IU×BTS・SUGA“歴代級コラボ曲” 故ジョンヒョンさん&ソルリさんを連想させる内容が話題<eight>
2020.05.09 17:27
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韓国の人気歌手IUが、BTSのSUGAとコラボした「eight(Prod.&Feat. SUGA of BTS)」(6日リリース)がヒット中だ。世界的に活躍する2人の歴代級コラボという話題性はもちろんのこと、楽曲自体が2017年12月に亡くなったSHINeeのジョンヒョンさん、昨年10月に亡くなった元f(x)のソルリさんを連想させるという点でも注目が集まっている。
IU×SUGA、“歴代級コラボ”がヒット継続中
日本でも人気を博しているドラマ『愛の不時着』の劇中歌「Give You My Heart」でもおなじみのIU。数々の国民的ヒット曲を生み出してきた歌姫が、音楽プロデューサーとしても知られるBTS・SUGAとタッグを組んだこのコラボは、リリース前から相当な関心を集めていた。6日午後6時に曲が公開されると、事前の予想通り“歴代級コラボ”に反響が殺到。韓国の主要音源チャートでは軒並み1位を獲得し、配信から3日たった9日のチャートでも1位をキープし続け“オールキル”を達成している。
“同い年”でコラボが実現 IUの28歳を告白した楽曲…
同曲はIUにとって「二十三」(2015)、「Palette」(2017)に続く、年齢を表す曲だ。現在28歳(韓国では数え年が用いられる)のIUはこの曲について「“あなた”という仮想の人物と様々な比喩を使い、私の28歳を告白した短い小説のような曲」と明かしている。SUGAとのコラボも93年生まれの同い年という理由で行われたほか、制作に参加したEL CAPITXNも同じく28歳だ。SUGAはプロデューシング、ラップフィーチャリング、ピアノやシンセサイザーの演奏に参加。メロディラインやIUパートの歌詞は彼女自身が考えたようだ。
曲調は明るいが…故・ジョンヒョンさんとソルリさんを連想させると話題に
同曲はトレンディで爽やかなサウンドが印象的で、BTSのRMがそう表現したようにドライブにもってこいの明るい曲だ。清涼感のあるIUの歌声にSUGAのクールなラップが重なり、相乗効果を生み出している。しかし、IU自身は同曲について“曲調は明るいけれどポジティブなメッセージではない”と明かしている。その意味について、ファンはすぐに気がついたようだ。なぜなら同曲の歌詞やMVは、彼女が相次いで失った友人、ジョンヒョンさんとソルリさんを連想させたからである。
IUとジョンヒョンさんは音楽を通しての長年の友人で、ジョンヒョンさんは自身が制作した楽曲「憂鬱時計」(2013)をIUにプレゼントしたことでも知られている。ジョンヒョンさんの死の直後に行われた「第32回ゴールデンディスクアワード」で大賞を受賞したIUが、受賞スピーチで哀悼のメッセージを送ったことも話題を呼んだ。
また、ソルリさんはIUの大親友として長年知られていた。ソルリさんを妹のように可愛がっていたIUは、2012年にソルリさんのニックネームである「桃」をタイトルに、ソルリさんを想った曲を作ったほど。ソルリさんが亡くなった昨年も、ドラマ「ホテルデルーナ」で共演したばかりだった。
「eight」MVに登場するトカゲと桃が表すものは
映像では一番最初、記憶を保存する部屋に入るIUを見守るように、トカゲが上から見下ろしている。そして、記憶の保存中であるIUの回想シーンでは、彼女は部屋でトカゲを飼っている。
ジョンヒョンさんは、“恐竜顔”のアイドルとして有名で、特にポケモンのヒトカゲに似ていることで有名だった。ファンにとってヒトカゲはジョンヒョンさんを連想させるキャラクターだ。MVのトカゲはやがて、ドラゴンに変化し空を飛ぶ。これを見た多くのネチズンは、トカゲがジョンヒョンさんを暗示するものだと憶測した。
また、記憶を回想中のIUの自室には、桃の形をしたランプが置かれている。桃は先述の通り、IUにとってソルリさんの象徴である。
突然いなくなってしまった存在を連想する歌詞
また、同曲の歌詞は「So are you happy now?Finally happy now are you?」つまり「あなたは今幸せなの?やっと幸せになれたの?」という問いかけで始まる。これはIUの言う通り、28歳になった彼女が自分自身に尋ねているようにも読み取れる。しかしこの曲が亡き2人に向けられたものかも知れないと悟ったファンたちは、いなくなってしまった2人への問いかけではないかとも推測した。確かに、続く「変わらないよ私は 全て失ってしまったみたい」という歌詞も含め、会うことのできなくなった存在を想起させる。サビの歌詞は「オレンジ色の太陽の下 私達は影もなく一緒に踊るの 決められた別れなんて無い 美しかったあの記憶の中で会うのForever young」というもの。普通、太陽の下にいれば必ず影が現れる。これは、現世の定めを超え永遠になったものを思い起こさせ、なによりも、「Forever young」は若くして亡くなった2人を象徴しているという意見が多い。
さらに、SUGAのラップパートでは「永遠という言葉は“砂の城”」という歌詞が登場する。ソルリさんのソロデビュー曲である「Goblin」には「流れ落ちる“砂の城”」という言葉が登場し、SUGAがわざと“砂の城”という言葉を使ったのではないかという声もあるようだ。
またSUGAは、「別れはまるで災害通報(災害緊急速報のメール)のようだ」と歌詞に刻み、災害のように突然訪れる別れを表現した。
ドラゴンと飛んでいく少女に込められた意味は
そして、MVの中で最も象徴的にソルリさんとジョンヒョンさんを表していると推測されているのは後半のアニメーション部分だ。SUGAが「別れはまるで災害通報」とラップする時、MVでは夢の中で飛行機に乗ったIUが嵐に遭遇し、一緒にいたトカゲが消えてしまう。
続いて肌の白い少女が登場し、IUにもソルリさんにも似ているこの少女は崖からジャンプし空へ飛んでいく。
すると先程のトカゲと思われるドラゴンが飛んできて、少女を背中に乗せる。ドラゴンと共に空の彼方へ飛んでいく少女を、飛行機に乗ったIUは涙を流しながらも笑顔で見送るのだった。
ジョンヒョンさんは、27歳で亡くなった。欧米では27歳で他界したミュージシャンが多いことから、彼らを「27クラブ」と呼ぶ。そしてIUは27歳のとき、親友のソルリさんを失った。同曲は27歳を乗り越えたIUが、28歳を迎えるタイミングでしたためた1つの区切りの曲でもあるのかもしれない。(modelpress編集部)
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