“座長・吉沢亮”の他とは違うスタイル 渡邊圭祐が魅力語る「背中で見せてくれる」<「ブラックナイトパレード」インタビュー前編>
2022.12.25 17:00
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映画「ブラックナイトパレード」(12月23日公開)に出演する吉沢亮(よしざわ・りょう/28)と渡邊圭祐(わたなべ・けいすけ/29)。同学年で同じ事務所…共通点の多い2人は、今作が意外にも初共演。インタビュー前編では、そんな2人に撮影秘話や福田雄一作品だからこその現場の雰囲気について語ってもらった。
吉沢亮主演「ブラックナイトパレード」
「良い子のところには、欲しいプレゼントを持った赤いサンタが、悪い子のところには欲しくもないプレゼントを渡しに黒いサンタがやってくる」というサンタクロースにまつわる実在の伝承を基に描かれる、中村光の最新マンガ「ブラックナイトパレード」を実写化した同作。ヒットメーカー・福田雄一監督が中村と実写ドラマ「聖☆おにいさん」以来のタッグを組み、世にも奇妙なサンタの仕事を描く。福田監督とこれまで何度もタッグを組んでいる主演・吉沢が演じるのは、受験失敗・就活失敗・彼女無し、コンビニで3年間アルバイト生活をしていたところをスカウトされ、ブラックサンタとしてクリスマスの世界で活躍を見せる日野三春。
初の福田作品出演となる渡邊は、寡黙で無表情ではあるが何かと三春を気にかける優しい同僚・古平鉄平を演じる。
吉沢亮&渡邊圭祐、福田監督による実写化に期待
― まずはオファーが来た時の心境を教えてください。吉沢:福田さんの作品には何度か出演させていただいているのですが、映像で主演をやらせていただくのは今回が初めてだったので、率直に嬉しかったです。ずっとお世話になっている監督なので。
渡邊:福田さんは「コメディ作品と言えば」と考えた時に1番に名前が上がる監督だと思いますし、念願叶ったという感じです。福田さんとご一緒できる喜びもありつつ、これまで同年代の役者さんとご一緒する機会もそんなに多くはなかったので、そういう意味でも楽しみな作品でした。
― 原作を読んでみていかがでしたか?
吉沢:笑いもありつつミステリーっぽくもあり、色々と伏線が張ってあって良い意味で複雑な作りだなと思いました。すごく面白い作品だと感じましたが、これを福田さんが演出したらどうなるんだろうというのはあまり想像がつかなくて、もしかしたら今まで観たことのない福田さんの作品が生まれるんじゃないかなとワクワクしました。
渡邊:仕掛けがものすごく多いマンガなので、続きがすごく気になるんです。「これがそうなの!?」というのが1個あると、「じゃあもしかしてこれも」と思う部分がいっぱいあって、どう繋がっていくのか気になりました。そこにコメディ要素も良い塩梅で入ってくるので、このマンガを福田さんが映像化するというのも僕の中で楽しみな理由の一つでした。
吉沢亮が演じる“冴えないキャラ”が魅力的な理由
― 役作りではどのようなことを意識されましたか?吉沢:役作りという役作りは特にしていないんですけど、とにかく周りのキャラクターが強烈だったので、そのボケに対してちゃんと反応できるようにしようという心構えは常に持っていました。
― 福田監督の作品だからこそやったことなどはありますか?
吉沢:今までの福田さんの作品では「ここのセリフはこういう風に言おう」とか、自分の中で色々武器を装備して行っていたんです。でも、今回はツッコミ役だったので一切そういうことはやらず「とにかく現場で生まれたことを拾おう」「現場で思いついたことをやろう」みたいに考えていました。
― 今回の三春もそうですが、吉沢さんが演じる冴えないキャラクター・どこか残念な一面があるキャラクターはとても魅力的ですよね。実際は輝かしい活躍をされている吉沢さんがそういう役柄を演じるために、何か意識されていることはあるんでしょうか?
吉沢:元がそういう人間なので(笑)。
スタッフ一同:(笑)
吉沢:あまり作り込んでいないです。素に近いので、意外とその方が演じていて楽というか。
― 三春とはどのような部分が似ていると感じましたか?
吉沢:どういうところかって言われると難しいんですけど、嬴政(映画「キングダム」シリーズで吉沢が演じている秦の王)よりは確実にこっちの方が似ていると思います(笑)。
渡邊圭祐「自分の想定の7倍笑ってしまいました」
― 渡邊さんは鉄平役でどのようなことを意識されていましたか?渡邊:吉沢さんと違って、僕と鉄平は真逆でした。役作りはそこまでしていないんですけど、鉄平はまず「反応しない」というのがあって。笑わないというのが鉄平を形作る上で1番重要なポイントなのかなと思っていたので、一切反応をしないよう心がけていました。
― 心がけてはいても、実際はちょっと難しい場面もあった?
渡邊:そうですね、自分の想定の7倍笑ってしまいました(笑)。
― (笑)。そういう時は撮り直されるんですか?
渡邊:ちゃんとそのまま使われていました。笑ってしまったところも使うというのが、やっぱり福田組の一種のスタイルなのかなと思っています。
― そういう部分も含め、何回観ても新しい気付きがあって楽しめそうですね。
渡邊:1回目は三春視点で、その後に三春以外の人に注目して観たらより面白いかもしれないです。エキストラさんも絶対笑ってしまっていると思うので(笑)。
渡邊圭祐から見た“座長・吉沢亮”
― 吉沢さんはこの作品以外にも座長をやる機会が増えてきていますが、座長をやる上で心がけていることはありますか?吉沢:座長をやる上で心がけていることか…。差し入れはしますよね!
