【前編】義実家のお墓は誰が管理する？子どもには絶対に負担をかけたくない！

義実家や実家には代々守ってきたお墓がある、そういったご家庭も少なくないでしょう。自分の親たちが亡くなりお墓に入ると、今度は自分たちの世代がそのお墓を管理していく必要が出てきます。あるママが、このお墓の管理のことで心配ごとを抱えているようです。ママスタコミュニティにこんな投稿がありました。
『旦那の実家には代々先祖が入っているお墓があります。そのお墓について、問題が発生しています。旦那は次男で末っ子です。長女はニート、長男は結婚してるが子どもなし、次女はバイト、みんな実家暮らしをしています。子どもがいるのが旦那だけなので、今後は私たち夫婦や私の子どもがお墓を見ることになるのでしょうか。私もパートに出たりしていますが、金銭的にはギリギリです。家賃や塾や学費を払うのに大変なので、お墓まで手が回りません。旦那は頼まれたら「いいよ」と言いそうです』
投稿者さんの旦那さんは長男でもなければ、実家で暮らしているわけでもありません。でも旦那さんのきょうだいたちの現状から察するに、将来的に投稿者さん家族がお墓の管理を任されることになってしまいそうで、今から金銭面の心配をしています。
こういったお墓問題は決して他人事ではなく、自分の身にも起きる可能性はゼロではありませんので気になりますね……。

お墓問題は、他人事ではない

『長男が墓守りするなんて、時代に合っていないよね。大昔は同居が当たり前だったからだろうけれど、今は離れて暮らす人もいるもん。私も長男の嫁だけれど、義父（長男）が亡くなったから墓守りは旦那。でも飛行機で3時間の場所にあるからどうするんだろうと思う』
『旦那は次男。うちも長男である義兄も転勤などで地元から離れている。義父は生前に自分と義母の入るお墓を建てた。義兄はうちよりも実家から遠くにいるし、義姉も地元の人じゃないし、管理は誰がするんだよ？　と正直思ったよ。今はまだ義母がいるからいいけど……』
やはりお墓の管理は子供が引き継ぐ話になることが少なくないようで、引き継ぐ可能性がある側は、投稿者さんと同じように一抹の不安を抱えていることもわかります。頻繁にお墓参りに行けないといった立地の問題もあるでしょうが、それ以上に、管理費も悩みの種なのではないでしょうか？

お金のことが心配

『義母は高齢で（義父はいない）旦那以外（のきょうだい）は60才前後です。お金がなかったら、旦那はうちの家計を削ってどうにかすると思います。私もやり繰りを強いられると思います』
お墓の管理を引き継ぐことになると、当然ながら気になるのがお金のことです。もし投稿者さんたち夫婦が実家のお墓を管理することになったら、やはりその費用は投稿者さんたちが出すことになりそうです。子どもの教育費や老後資金なども貯めなければいけないというのに、さらに管理費まで……、投稿者さんはこれ以上出費がかさんでは困ると言っています。さらには、自分たちの次の代、つまりお子さんたちのことまで考えれば、よけいに重い負担に感じることでしょう。

お墓の維持費は？

では、お墓を管理維持していくためにはどのくらいのお金がかかるのでしょうか。
『お寺から管理する人がいないと、と次男である夫にまわった。年間3万円の管理費。その他、本堂修復で檀家は最低40万円の寄付』
自身のお墓事情を教えてくれたママもいました。お墓を引き継ぐということはお墓の購入費用を負担する必要からは逃れられますが、その後、管理費を払い続ける必要が生じます。公営・私営で異なるでしょううけれど、コメントを寄せてくれたママの場合は、年間で3万円かかっているということです。
他にも愛知県岡崎市を例にとって見てみると、自治体が維持管理をしている墓地の場合には、管理費が、2平方メートルあたり2,400円（年間）程度のようです。これには水道代やゴミ処理代、墓地の通路などの管理費も含まれるとのことですが……。
参考：岡崎市「岡崎墓園管理料」
管理費以外にももし墓石が倒れる、本堂が損壊したなどの場合に修理費を負担しなければならないケースもあるようです。
こうした出費をどうとらえるかは、もちろん家庭ごとに解釈が異なるでしょうが、子どもたちが成人していなく、これから教育費がかさみそうといった時期などには、お墓の管理費が疎ましい存在となってくる家庭もあるはずです。

投稿者さんたちはそのお墓に入らないと伝え管理を辞退しては？

『そのお墓に入るかどうかで考えてみてはどう？』
『投稿者さんたちは義実家の墓に入るのではなく、自分たちの墓を用意するなど考えるのでは？　そうなった場合は「うちの子には2つも3つも無理です（笑）」と言い続ければいいんじゃない？』
義両親にしてみれば、「せっかくお墓があるのに」と思うかもしれませんが、例えば、投稿者さんたちは義実家のお墓に入らない選択をして、それを理由に、管理を辞退することを申し出てみるというのも一手かもしれませんね。
そうすることで、義両親やきょうだいが今後お墓をどうしていきたいと思っているのかということについても、あらためてたずねられるかもしれません。そのときに、さりげなく墓じまいなどに言及してもいいかもしれません。
こんな声も挙がっていて…。
『私なら、とりあえずなるべく長く長男に見てもらう。自分のところにお鉢が回ってきたら、自分の代で墓じまいして、仕事を息子に残さない』
投稿者さんもこう応じています。
『もし長男が亡くなったらうまく旦那に墓じまいしてもらえばいいかしら？』
ただ、実際のところ、地方で代々続くお墓を、次男のお嫁さんから「墓じまいしては？」と提案するというのは現実的ではないのかもしれません。であれば旦那さんから話してもらいたいところですが、投稿者さんによれば、旦那さんは頼まれたら管理を買って出るだろうということですから、頼りにできません。いったんは、きょうだいの誰かが、あるいは投稿者さんの旦那さんがお墓を継いで、後々にあらためて相談するのがトラブルにならずいいのかもしれませんね。

お墓の管理の引継ぎは、悩ましい問題です。お金がかかることも理由の1つですが、自分たちの代だけでなく、その後、子どもたちの代にまで関わってくる話でもあるからです。
そんななか、最近では、自分たちが他界して以降、子どもたちには面倒をかけたくないと考えて、後継者を必要としないお墓を念頭に置く人もいるようです。

後編へ続く

文・川崎さちえ　編集・blackcat イラスト・Ponko