“高杉真宙”と“チャラい”は正反対―ギャップにどう向き合った?「終わった瞬間、ふと眠たくなって…」 モデルプレスインタビュー
2017.04.03 20:43
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俳優の高杉真宙(20)が映画『ReLIFE リライフ』(4月15日公開)で演じたのは、チャラ男な風貌から“チャラオーガ”とのあだ名がついた高校生だ。高杉本人は“チャラい”なんてワードとは程遠いイメージではあるものの、地毛を金髪に染め、ピアスをつけた撮影期間中は、もしかしたら彼自身も少しチャラくなっていたかも―?!そんな想像をしながら話を聞いたインタビュー。初のムードメーカー役に挑戦して感じたこと、共演者と味わったキラキラの“青春感”……。ひとり暮らしの近況まで、たっぷりとお届けする。
目次
大神和臣と自分は正反対 ズルい!うらやましい!
― 原作は夜宵草(やよいそう)氏の人気漫画。27歳ニートの主人公・海崎新太(中川)が“薬で見た目だけ若返り、もう一度高校生活をやり直す”というファンタジーな設定ではありますが、登場人物たちの心の動きがとても繊細に描かれていますね。僕は原作を読んで、色々な人に響く作品なんじゃないかなと思いました。高校生の皆さんはそれぞれ色々な事情があって、悩むことも多いと思います。それがこの作品の登場人物にすごく現れていますよね。そこに27歳の海崎という異色の高校生が入ってきて、色々な言葉や考えを伝えていく。人生経験や、色々な後悔があって出てくる言葉だからこそ、同級生たちも素直に聞き入れることができたと思います。大人の目線から見ても、海崎のようにまっすぐ気持ちを伝えられたらいいなと思えるし。そうやって年齢や立場を問わず共感できるストーリーだと感じました。
― 高杉さんが演じた“チャラオーガ”こと大神和臣(おおが・かずおみ)は、見た目はチャラいけれど実は頭がよく、委員長もつとめる優等生…という。
ズルいですよね!?ズルいと思います、僕は(笑)。うらやましいですね。
― わかります(笑)。
なんですかね。僕は許せないです(笑)。
― 許せない(笑)。オイシイとこ取り、みたいな感じでしょうか。でもちょっと鈍感だったり、抜けている部分もあるじゃないですか。
そうですね。僕は原作を読んで、すごく愛着の持てる子だなと思いました。純粋にこの子のことが好きだなって。だから自分が演じるにあたって、できるだけ似せたいなという気持ちが強く出てきました。これはどの原作にも言えることですけれど。
― 大神くんのどういうところが「好きだな」と思いました?
特に好きなのは…1人でボケるところ(笑)。可愛いなと思うんですよ。それに男子高校生にしては珍しく、すごく純粋無垢というか。こんな見た目で、頭が良くて、純粋無垢って…やっぱりズルくないか?!って感じなんですけど(笑)。
― やっぱり…(笑)。
やっぱそこなんですよね(笑)。
― こういったチャラい感じの、盛り上げ役はあまり経験がなかったとのことで。実際にやってみていかがでしたか?
やっぱり大変でした。盛り上げ役っていうこと自体が、自分の中にない部分だったので。人生でそんなに盛り上げたことがないので…はい(笑)。
― (笑)。
大変だなって。盛り上げるの大変だなって。
― 盛り上げたことがないというのは、例えばお友達といる場でも?
そうですね。引っ張っていくっていうことをしないので。だから戸惑いが大きかったです。
― 大神くんと似ているかもしれない、と思う部分はありますか?
なかなか遠い人物なんじゃないかなと思っています。これまで演じた中でも、すごく共通点が見つけづらいキャラクターではありました。僕はどちらかと言うと慎重にいくタイプですが、大神は突っ走っていく感じの子だし。全然違いますね。
― 乙女心にちょっと鈍感なところとかはいかがでしょう?
そこは僕も少しあるのかなぁ…?どうなんですかね。
― ご自身とは“正反対”の役作りで、どんなことを心がけましたか?
