1993年に声優活動をスタートして以来、今年2023年で活動30周年を迎える保志が、10月4日に声優活動30周年を記念したミニアルバム『Restart journey』をリリースした。本作には、「旅立ち」をテーマにしたバラエティに富んだ内容の6曲が新規収録される。そんな保志に、活動30周年を迎えた現在の心境や今回のアルバムに対する想いを語ってもらった。
『Restart journey』は新旧混ざったベストアルバムのような作品
ーー今回のアルバムのテーマを「旅立ち」にすることになった経緯や背景を教えてください。
コロナ禍を経て活動30周年を迎えて、残りの人生はゆったり楽しむだけだなという気持ちになったんです。そういった新たな人生のステージへの旅立ちという意味で、アルバムのテーマを「旅立ち」にしました。30周年のタイミングでファンの方のために何かやりたいと思っていて、結果的にミニアルバムという形になりましたね。
ーー本作はどのような作品になりましたか?
前のアルバムとかその前のアルバムは、わりと自分で曲を作ることが多かったんですよ。でも今回、久しぶりに今までお世話になった作家さんたちに集結していただきました。ファンの方へのプレゼントでありながら、自分にとってもプレゼントのような作品にしたかったんです。以前からお世話になっていた作家さんだけではなく、今回から新たに依頼した作家さんもいます。そういった意味で、新曲を集めてはいるけど、新旧混ざったベストアルバムみたいなものになったと思います。
ーーアルバム収録曲「Star journey」を最初に聴いた時はどう思いましたか?
嬉しかったですね。この曲を書いてくれた岡島さんに、ゲームサウンドに生楽器のロックサウンドを合わせた曲を作ってほしいとお願いしたところ、イメージしていたものがバッチリ帰ってきたんですよね。岡島さんとの楽曲制作は今回が初めてだったんですけど、細かいことを言わなくてもイメージ通りのものを持ってきてくれたので、すごく嬉しかったです。
ーー「Star journey」の聴いてほしいポイントがあれば教えてください。
それぞれの音が際立った作品になっているので、1つ1つの楽器の音を聴いてほしいですね。爽やかな曲ではあるんですけど、細かい部分でかっこいい音が入っているのがポイントかなと思います。
ーーアルバムには、さまざまなタイプの楽曲が集まりましたね。
そうですね。作家さんがそれぞれの個性を出してくれて、バリエーションが豊かになったんですよ。でもアルバム全体では統一感があって、1つのストーリーとして聴ける作品になったと思います。
ーー保志さんが作曲した楽曲が2曲も収録されています。
はい。既存曲も1曲入れたんですよ。それが「Soul of Rebellion」という曲です。CDに収録する機会がなかったので、せっかくだから入れたいなと。旅立ちのテーマとはちょっと違ったんですけど、酒井ミキオさんに提供していただいた「Beautiful Life」と対比になるような曲で、連続で並べると面白いかなと思ったんです。
“鼻歌”から始めた作曲活動、今や音楽は自分から発信する「欠かせないもの」
ーー作曲はいつ頃からされているのでしょうか?
セカンドアルバムをリリースした2014年頃からですね。ミニアルバムではあったんですけど、その時は全部自分でやりました。なんかちょっとやってみたくなっちゃったんです。
ーーご自身で作曲しようと思った経緯を教えてください。
以前からキャラクターソングを歌う機会が多かったんです。それもあって、徐々に歌は良いものだなと思うようになってきて、自分でも作りたくなりました。ファーストアルバムを出した時に、1曲だけ作詞をしたんですよね。その時に自分で何かを生み出すのは難しいなと思ったと同時に、作詞ではなくて作曲をしたいと思ったんです。どちらかと言うと感覚重視の人間なので。そういった経緯で、自分で作曲するようになりましたね。
ーー作曲はどのようにやるのでしょうか?
