モデルプレスのインタビューに応じた浜辺美波、北村匠海(C)モデルプレス

“第2のセカチュー”なるか…映画「キミスイ」浜辺美波&北村匠海に迫る!涙のワケは?「自信にも繋がった」「引きずり込まれた」<モデルプレスインタビュー>

2017.07.28 09:00

映画『君の膵臓をたべたい』(7月28日公開)でW主演をつとめる女優の浜辺美波(16)とダンスロックバンド・DISH//のメンバーで、俳優としても活躍する北村匠海(19)が、モデルプレスのインタビューに応じた。

号泣必至の物語…次世代の2人が挑む

メインカット(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
メインカット(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
2016年本屋大賞第2位、2016年・年間ベストセラーランキング単行本フィクション部門1位…など2015年6月の発売後、破竹の勢いで累計発行部数200万部を突破(2017年7月時点)したベストセラー小説「君の膵臓をたべたい」(住野よる著・双葉社刊)を実写化した同作。

ヒロインで、重い膵臓の病を患う桜良役には、ドラマ・映画「咲-Saki-」で初主演を飾り、『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』でもヒロインをつとめた浜辺。桜良の病気を唯一知ることになるクラスメイトの【僕】役には、ダンスロックバンド・DISH//のメンバーで、ドラマ「ゆとりですがなにか」、「仰げば尊し」と出演作が続く北村。さらに、原作では描かれていない12年後を描いた現在パートでは、教師となった【僕】を小栗旬が、桜良の親友・恭子を北川景子が演じている。

号泣必至の物語…今後の活躍が期待される次世代の2人は、どう挑んだのか?

映画を観て2人とも涙

北村匠海、浜辺美波(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
北村匠海、浜辺美波(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
― 完成した映画をご覧になって、いかがでしたか?

北村:自分の主演作で泣いてしまったのは予想外でしたし、客観的に観れるとも思ってなかったので、すごくびっくりしました。内容も知ってる中で涙が出たっていうのは、自信にも繋がりました。

― 今までは、ご自身の作品は客観的に観るタイプではなかったですか?

北村:自分の芝居が気になって、客観的に観る方がほとんどで。ストーリーを知っていても、さらに自分の気持ちが入り込んでいきました。

浜辺:私も泣きました。「キミスイ」の世界観に最初から引きずり込まれた感覚があったので、客観的に観ることができましたし、感動しました。現在パートの部分は、現場では見ていなかったので、特に。

― 今回、北村さんはオーディションで【僕】役に決定されたということですが。

北村:はい、オーディションの段階から、過去の自分に似てるなと思っていました。他人との関わり方とか、持っているものが同じだったので、やりやすかったですし、作り込みすぎずにナチュラルに演じられたなと思っていました。

浜辺美波、北村匠海(C)モデルプレス
浜辺美波、北村匠海(C)モデルプレス
― 去年は、インパクトのある役柄が多かったですよね。

北村:学校に乗り込んだり(ゆとりですがなにか)、リーゼントにしたり(仰げば尊し)…(笑)。中学生に出演した『陽だまりの彼女』(2013年公開の映画)は、殻に閉じこもっている役だったんですが、今回の【僕】のような役は本当に久々で。

― 具体的に似ているなと思った部分はどこですか?

北村:音楽をやるようになってからは少し変わりましたけど、昔は【僕】のように1人の世界の方が心地よかったんです。【僕】という人間は桜良と出会って成長していきますが、その過程も似ていて。共感できる部分が多かったので、目線や癖を自分なりに工夫してお芝居してみました。それがちゃんと形になって、監督からもOKをもらえて、そういった意味ではチャレンジできた役柄でもありました。

― 役者としての手応えを感じることができたということでしょうか。

北村:現場も心地が良かったんです。去年、色々な役を演じさせていただいたので、自分の中の引き出しが増えました。

おでんでダイエット

浜辺美波(C)モデルプレス
浜辺美波(C)モデルプレス
― 浜辺さんは、オファーを受け、桜良の役に。

浜辺:「キミスイ」で、主演を任せていただけるというのが、本当に嬉しかったです。原作や脚本を読んで、本当に感動しましたし、素晴らしい作品だなと感じたので、現場に行くのが楽しみでした。

― 病気の役ということもあり、食事制限をされていたとお伺いしました。

浜辺:していました。今みたいに食べすぎないようにって(笑)。

一同:(笑)。

浜辺美波(C)モデルプレス
浜辺美波(C)モデルプレス
― 実際にどのようなメニューを食べていたんですか?

浜辺:夏場だったんですけど、1、2ヶ月くらいおでんを食べていました。低カロリーなので、地方ロケのときもずっとおでんで。

― おでんが、元々好きだから選ばれたんでしょうか?