今回は原作の大神よりもさらに明るいイメージで、というのがあったので、できるだけ盛り上げられるような人でいたいなとは思っていたのですが、そうすると監督から「無理しているように見える」と言われたりもして。その加減がなかなか難しかったんですけど、でもそこは振り切って、オーバーにというか、自分の中ではすごくやりすぎなくらい明るくしていこうと思いながら演じました。
― 古澤健監督(『今日、恋をはじめます』など)からのアドバイスとしては何かありましたか?
アドバイスというか、やっぱり「もっと明るく!」というのはすごくありました。「大神はここではこんな風にするんじゃないの?」と言われたことも。「これができるんだったら、もっとこんなこともできるんじゃないかな?」という風に色々やってみて、もしやりすぎたら言ってくださいという話をしながらでしたね。
― そういう意味では高杉さんにとってかなり挑戦的な役柄でしたね。
そうですね。自分の中で割と振り切った感じはありました。
― 撮影以外の部分でも、現場を盛り上げようとか、そういう立ち位置でいようと意識することは?
インする前は思っていたんですよ。志高く、です。
― 志(笑)。
ただやっぱり…自分にとってはなかなか難しいです。だから今回も現場の皆さんに助けていただきつつ、撮影では明るく努めるようにしました。
― 役に引っ張られて変わる、っていうこともあるのかなと。
僕はあまり引っ張られるっていうことがないんですよ。ただ、今回の現場ではできるだけ明るくいたいなとは思っていました。テンションを維持していたかったんです。自分の中でテンンションの高低差が激しくなると大変なので。
― なるほど。ギャップを埋めていく作業が。
そうです。だから終わった瞬間、ふと眠たくなることがありました。
― どっと疲れて?
疲れるというか…やっぱりいつも使っていないテンションだからですかね。
毛布にくるまって味わった青春感
― 共演者の方々とお話はしましたか?はい。僕が今まで経験した現場の中で一番、皆さんとご飯を食べに行きました。すごく仲のいい現場で、楽しかったです。本当に学生時代の友達みたいに、他愛もない話で盛り上がっていました。
― 主演の中川さんは年下ですね。
そうなんですよ。年下に見えないですよね。
― ご共演されていかがでしたか?
3回目の共演なのですが、見た目も考え方も大人っぽくなっていました。中川くんは座長として、周りをすごく盛り上げてくれて、しっかり中心にいて。18歳でこんなにしっかり座長として立っていられるんだ、すごいなって思って見ていました。僕らはそれに引っ張ってもらっていた感じがすごくあります。
― 日代千鶴役の平祐奈さんも年下ですね。
そうなんですよ。本当この2人、すごいと思います。素晴らしいです。平さんはまたちょっと違って。もちろん無邪気で明るいんですけど、大人でもあるんです。周りをしっかり気遣ってくれる、気遣い屋さんなところがすごく素敵です。
― これからこんな風に、年下の共演者の方々が多くなるかもしれませんね。
自分自身、本当にそう感じています。怖いですね…(笑)。最近は現場のスタッフさんも、自分と同い年の方や、一歳しか違わない方がいらっしゃって。自分もそういう歳になったんだな~って思ったりするし、同級生は来年就活が始まるとか…。そんなことを考えるとチクッと、ドキッとしますね(笑)。
― 役どころとしては、池田エライザさん演じる狩生玲奈とのやり取りが多かったですよね。
そうですね。池田さんとは同い年で、しかも同じ福岡県出身なんです。だから地元の話とかもしました。
― ご当地トークというキッカケが。
人見知りなりに、ちょっと話すキッカケがあってよかったです(笑)。
― 大神の告白シーンはとても大きな見せ場だなと思いました。雨が降っていて、とびきりキラキラしていて。
告白シーンはやっぱり気合いが入りました。だけど単純に寒かったっていう記憶がすごく残っています(笑)。
― 浴衣姿で、雨に打たれて。
でもそれがまた青春感が出るというか。雨に打たれた後、みんなで暖かい場所に入って、1人1人毛布にくるまりながら話したのがすごく楽しかったです。すごく学生感、青春感があって。ちなみに、そこに(夜明了役の)千葉(雄大)さんはいらっしゃらなかったんですけど…(笑)。
― 少しお兄さんですからね(笑)。
そうなんですよ(笑)。
― 千葉さんとはお話しましたか?
