池田エライザ“令和のドロンジョ”挑戦裏に徹底した役作り「かなり無理をした」< 「DORONJO」インタビュー前編>
2022.10.01 09:00
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女優の池田エライザ(26)が主演を務めるタツノコプロ創立60周年記念「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」(毎週金曜23時〜)が10月7日より放送・配信スタート。モデルプレスのインタビュー前編では “令和のドロンジョ”を演じるに当たっての想いや、過酷な撮影期間について語ってもらった。
池田エライザが演じる“令和のドロンジョ”
「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」の人気キャラクター・ドロンジョの過去を全く新しい視点から新解釈し、ドラマ化した同作。正義の味方:ヤッターマン1号・2号と対峙する、キュートでセクシー、そして少し間抜けで憎めない敵役として知られるドロンジョの知られざる過去や壮絶な生きざまを通して「正義と悪」という永遠の命題を描く。池田が演じるのは、貧しく過酷な環境下で自分を勝負の道具のごとく酷使していく主人公のボクサー・七音。自分の存在価値を唯一見出せるのが、肉体同士が激しくぶつかり合う真剣勝負の闘いの場。そんな彼女の左脚には、武骨な作りの機械式の“義足”を装着されている。
池田エライザ、原作“ドロンジョ”へのプレッシャーは?
― ドロンジョを演じることが決まった時の心境を教えて下さい。池田:移り変わり行く時代に合わせてドロンジョの脚本も更新されていったので「決まった」っていう瞬間がなかったんです。私もお話しをいただいた時は「新しくドロンジョが生まれるってどういう感じなんだろう」って思いましたけど、その時代に沿って脚本がどんどん変わっていく様を共に見ていたので、格好良くなっていくドロンジョを演じるのがすごい楽しみでした。
― 最初に出演のお話を聞いたのはどのくらい前でしたか?
池田:2年くらい前です。
― 2年前の脚本と比較して、池田さんが大きく変化を感じた部分はどこですか?
池田:変わる前の方は非現実的な要素があって、より漫画っぽく、アニメっぽい世界観でした。そこから今の令和っていう時代に蔓延る問題とか、作品を見る方々が抱えている問題に対して、もっと寄り添って、純粋にエネルギーをもらえる作品になったなって思います。
― 原作へのプレッシャーはなかったですか?
池田:原作のドロンジョとは全く違うのでなかったですね。また違う楽しみ方ができると思います!
池田エライザ“ドロンジョ“が愛される理由を語る
― 悪役であるドロンジョというキャラクターに対するイメージを教えて下さい。池田:「ヤッターマン」は放送されてから何十年経つのにも関わらず、今も愛され続けているすごくアイコニックな存在だと思います。ドロンジョ・ボヤッキー・トンズラーの3人組の愉快な感じとか、悪役だけど憎めない感じとか。色々な作品の元素になっているんじゃないかなって思います。
― 池田さんが見てもドロンジョは魅力的なキャラクターに映りますか?
池田:もちろん!あのセクシーな見た目が好きな人もいるだろうし、人それぞれだと思うんですけど、私は「諦めない」「挫けない」「物事を深刻に捉えすぎない」っていうことがすごく日常において大事なことだなと思います。最近は悪役が主人公の漫画も多いじゃないですか。それってなんでだろうと考えた時に、そっち(悪役)側にも魅力があって、正義があることで成り立つと思うんです。ドロンジョ・ボヤッキー・トンズラーも、彼らなりの正義があるから憎めないし、愛されるのかなと思います。
― 池田さんは本作の「DORONJO/ドロンジョ」をどのように解釈しましたか?
池田:今の令和という時代に、新たにドロンジョが生まれるっていう考えをしたほうがスッと観ていただけるんじゃないかなと思います。
池田エライザ「心身共に過酷の連続」の撮影期間
― 出演が発表された時に「七音という役柄に向き合う日々は、心身共に過酷の連続でした」とコメントを寄せられていましたが、撮影を振り返ってみていかがでしたか?池田:体を酷使して頑張りました。体を痛めない方法って、多分沢山あったと思うんですけど、お芝居をする上で「七音がやりたいことはなるべくやろう」って思っていました。最初の撮影の方は特に自分の限度を知らないので、かなり無理をしたことがいっぱいありました。芝居が終わったあとに体の痛みに気づいたり、本当にそういう意味で心身ともに大変だったなって思います。
― 今回ボクサー役に挑戦するにあたって、役作りのために準備したことはありますか?