浜辺:ん~…好きか嫌いかなら好きですけど、っていう程度です(笑)。ただ、さすがにそのときは飽きちゃいました。

― そうですよね(笑)。基本同じ味ですし。

浜辺:そうなんです!でも、撮影が終わって半年経って、今はおでんが恋しくなってます(笑)。

思い出の“旅行シーン”

北村匠海(C)モデルプレス
北村匠海(C)モデルプレス
― “食”繋がりで、劇中2人が旅行に出かけるシーンを撮影された福岡ロケでは、撮影で美味しいご飯を食べたとか?

浜辺:美味しかったです。

北村:楽しかったですね。

浜辺:ラーメンとか特に。屋台で食べたんですよ。

北村:「長浜ラーメン」が美味しかったよね。撮影したホテルの近くに本家のお店があったんです。

― 初福岡ですか?

浜辺:私は初でした。やっぱりご飯が美味しかったですし、「ラーメンの匂いがする」って台詞があるんですけど、「分かる!」と思いました。

北村:僕は音楽のお仕事で何度か行ってるので、お店も色々と知ってます。ラーメンが食べたくなったので、夜1人でラーメンを食べに行きました。

北村匠海(C)モデルプレス
北村匠海(C)モデルプレス
― お1人で?

北村:あと、もつも。1人の時間があったので、そこをどれだけ充実させられるかってことを意識して(笑)。

― 浜辺さんは、その夜もおでんを?

浜辺:はい。レシートが毎回おでんなので、スタッフの方に心配されました(笑)。

― 今回、キャンペーンでも地方を色々と回っていますよね。

浜辺:四国、北陸、福井…福井では原作の表紙モデルになっている橋に行ってきました。

北村:感動しました。

浜辺:私も。原作表紙に寄せて写真を撮っていただいたんですが、とてもお気に入りの写真になりました。

北村:実際に表紙の場所に行ってみて、とても感慨深かったです。素敵な場所でした。

もしも自分なら…

浜辺美波(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
浜辺美波(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
― 映画では、浜辺さん演じる桜良が、病気のことを周囲に隠して明るく振る舞っていますが、ご自身が同じ立場になったら、どうしますか?

浜辺:私は隠します。病気って知ったとき、【僕】と同じようにそのままで居てくれる人っていうのは、なかなかいないと思いますし、難しいことだと思うんです。どうしても心配してくれるだろうし、そのせいで楽しい時間が減るなら、言わないかなと思いました。

― では、桜良に共感できる部分は多かったですか?

浜辺:一緒だなと思いました。

北村:僕は友達と共有したいタイプなので、周りに言って「どっか行こうぜ!」って思い出を作るかな。

北村匠海(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
北村匠海(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
― お2人とも、周りを明るくさせるための、逆アプローチですね。

北村:「楽しく行こうぜ!」って元気でいたいなぁとも思うので。

監督の大先輩の…“忘れられない言葉”

― 予告編では「彼女の言葉が、今でも忘れられない――」という台詞が出てきますが、浜辺さん、北村さんの“忘れられない言葉”は何ですか?

浜辺:私は『咲-Saki-』という作品の現場で、小沼雄一監督に言っていただいた言葉なんですけど、「どんなお芝居が下手くそな女優さんでも、場数を踏めばうまくなるから」です。「チャンスはこれから巡ってくる」って言っていただいて、それがすごく嬉しかったのを覚えています。焦っていた部分があったんですけど、「いつかなんとかなる」と前向きに考えられるようになりました。

― それは、撮影のどのタイミングでいただいた言葉ですか?

浜辺:全部終わった後です。

― 次の現場に持っていきたい言葉ですね。

浜辺:そうですね。最近は、よくこの言葉を思い出します。現場に入ったとき、壁にぶち当たったとき、悩んでるとき…「でも、焦らなくていいんだな」って思えるんです。

北村:僕は、「仰げば尊し」のときに主演の寺尾(聰)さんが、クラスの皆を集めて、「いいか?俺もお前らもキャリアとか、もう忘れろ。今からみんなスタートラインに立って、ここから“よーいスタート”で行くぞ。どれだけ一人ひとり、自分が輝けるかだぞ」というお話をしてくださったことが、忘れられないです。ただ、寺尾さんのキャリアを忘れるなんてことも、できなかったですけど。

― かっこいい大先輩ですね。

北村:「お前も俺も同じ土俵だから」って。役者としての凄みを感じました。(村上)虹郎とか(新田)真剣(佑)とか、生徒役は同世代が多かったのですが、その言葉で火がついて芝居合戦になりました。台本にないのに泣いたり、アドリブを入れたり、お芝居の巣窟みたいな。楽しかったです。「役者ってこうだよな」って思うきっかけをくれた言葉でもあります。

“夢を叶える秘訣”は?

