「愛の不時着」の次に観たい“名作ラブロマンス”は？＜脚本家パク・ジウン氏ドラマ3作＞

「愛の不時着」

＜あらすじ＞

物語は、財閥令嬢でありながら自分の力でファッション会社を作り、上場させた敏腕社長のユン・セリ（ソン・イェジン）が、2人の兄を抜いて財閥の跡取りに任命されるところから始まる。苦労しながら人生を切り拓いてきたセリが、努力の甲斐あり最高の場所に上り詰めようとしていたその時、パラグライダー事故に遭い不時着した先はなんと北朝鮮。そんなセリを偶然軍人のリ・ジョンヒョク（ヒョンビン）が発見し、嘘をついてかくまいながら彼女を韓国に帰す方法を模索するが、2人は徐々に惹かれ合っていく…。

＜見どころ＞

まずは、パク・ジウン氏の新たな代表作ともなった「愛の不時着」をご紹介。南北の壁を超えて出会った2人のロマンスは、究極のラブストーリーとして爆発的な人気に。報道によれば最終話の視聴率は21%を突破し、同局ドラマの最高視聴率を更新したという。

同作の魅力は“一緒にいるだけで違法”の2人が描く運命の愛。保衛部に見つかればどちらかが命を落とすかもしれない危険の中で、互いを守るために行動する姿には、涙を流さずにはいられない。

また、セリとジョンヒョクの脇を固めるキャラクターたちも魅力的。ジョンヒョクの部下である4人の隊員や、若い金持ちの事業家のク・スンジュン（キム・ジョンヒョン）、ジョンヒョクの婚約者ソ・ダン（ソ・ジヘ）、1人1人に感情移入してしまう。スイス・北朝鮮・韓国と3カ国を結ぶ大規模な世界観や、過去と現在が交差する壮大な伏線もストーリーにグッと引き込まれる要素だろう。

「青い海の伝説」

＜あらすじ＞

1598年、美しい人魚セファ（チョン・ジヒョン）は、権力者で商人のヤンに捕まってしまう。ヤンは県令のキム・タムリョン（イ・ミンホ）に取り入るため人魚を見せるが、人魚を哀れに思ったタムリョンは、人魚を自由にするよう命じる。時は流れ、現代のソウル。タムリョンはホ・ジュンジェ（イ・ミンホ）という詐欺師に生まれ変わっていた。ジュンジェはある日、スペイン滞在中に、ホテルの部屋で見知らぬ女性を発見。それは、初めて陸に上がってきた人魚（チョン・ジヒョン）だった。ジュンジェは言葉も話せず、すぐ他人を信じてしまう純粋で無防備な彼女を放っておくことができず…。

＜見どころ＞

“人魚と人間のラブストーリー”と聞いて、果たしてそんなファンタジーを映像化できるのか…？と疑問に思った人も多いだろう。しかし、チョン・ジヒョンが抜群の演技力を生かし、足が生えたばかりで何もかも新鮮に感じている人魚を見事に表現。「本当にこの世界のどこかで人魚が生きているんじゃないか…」と思ってしまうほど“リアルなファンタジー”に仕上がっている。また、人間の世界で子どものようにはしゃぐ姿がチャーミングな一方、見惚れてしまうような美貌と芯のある性格を持つヒロインであるところも魅力的だ。

さらに「花より男子～Boys Over Flowers」や「相続者たち」で財閥の王子様を演じたイ・ミンホが、同作では天才詐欺師というダークイケメンを演じているのもポイント。詐欺師の仲間とともに、見事に任務を遂行する姿には思わず「かっこいい…」と声が漏れてしまうほど。

また、こちらもスペインと韓国で撮影され、前世と現世の世界が交差する圧倒的なスケールの大きさを誇る。海を始めとした絶景や1500年代のきらびやかな衣装・装飾品が登場する映像は最高に美しい。

ラブロマンスでありながら、人魚に魔の手が迫るハラハラドキドキした展開や、クセの強いキャラクターが軽快なテンポで繰り広げるコメディ要素満載の会話も面白く、誰でも楽しむことが出来る作品。これまでファンタジーやラブロマンスをあまり観てこなかったという人にもオススメだ。

「星から来たあなた」

＜あらすじ＞

1609年、朝鮮の地に舞い降りた宇宙人のト・ミンジュン（キム・スヒョン）。自分の正体と超能力を隠し404年もの歳月を生きてきたが、地球での暮らしも残すところ3ヶ月。静かに故郷の星に帰る準備を進めていた。ところが、マンションの隣室にトップ女優チョン・ソンイ（チョン・ジヒョン）が引っ越してきたせいで、生活は一変！ 次々と面倒に巻き込まれてしまう。地球人のトラブルには干渉しないと決めていたミンジュンだが、なぜかソンイのことは放っておけず、やがて彼女に惹かれている自分に気づく。

＜見どころ＞

第1話から最終話まで同時間帯1位をキープし続け、最高視聴率33.2%という驚異的な数字を記録した同作。2020年になった今も、色褪せない名作として人気を誇っている。

同作の大きな見どころは、何と言っても“宇宙人”だからこそ可能な演出の数々。瞬間移動・時を止める…など超能力を見事に表現した映像や、ド派手なアクションシーンの連発で視聴者を見事にストーリーに引き込んでいく。さらに、404年もの間生き続けてきたミンジュンが、時代の流れに合わせながら自分の身なりや生活様式を変化させてきた描写もリアルに表現されている。

さらに、クールで感情を表に出さないミンジュンは、傲慢だけど天真爛漫で愛らしいソンイと接していく中で、徐々に人間らしい感情が芽生えていく。一方、何もかも自分の思い通りにならないと嫌だったソンイは、ミンジュンと過ごすことで徐々に相手を気遣った行動が出来るようになる。2人が互いに良い影響を及ぼし、成長していく姿はまさに理想のカップルそのものだ。

また、チョン・ジヒョンが「青い海の伝説」とは全く異なるヒロインを演じているのも印象的。強がりだけど実は傷つきやすく寂しがり屋というソンイに、思わず共感してしまう女性も多いはず。そして、そんなソンイの本当の姿にいち早く気付くミンジュンに胸キュンが止まらない。宇宙人と人間の物語でありながら、トキメキ満載の王道ラブロマンスとなっている。

宇宙に帰れば永遠に再会することは不可能という状況の中で、どんどん惹かれ合っていくミンジュンとソンイ。そんな2人が一体どのような結末を迎えるのか、最後まで目が離せない。

パク・ジウン氏の作品の魅力

3作品に共通しているのは、難しい設定を見事に表現する大規模な世界観、そして、どれも“運命の愛”が美しく描かれていることだ。さらに、ラブロマンスに加えてコメディやミステリーといった要素を加えることで、長いドラマの中でも視聴者を飽きさせない工夫が施されている。

また、どの作品においても自分らしさを持った強い女性をヒロインとして描くことで、“女性が憧れる女性”を生み出しているのもポイント。

「韓ドラにハマったけど、どれから見れば良いのか分からない」「『愛の不時着』の次に何を見ればいいのか迷っている」という人は、パク・ジウン氏の壮大なラブロマンスを選んでみてはいかがだろうか。（modelpress編集部）