

動画総再生3億回超!人気歌い手ウォルピスカーター&Gero&あらきが語る「ネットとリアルの境界線」

ニコニコ動画やYouTubeなどで、動画の総再生回数が3億回を超える人気歌い手・ウォルピスカーターが、初の著書となる「自分の声をチカラにする」を発表。書籍にも登場するウォルピスカーター、Gero、あらきという、歌い手として同じ時代を切り拓いてきた3人が、クリエイターにとって近年ボーダーラインが曖昧になってきていることなど「ネットとリアルの境界線」について語り合った。近年は芸能人も参戦している「歌ってみた」動画に早くから取り組んでいる彼らから見た「歌い手」文化の今とは。
芸能人の参戦で「歌ってみた」界隈の競争がさらに激しく
ウォルピスカーター:コロナ禍は僕たち歌い手にとってもやっぱり大きな影響がありましたよね。
Gero:ライブはできなくなったね。
あらき:「歌ってみた」に限らず、リアルな観客の前で歌を披露することのハードルが少し上がったかもしれない。
ウォルピスカーター:そういう中で、僕たち歌い手はもともとネットで活動していたっていうアドバンテージはある。動画作りのノウハウであったり、リスナーとの繋がりであったり。
あらき:そうだね。音楽シーン全体がリモートライブなどでネットのパワーを活用しようとしているけど、そういう面でのアドバンテージを僕たちは持っているはず。だからこそ、動画やリモートっていうフィールドで僕たちはもっと頑張らないといけないって気がしています。
ウォルピスカーター:「歌ってみた」動画のジャンルも、タレントさんや芸人さんなど、いわゆるそれまでテレビで主に活動されていた方が参入してきてにぎわっている。
僕たちはずっと「歌ってみた」に取り組んできたわけだから、新しいチャレンジャーには勝っていきたいし、そういう競争によって「歌ってみた」というジャンルそのものを盛り上げていきたいですよね。
あらき:逆に「歌ってみた」の世界からメジャーデビューっていう道筋にも変化があると思うんですよ。以前はネットからメジャーへっていうサクセスストーリーが絶対的な成功例だったけど…。
Gero:今はもうそういう時代ではないからね。
ネットにはプロかアマチュアかという線引きはない
ウォルピスカーター:アマチュアとプロの境目、ネットとリアルの境界線がぼやけてきている。ネットの世界では誰でも自分の歌を発表することができて、何百万回、何千万回と再生されることも夢ではない。そして、そこにはプロかアマチュアかという線引きもない。
Gero:実際今の若い人たちが聴いている曲って、歌い手がネットで発信したものも多いし。
ウォルピスカーター:「うっせぇわ」のAdoさんなんて、歌い手としてかなりすごいスピードで成長している。僕がAdoさんと知り合ったのは「うっせぇわ」を出す少し前で、すごく歌の上手い方がいると思って注目していたんですよね。
あらき:Adoさんは爆発的に火が付いた感じだよね。
ウォルピスカーター:Adoさんだけじゃなく、すごい歌い手はまだまだたくさんいる。僕が神様だと思っているまふまふさんとか。まふまふさんにしろAdoさんにしろ、ほかの歌い手の活動が僕の指針になるし、先ほど言った、さまざまなバックグラウンドを持った方々が投稿する「歌ってみた」もまた別の指針になる。
ネットとリアル、プロとアマチュア、いろいろな境界線が曖昧な現在だからこそ、新しいコンパスには敏感でいたいですね。
収益化の土台はすでに出来上がっている
ウォルピスカーター:僕たちが「歌ってみた」を始めた頃には収益化なんてこともなくて、ほぼ趣味の延長線上だったけど、すでに収益化が当たり前になってきたのも大きな変化ですよね。
Gero:当時は「歌い手 必要なもの」なんてネットで検索しても何も出てこなかったしね(笑)。もちろん、必要な機材も全然分からなかった。
あらき:最近は歌い手入門キットみたいなものも発売されているから、すごく間口としては広がっている気がするね。
ウォルピスカーター:そういうシステムができたのもYouTubeで「歌ってみた」を公開する人が増えたからなんだと思います。世の中の流れを敏感に察知したオーディオ機器メーカーが入門セットを出してくれるし、機材の比較動画なんてものも投稿されるようになりましたね。
Gero:思い出すなぁ…最初に使ったマイクはおもちゃみたいな形してたもん。
あらき:それなのに録音機材はアホみたいに大きくてかさばるっていう。