池田:とにかく基礎的なことをずっと練習しました。鏡の前で自分のフォームを見ながらシャドーボクシングをしていたんですけど、撮影中は未熟だなって思うことがいっぱいありました。そのカットの撮影が終わったら、ボクシングの先生に「ここがダメでしたよね」とか「ここどうすればもうちょっと良くなりますか」とか、クランクインする前に1人で練習していた時よりも、現場に入って映像で自分の動きを見始めてからの方が体にスッと馴染んでいく感覚はあって。最後の撮影に向けてどんどんマシになっていく感じが少し悔しいところでもあるんですけど、ずっと練習していました。
― 撮影の手応えはありますか?
池田:監督やスタッフの方々が音楽とかも含めて、迫力とスケールのあるアクションシーンを作ってくださっているので、早くお届けしたいなっていう気持ちです!
池田エライザ“令和のドロンジョ”との向き合い方
― 池田さんは七音という役に対してどのように向き合いましたか?池田:七音に続いた不幸があまりにも辛すぎるなと思った一方で、多分七音は同情されることを1番嫌うだろうなっていう思いもありました。なので、ただ七音に体を貸すつもりで、七音がやりたいことを止めないっていう考え方でした。すごく客観的に七音を観察するような気持ちでした。
― 少年のようなフォルムが特徴的な七音ですが、メイクや衣裳など、ビジュアル面の打ち合わせはしたのでしょうか?
池田:七音はお金がない、外との交流を断絶されて育っていて人との交流がほとんどないので、化粧する術もないしメリットも分からない。そういうところから最初の七音に関しては、現実的にそうせざるを得ないっていう理不尽な部分を衣裳であったりメイクであったりで、洋服を傷だらけにしていただいたりとかして作っていきました。
― 池田さん自ら意見を出されていたのでしょうか?
池田:「もっとお金がないように見せたい」「泥をつけて欲しい」とか、「ファンデーションを塗っちゃうと嘘っぽいから、うちの事務所がいいか分からないけど、ほぼすっぴんでやりたいよね」とかそういうやり取りはしました。本当に最初は顔(すっぴん)をさらけ出しています。
池田エライザ「七音の人生を逆算」徹底した役作りとは
― セリフが少ない分、細かな表情がポイントになるかと思いますが、七音の内に秘めた感情が視聴者に伝わるように意識したことはありますか?池田:七音の人生を逆算しました。七音の記憶があるところからそのシーンに至るまで、何を望んで何を与えられなかったかとか、そういう人のトラウマとかコンプレックスが 1つ1つの行動になっていくと思うんです。七音の行動に関しては、言動のアウトプットの仕方が育ての親の正治の情報しか無かったので、比較的正治に似ていたと思います。
― 正治に似せて作り上げていたんですね。
池田:似せようと思っていたこともないんですけど、2人暮らしっていうこともあって自然とそういう判断をしました。
― 脚本では描かれてないことも想像されていたのでしょうか?
池田:どこが純情で、どこが鈍感で、どこに気づいているのかっていうのは分けました。正治が純粋に自分にボクシングを教えてくれているって何十パーセント信じ込んでいるのかとか。それに気づく瞬間っていうのが効いてくるので、そのくらいそこに関して七音が狭い世界で生きているのかっていうのは、自分の中ではっきり分けました。だから七音はどこかピュアな気がします。
― ありがとうございました。
なお、インタビュー後編では池田の「悲しみを乗り越えた方法」「夢を叶える秘訣」に迫るとともに、共演者とのエピソードについても語ってもらった。(modelpress編集部)
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池田エライザ(いけだ・えらいざ)プロフィール
1996年4月16日生まれ、福岡県出身。2011年に映画『高校デビュー』でデビュー後、映画、ドラマと活躍の場を広げる。主な出演作に、映画『億男』、『騙し絵の牙』、『真夜中乙女戦争』などがある。2020年には、映画『夏、至るころ』で映画監督も務めた。2021年にELAIZA名義で歌手として1stアルバム『失楽園』をリリース。2022年9月14日に最新曲『META』をリリース。2022年10月7日放送・配信スタートの「WOWOWオリジナルドラマ DORONJO/ドロンジョ」ではWOWOW連続ドラマ初出演にして初主演を務める。
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