千葉さんはすごくカッコイイです。一緒にワイワイしてくださるんですけど、やっぱりどこか大人で。しっかり見守ってくださっている感じがしました。一緒にワイワイしてくださるっていうこと自体がすごく素敵じゃないですか。あと、少しシンパシーを感じるところがあったりして。
― 例えばどんな部分ですか?
一緒に漫画の話とかできそう!と思って。お好きかどうかはわからないですけど(笑)、そういうイメージで。
― 共通点がありそうだなって?
漫画じゃないかもしれないですけど、何か共通点がありそうだなと思います。
― これから探すんですね(笑)。
はい(笑)。
小さい頃のほうができていたこともある
― 今回、物語の中で海崎は10歳若返るわけですが、10年前の高杉さんは10歳ですね。小学4年生ですね。
― 何をしていたか、覚えていますか?
2分の1成人式をやった記憶はあります(笑)。
― へえー!
その時、「10歳になったんだな~」って思った記憶があるなぁ(笑)。
― では10歳先のことはどうでしょうか?30歳。
ヒゲの似合う大人になっていてほしいです(笑)。
― 大人の男の象徴ですね。
渋い男になりたいです。想像つかないんですけどね、自分がどんな風になっていくかっていうのが。今も昔も、性格的なものは何も変わっていないので。ずっとこのままなんだろうなって。それは希望であり、絶望でもあるんですけど(笑)。変わらないのかよ!っていう(笑)。
― (笑)。ある日突然変わるかもしれない。
本当ですか?でも、結構頑なに変わっていかないんですよ。世界観が(笑)。
― 変えていきたいって思うんですか?
どうなんでしょうね?ちょっとは思いつつも、性格的なものは自分はやっぱりこのままでいいと思っているのかな。でも考え方とかは変わっていくほうがいい。10年後はしっかりとした大人になって、おこがましいですけど、若い人を支えられるようになりたいなと思います。
― 30歳だと、もしかしたら結婚してるかも?とか。
そうっすか…。
― 「そうっすか…」って!(笑)
いやいや(笑)。願望自体はあるので。「そっか~」と思って。そうですよね。結婚かぁ…。想像もつかないです。そういえばこの間、小さい子と一緒にお仕事をした時に考えたんですけど、僕が『仮面ライダー鎧武/ガイム』(2013-2014) をやったのが16歳だったので、4年という月日が経っているんです。0歳の子が4歳になる月日なんだと思うと、ちょっと何となく落ち込みました(笑)。
― そこで落ち込むんですね(笑)。
4年ってそんなに大きいんだと思って。やっぱり時間の経過とともにたくさんの経験を積んで、しっかりと大人になっていきたいですね。
― 高杉さんにとって、20歳の今しかできないことって何でしょうか?
うーん…でもこれからが大変な気がするんですよ。同世代はみんな仕事を始めていく、人生の分岐点なわけで。自分は少し前からこの仕事をやらせていただいているので、ちょっとは経験があるわけですけど、その時の経験ってほんの少しのことだと思うんですよ。ちゃんと考えて行動していたかどうかでも違うし。だからここから自分がどんな風に成長して、人と出会って吸収していくかっていうのが大事だと思います。ずっと柔軟性のある人物でいたいです。固まらずに。
― 固まらないこと?
はい。役もそうですけど、固まりがちなので。これはここ2~3年の課題です。
― どんな風にそう感じるのですか?
