「理系は向いてない」を変える出会い。女子中高生向けSTEM体験とは
2026.06.25 12:00
提供:ママスタ☆セレクト

「数学が苦手だから」「女子が少なそうだから」「理系って難しそうだから」。そんな理由で、最初から“理系”を選択肢から外してしまう女子中高生は少なくありません。2026年5月に開催された「Girls Meet STEM Summit 2026」では、企業・大学・自治体・教育関係者らが集まり、「女子×STEM」の今と未来について語り合いました。
主催は、メルカリ創業者・山田進太郎さんが代表理事を務める公益財団法人山田進太郎DI財団。会場では、女子中高生向けSTEM(理系)領域のツアー型体験プログラム「Girls Meet STEM」の成果や今後の展望が紹介され、「うちの子、理系に向いているのかな?」と感じるママにとっても、子どもの進路のヒントが詰まった内容でした。
「Girls Meet STEM」って?
「Girls Meet STEM」は、高専や大学、企業・研究機関と協力して実施する、女子中高生向けのSTEM領域のツアー型体験プログラムです。今回の「Girls Meet STEM」2026 夏ツアーは全国218企業、37大学、8高専が参加する過去最大規模。全国で660の体験ツアーを実施予定で、申込受付は5月21日から始まっています。
参加企業は、旭化成、京セラ、グンゼ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、ソフトバンク、日本マイクロソフト、パナソニック ホールディングス、パナソニック コネクト、明治、ライオンなど。AI、IT、ものづくり、通信、化粧品開発など、“理系の未来”は想像以上に幅広く感じました。
昨年度は応募数(12,921人)が参加者数(約8,900人)を大きく上回りました。STEM体験への関心の高さもうかがえます。
※詳細は公益財団法人山田進太郎D&I財団公式ウェブサイトでご確認ください
「理系という選択肢もある」を届けたい

山田進太郎さんは、財団が5年前、奨学金事業からスタートしたことを紹介。活動を続けるなかで、「中高生にとって、社会人や大学生と実際に出会い、話を聞くことが進路選択の大きなきっかけになる」と感じたことから、企業訪問や体験プログラムを集めた「Girls Meet STEM」を始めたそうです。
スタート当初は16社・24大学ほどだった取り組みも、現在は260を超える企業・大学・高専へと拡大しました。「理系という選択肢もある」「こんな未来もある」。自分の可能性に気付き、自分の選択肢を前向きな気持ちでもてるような機会を届けたい、という山田さんの言葉が印象的でした。
日本の女子の数学、科学は「世界トップクラス」

続いて登壇したのは、山田進太郎DI財団常務理事COOの石倉秀明さん。「女子は数学や理科が苦手だから理系に進まないわけではない」と話されました。石倉さんによると「OECDの学習到達度調査(PISA)では、日本の女子の数学・科学力は世界トップクラス。15歳時点では、男女差もほとんどない」とのこと。
「女子は理系に向いていない」というより、「理系の未来を知らないまま、選択肢から外している」という部分が大きいのかもしれません。
「私にもできるかもしれない」という自信
石倉さんの話で、もう一つ印象的だったのが「自信」の話。Girls Meet STEMでは、企業で働く女性社員や女子大学生との交流を大切にしているそう。しかも重要なのは、“特別な天才”ではなく、「自分に近い存在」と出会うこと。そして多様な人と出会うこと。
参加した生徒たちにとって、
・身近に感じられる
・普通に生活している
・少し先を歩いている
たくさんのロールモデルとの出会いが、進路選択に影響することがわかってきました。
実際、Girls Meet STEMに参加したあとは、「理系に進めそう」「自分にもできそう」と自信をもつ傾向があるとのこと。まずは「知る」「見る」「話を聞く」ことが、進路の第一歩へとつながりそうですね。
女性の力が、日本の未来を変えていく

ゲストセッションには、「ウーマノミクス」の提唱者で、MPower Partners Fund L.P. 共同創業者兼ゼネラル・パートナーのキャシー松井さんが登壇。女性管理職比率が高い企業ほど収益性や売上成長が高いという研究データも紹介され、「女性支援は、国の成長戦略の一環」と訴えていました。
また、キャシー松井さんが対談のなかで発言された「見えるものにしか、人はなれない」という言葉が心に刺さりました。理系で働く女性の姿が見えなければ、女子中高生は“自分がそこで働く未来”を想像しにくいと語っていました。理系分野には女性が少ないから学べないと断定せず、まず働く女性を「見てみる」こと。それこそが、進路選択の第一歩なのかもしれません。
理系進学を後押しする「返済不要」の奨学助成金も
今回の発表では、「STEM(理系)女子奨学助成金」第6期募集についても紹介されました。
・高校生女子が文理選択時に理系を選択することを支援する、抽選制・返済不要の奨学助成金。
・1人あたり10万円を、500名程度に給付予定。
2021年の開始以来、累計約2,200名に総額約2億7000万円を支給。奨学助成金制度は、理系進学の後押しにもなるかもしれませんね。
「理系=研究室」だけじゃない
会場では、薬科大学の先生のお話を聞く機会もありました。薬学部は女子学生が6〜7割を占める一方、大学院進学は意外と少ないそう。「大学受験を控えた高校生だけでなく、中学生のうちから親子で体験に来るのもおすすめです。文系・理系を決める前に、まずはいろいろ体験してみてほしい」とお話してくれました。
「私、理系に向いてる?」を決める前に

今回のイベントで何度も出てきたのは、「文理選択の前に、まず体験を」という言葉。これまで「Girls Meet STEM」に参加した生徒の多くは中学生や高校1年生以下。まだ文系・理系を決める前の段階で参加します。
親としては、つい子どもの進路を心配して「将来の就職先は?」「ちゃんと働ける?」と不安になることもあるでしょう。しかし、進路選択の段階で文理の選択をする前に「Girls Meet STEM」に参加して、「見て」「聞いて」「体験してみる」といいのではないでしょうか。Girls Meet STEMは、「なりたい職業から進路を決める」取り組みなのだと感じました。
「Girls Meet STEM」2026 夏ツアー概要
【対象】中学1年生から高校3年生の女子(性自認が女性である方を含む)
【開催時期】
(第一弾)2026年7月18日〜8月16日(応募締切6月23日)
(第二弾)2026年8月17日〜8月31日(応募締切7月21日)
【内容】
・企業のオフィスや研究所の見学、最新技術の体験、ワークショップ等
・STEM領域で活躍する女性社員・研究者との座談会
・大学、高専の研究室ツアーや大学・大学院生との座談会
【詳細・申込】公益財団法人山田進太郎D&I財団公式ウェブサイト
取材、文・長瀬由利子 編集・いけがみもえ
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