渡邊:(笑)
吉沢:キャストの皆さんだけでなく、お世話になっているクライアントさんなども気遣った差し入れを入れるということをやっぱり学びました。
― 振る舞いという点では、座長でもそうでなくてもあまり変わらないですか?
吉沢:変わらないですね。
― これまで吉沢さんが主演ではなかった作品で、座長の方がやられていたことをご自身の時にも何か参考にしたり、真似したりなどは?
吉沢:やっぱり主演の方ってちゃんと盛り上げているというか、色々コミュニケーションを取りながらやっているイメージがあったんですけど、僕にはそれができないので、とりあえず「やることをやる」。「あとは皆さんもやることをやってください」というスタイルでした。
― 渡邊さんから見て、座長の吉沢さんはどのような印象でしたか?
渡邊:今ご本人も言っていたように、「多分普段もこんな感じなんだろうな」という雰囲気があって。だから逆に僕らも変な気を遣わないで済むというか、“気を遣われていない感”があるからこそ楽でした。背中で見せてくれるタイプです。
吉沢:ありがとうございます(ドヤ顔)。
渡邊:(笑)。どの現場でも「今絶対気を遣って話しかけてくれてるな」っていう瞬間がどうしてもあるんです。今回はそれが少なかったのかなと思いますし、現場自体もすごく賑やかだったので、そういう意味でもとてもやりやすかったです。
― 吉沢さんが飾らない姿でいたからこそ、良い雰囲気の現場になっていたんですね。
吉沢:そういうことですね!
渡邊:(笑)。
渡邊圭祐、“福田組の結束”を実感
― 渡邊さんは初福田監督作品ですが、他の出演者の方の中には、吉沢さんを始めとして何度も福田さんとタッグを組んでいる方もたくさんいます。現場で「ここは福田監督の作品ならではだな」と感じた経験はありましたか?渡邊:基本的に撮り進めていくスピードが早く、現場もすごくテンポ良く進んでいくんです。その中で、監督が面白いと思ったところはしっかりグッと詰めて撮っていく。監督だけじゃなくチーム全体でそれを把握しているからこそなんだなと感じるようなカメラワークもありました。
台本を読んでいる時にはそこまで広がっていなかったシーンでも、吉沢さんが三春を演じたことによって「あ、そう持っていくんだ」と意外な方向性に進んだりもして。でもそこもちゃんとカメラが追っていたので、福田組の結束を感じたというか、たくさんコメディを撮ってきたからこそ笑いどころを押さえんだなと思いました。スタッフもキャストも、全員が同じ認識でやっているんだなと。
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吉沢亮(よしざわ・りょう)プロフィール
1994年2月1日生まれ、東京都出身。主な出演作に映画「銀魂/銀魂2 掟は破るためにこそある」(17、18)、「キングダム」シリーズ(19、22)、「東京リベンジャーズ」(21)、大河ドラマ「青天を衝け」(NHK/21)、ドラマ「PICU 小児集中治療室」(フジテレビ系/22)など。2023年も「ファミリア」(1月6日公開)、「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-」(ゴールデンウィーク公開)、「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-」(夏公開)など、多数の待機作が控えている。渡邊圭祐(わたなべ・けいすけ)プロフィール
1993年11月21日、宮城県出身。主な出演作に映画「ブレイブ 群青戦記」(21)、「鋼の錬金術師」シリーズ(22)、ドラマ「推しの王子様」(フジテレビ系/21)、「やんごとなき一族」(フジテレビ系/22)、「チェイサーゲーム」(テレビ東京/22)など。現在「私のシてくれないフェロモン彼氏」(TBS系/毎週火曜深夜24時58分~)が放送中のほか、2023年の映画「恋のいばら」(1月6日公開)、「わたしの幸せな結婚」(3月17日公開)にも出演している。「ブラックナイトパレード」ストーリー
これは、本当のクリスマスの話。何をやってもダメな情けない男が、ようやく就職できた職業は、悪い子のところへ残念なプレゼントを届けるブラックサンタクロースの会社だった?!突如として訪れる、クリスマス存続の危機。この男は世界中の子どもたちの幸せを守ることが出来るのか!?【受験失敗・就活失敗・彼女無し】コンビニ・ポーソン練間北口店で3年間アルバイトをしている冴えない男・日野三春(吉沢亮)。世間がクリスマスムード一色で盛り上がる中、突如、黒いサンタ服を着た男に「内定だ!今日からよろしく頼む」と、無理やり連れ去られてしまう。目が覚めるとそこは、北極にある謎の会社・サンタクロースハウス!!
世界中から届く子供たちの手紙、山積みのプレゼント、そして黒いサンタ服を着た大量のブラックサンタたち。個性の強い同僚、北条志乃(橋本環奈)、田中皇帝(中川大志)、古平鉄平(渡邊圭祐)と共に、世界中の子供たちにプレゼントを配るブラックサンタとして働き始めるが、この会社にはある秘密があった―。そして、訪れるクリスマス存続の危機!!三春たちはクリスマスの夜に、世界中の子どもたちへ幸せを届けることができるのか!?
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