最初はただ鼻歌でやっていました。アカペラで歌ったものをアレンジャーさんに送って、曲を作ってもらっていましたね。だんだん自分でDAWソフトを使って打ち込んだり、MIDIキーボードで音を探りながら作ったりっていう感じになっていきました。
ーー音楽にはどのような気持ちで取り組んでいますか?
声優活動をやるうえで、歌は付随してくるものだなと思っていて。声優活動は受け身の部分もあるんですけど、音楽活動は自分発信でやるものなのかなと。そのバランスが良くて、声優と音楽の2つがあってこその活動という感じに今はなっています。自分は音楽のプロではないんですけど、これからもモチベーションを保って地道に続けていくことに意味があるかなと考えています。
ーーどのような音楽をやっていきたいというイメージはありますか?
イメージは固まっていないというのが正直なところですね。ターゲットを絞ってというよりは、幅広く多くの方に聴いてもらいたいなと思っています。色々なジャンルにチャレンジしたいなという気持ちがありますね。
活動30周年の想い「声優は常に戦い続けなきゃいけない職業、挑み続けている」
ーー今年で活動30周年ですが、振り返るとどのような30年でしたか?
「駆け抜けてきた」という感じですね。20代の頃は始めたばかりで、最初の頃はうまくいかなかったんです。仕事も少なかったし、世に出るような作品には出られなかったです。有名な作品には縁がなくて、オーディションも受からないというのが続いて、20代中盤くらいからようやく仕事が増えました。分からないことだらけの中で、必死にやっていましたよ。30代になってから軌道に乗ってきて、作品やキャラクターとの出会いに恵まれて、楽しむことができるようになりました。その後40代になって、中堅になったなと感じるようになりましたね。がむしゃらにやってきて、少し前に50代になりましたけど、この30年はすごく内容のある30年だったなと思います。
ーー30年も活動を続けることができたのは何故でしょうか?
良くも悪くも落ち着かなかったからですかね。声優は常に戦い続けなきゃいけない職業だとは思うんですよ。安泰ってないじゃないですか。一見華やかに見えるかもしれないけど、挑み続けないといけなくて。だからこそ、続けられたのかなと思います。
ーーキャリアの中でターニングポイントがあれば教えてください。
『スクライド』(主人公・カズマ役)で声優をやっていた時ですね。『スクライド』は戦いの作品なんですけど、声優としても毎週戦っていたんですよ。ただ演じるだけではなくて、アフレコも毎回戦いなんです。それくらい、自分の中では挑んだ作品でした。ネアカなタイプではないので、20代は悩みながら仕事をしていたんですけど、『スクライド』の時期に吹っ切れましたね。それ以降は気持ちが楽になって楽しめました。
「キラ・ヤマト」を演じたことは誇りであり、欠かせない存在
ーー『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が2024年1月に劇場公開となります。約20年前の作品の続編を新作でやると聞いた時はいかがでしたか?
元々続編はやるって聞いていたんですけれど、5年くらい前に本当にやるっていう話を聞きました。僕はずっと待っていました。やるべきだと思っていたので、すぐにスイッチできましたね。
ーー声優さんが20年前のキャラをもう1回やるというケースはあまりないのでしょうか?
そうですね。でも、キラ・ヤマトに関しては、毎年なにかしらのガンダムのゲームで演じ続けています。「久しぶりに演じる」ではなく「常に一緒に過ごしてきた」感覚ですね。ただ、当時のキラを再現するのは難しいです。僕はあえて当時のキラ・ヤマトを再現するのではなく、今の僕の解釈で演技するように心がけています。
ーーガンダム作品でキラ・ヤマトを演じたことで、声優としてどのような影響がありましたか?
やはり、色々な方に自分のことを知ってもらえましたね。キラ・ヤマトを演じさせていただいて、こんなに幸せなことはないなと。今も、欠かせない存在ですね。一番長く演じ続けていますし、キラ・ヤマト役の保志総一朗って言ってもらえることを誇りに思っています。
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