Gero:そうそう! 衣装さんの持ち歩いているケースみたいな。「どこかに旅行でも行くの?」って感じのやつね。
ウォルピスカーター:機材的な意味でも、仕組みとしても始めやすいのは本当にいい波が来ているなって感じがします。
「歌ってみた」って、芸能人の方やYouTuberの方のチャンネルを見てもおそらく1本は必ず動画として上がっているジャンルだし、このまま動画を配信する人たちの当たり前になっていってくれるとさらに波が大きくなっていく気がしますね。
若手が新しい文化を作り、次世代へと繋がっていく
ウォルピスカーター:僕はニッチな歌を好んで投稿してきたので、メジャーな曲を歌うだけが正解じゃないっていうのはこれからも僕自身の音楽活動を通して知ってほしいですね。
Gero:そう考えると歌い手って稀有な存在になっていると思う。
あらき:俺もどちらかというと皆が知らない曲を好む傾向がある。でもさ、知らない曲ばっかり歌っていると、まわりからは「そんなの伸びないですよ」とか言われるの。
Gero:でも、正直それでいいんだよね。俺もそういう曲を歌うときって「みんな知ってる? こんないい曲あるんだぜ?」って気持ちはあるもん。で、聴いた人から「知らない曲だけどいいですね!」って言われると「やってやった!」って謎の達成感が湧いてくる(笑)。
ウォルピスカーター:分かる! そうやって世代やジャンルを超えてまわりに広がっていくのが気持ちいい。だけど、歌い手界隈が盛り上がっていくためには、やっぱり若手が育っていくのも重要な要素だと僕は思うんですよね。
Gero:歌い手ってジャンルを広げるためには大事なことだよね。
人気歌い手3人が掲げる“理想”
あらき:文化の発展には開拓する人だけじゃ成り立たないからね。僕たちが歌い手っていう道を歩きやすくしてくれたのは先輩がいたからだし、それについていく自分たち、そしてその後ろを追う後輩がいなければどこかで消えてしまう可能性もあるから。
ウォルピスカーター:そうなんですよね。でも僕がそこで恐れているのは爆発的に歌い手が流行することなんですよ。
Gero:なんで? むしろ盛り上がりがドカーンといったほうが良い気もするけど。
ウォルピスカーター:大爆発したものって飽きられるのも早いと思う。例えばメントスコーラみたいな。誰もがやっているけど、飽きられはじめたら奇抜なものだったり大金をかけたりするような企画しか見られなくなっていくから、新鮮味がなくなってしまうんですよね。
Gero:なるほどね。文化として広がってほしいけど、一過性の流行で終わってしまうのは確かに望んでないな。
あらき:じゃあ、ゆるやかに盛り上がっていくのが理想ってこと?
ウォルピスカーター:僕の希望はそうですね。今、ちょうどそういうタームに差し掛かっていると思うので、世の中の認知度をさらに高めつつ流行を広げていきたい。そのためには次世代の若者が入ってきてほしい。…めちゃくちゃ理想論ですけど。
Gero:理想を口にするのは大事よ。というか僕たちがそういうのを発信していかないと、分かってもらえない部分でもあるからね。
ウォルピスカーター:僕たち自身もそういうシーンの流れと共に歩んできたから、これからもその流れを大事にしていきたいですね。
(ウォルピスカーター):“高音出したい系男子"の異名を持ち、ハイトーンボイスを武器に多くのファンを魅了する人気歌い手。実直な“高音"へのこだわりを掲げる「ウォルピス社」社長でもある。ニコニコ動画やYouTubeで投稿した動画の累計再生回数は3億回を突破し、動画投稿だけではなく、これまでに4枚のアルバムをリリース。過去開催されたワンマンLIVEは全てSOLD OUTするほどの人気を誇る。レギュラーでラジオパーソナリティーも務めるなど、多方面で活躍。
(Gero):兵庫県尼崎市出身。2008年からニコニコ動画で歌い手として活動し、2013年にメジャーデビュー。アニソンシンガーとしても活躍。低音からハイトーンまで4オクターブをパワフルに歌い上げる。人気歌い手たちが一堂に会する音楽フェス「ちゃんげろソニック」主宰。
(あらき):90's PUNKをこよなく愛し、熱いロック魂と情熱的な声でリスナーを魅了するボーカリスト。ネットミュージックシーンを中心に活動するが、ライブでの歌唱力、パフォーマンスにも定評がある。ニコニコ動画・Youtubeの総動画再生数は2億回を超える。
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