北村匠海、浜辺美波(C)モデルプレス
北村匠海、浜辺美波(C)モデルプレス
― 最後になりますが、お2人が考える「夢を叶える秘訣」を教えてください。

北村:「運命じゃなくて、皆選択してるから出会ってる」というような桜良の台詞があるんですけど、自分がこうやって『君の膵臓をたべたい』っていう素敵な作品に出会えたのも、小学校とか中学校のときに“この仕事を続けたい”っていう選択をしてきたからだなと思いました。だから、今夢を追いかけている人も、諦めるっていう選択をしないでほしいです。好きなことや自分が心から熱中できることを仕事にできるって素敵なことだなと思いますし、それがあるなら、とことん突き詰めてほしいです。僕は、お芝居も音楽もだんだん好きになっていったタイプですが、自分が信じた道を進むことが大事だと思います。

― 今の夢は?

北村:カメラマンです(笑)。というか、カメラもやりたいし、服も作りたいし、お芝居もやって音楽もやって、何かに捉われず色々なことにチャレンジしたいです!

― 浜辺さんは、いかがでしょうか?

浜辺:やっぱり、続けることだと思います。辞めるタイミングっていうのはたくさんありましたし、このお仕事が向いているかって言うと、向いてないって言われることの方が多かったですけど、今は「辞めなくて良かったな」と思えるんです。目指したい夢がある方は、ぜひ続けてほしいです。私も女優を続けていきます。

― ありがとうございました。

第2の「セカチュー」誕生へ

北村匠海、浜辺美波(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
北村匠海、浜辺美波(C)2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会 (C)住野よる/双葉社
「世界の中心で、愛をさけぶ」を彷彿とさせる病気の女子高生×同級生の青春モノとあって、第2の「セカチュー」としても注目を浴びる同作。浜辺は映画版「セカチュー」でブレイクを果たした長澤まさみの後輩ということもあり、W主演をつとめる2人への期待値は高い。

ここからブレイクなるか――この夏、フレッシュな2人が、切なさと感動を呼ぶ。(modelpress編集部)

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浜辺美波(はまべみなみ)プロフィール

浜辺美波(C)モデルプレス
浜辺美波(C)モデルプレス
2000年8月29日生まれ、石川県出身。身長155cm。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞を受賞し芸能界入り。2012年公開の映画『逆転裁判』で本格的に女優デビューを果たし、NHK連続テレビ小説「まれ」(2015年)に出演、ドラマ・映画「咲-Saki-」で初主演を飾り、『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』ではヒロインを担当と活躍。今年は、映画『君の膵臓をたべたい』(7月28日公開)のほか、映画『亜人』(9月30日公開)が控えている。

北村匠海(きたむら・たくみ)プロフィール

北村匠海(C)モデルプレス
北村匠海(C)モデルプレス
1997年11月3日生まれ。08年『DIVE!!』(熊澤尚人監督)にて映画初出演。以降、音楽・映像それぞれのフィールドで活躍を重ねる。13年ダンスロックバンドDISH//のメンバー(メインボーカル&ギター担当)としてソニー・ミュージックレコーズからメジャーデビュー。2016年はドラマ「ゆとりですがなにか」(日本テレビ)、「仰げば尊し」(TBS系)で注目度が急上昇。今年は、映画『君の膵臓をたべたい』(7月28日公開)のほか、『恋と嘘』(2017年秋公開)、『勝手にふるえてろ』(2017年公開)が控える。

作品概要

タイトル:君の膵臓をたべたい
公開日:7月28日(金)
原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社刊)
監督:月川 翔
脚本:吉田智子
音楽:松谷卓/追加編曲:伊藤ゴロー
出演:浜辺美波 北村匠海 
大友花恋 矢本悠馬 桜田通 森下大地
北川景子/小栗旬

<ストーリー>
高校時代のクラスメイト・山内桜良(浜辺美波)の言葉をきっかけに母校の教師となった【僕】(小栗旬)。彼は、教え子と話すうちに、彼女と過ごした数ヶ月を思い出していく―。

膵臓の病を患う彼女が書いていた「共病文庫」(=闘病日記)を偶然見つけたことから、【僕】(北村匠海)と桜良は次第に一緒に過ごすことに。だが、眩いまでに懸命に生きる彼女の日々はやがて、終わりを告げる。

桜良の死から12年。

結婚を目前に控えた彼女の親友・恭子(北川景子)もまた、【僕】と同様に、桜良と過ごした日々を思い出していた―。

そして、ある事をきっかけに、桜良が12年の時を超えて伝えたかった本当の想いを知る2人―。
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