台本を読んでいて、自分の台詞に対する相手の台詞…“出方”って言うのかな。それを固めちゃう時があるんですよ。「こういう役だから、こんな風に来るのかな?」みたいな予想をして。受け答えをどんどん役で作っていっちゃうので。そうやって全部固めてしまうと、いざ現場でやってみて想像と違った時、対応できなくなるんですよね。いつもそれが戸惑いになって、できなくて悔しい思いをするので。柔軟性のある、スポンジでいたいですね。
― 現場の空気だからこそ生まれるナマの演技を。
それは多分、小さい頃のほうができていたと思うんですよ。固めるっていう作業をしてなかったので。
― 難しいですね。それが大人になるっていうことかも…
そうですね。難しいです。
― でも“甘杉くん”な時もあれば、「POLICE」のビジュアルのようにグッと大人っぽい時もあって。そういう曖昧さみたいなものは、まさに今だけの魅力かなと。
そうですね…ちゃんとできていたらいいのですが。
― 知らず知らずのうちに、世の女性を翻弄していると思いますよ(笑)。
本当ですか?(笑)これからも固めずに、いろんなことがやりたいですね。
ひとり暮らしのダンボール活用術!?
― 最後にプライベートなお話を少し。最近始めた、ひとり暮らしはいかがですか?すごくまったり空間にはなっています。
― 前回インタビューした昨年末の時点では、まだダンボールが片付いていないと。
本の入ったダンボールは開けてないです。
― 「壁に漫画をズラリと並べたい」というのは…
まだできていないんです。本棚を早く買わなきゃいけないですね。本の量がなかなか多いので。うーん、でもこれは言い訳ですね!本じゃないダンボールも開けてないですからね!!
― (笑)。まだ結構ありそうな感じで…。
いつまで経ってもダメですね。だからそのダンボールも使って、部屋を充実させているっていう感じですかね。
― どういうことですか?
ダンボールを家具として…(笑)。
― (笑)。
(ここでマネージャーから「ダンボールをタンスとして活用している」などの目撃情報)
部屋では結構、床に座るんですけど、(手で部屋の間取りを表現しながら)じゅうたんがあって、コタツがあって、壁があるじゃないですか。で、ここにダンボールが置いてあって。それで、座椅子を買おうと思ったんですよ。
― 座椅子を。
ゲームする時めっちゃ楽かなって(笑)。こうやって(背もたれに体を預けて)やりたいんですよ。ベッドからだとテレビがちょっと見えにくいし、ゲームする時は集中して音を聞かなきゃいけないから。足音とか。
― 足音(笑)。
足音を聞いて頑張らなきゃいけないんです、ゲームは。後ろから来る音とかもあるので。だから本当はイヤホンしてやりたいぐらいなんですけど。とにかく、座椅子を買わなきゃいけない。今はダンボールと僕の間にクッションを置いて、ダンボールに寄っかかってゲームをやっています(笑)。
― ああ、なるほど(笑)。
もはやそういうダンボール活用法です。
― 次にインタビューする時は、座椅子をゲットして暮らしがさらに充実しているといいですね。
はい。家具屋さんで探します。僕、インターネットで買い物をしたことがないんですよ。
― えーっ!これまた珍しい…
やり方がわからなくて(笑)。
― でも一度やったら、ますます漫画が増えて大変なことになりそうなので、知らないままでいいかも…!?
みんなには「一番やってそうなのに!」って驚かれるんですけどね(笑)。
(modelpress編集部)
映画『ReLIFE リライフ』(2017年4月15日公開)
原作:夜宵草 著「ReLIFE」監督:古澤 健
脚本:阿相クミコ
出演:中川大志 平祐奈 高杉真宙 池田エライザ 岡崎紗絵/千葉雄大 市川実日子
<ストーリー>
人生、やり直しませんか?
主人公、海崎新太(中川大志)27歳。現在、ニート。大学院を卒業後、入社した会社はたったの三ヶ月で自主退職。その後、再就職できないまま、コンビニでアルバイトを続ける日々。大学時代の友人に誘われた飲み会では、スーツを着てサラリーマンのフリ…。そんな彼の前に突然現れた謎の男。「人生、やり直しませんか?」“リライフ研究所”の所員と名乗る謎の男・夜明了(千葉雄大)から提案されたのは、薬で見た目だけ若返り、1年間、高校生活を送るという実験の被験者。なかば自暴自棄で、薬を飲んでしまう海崎。まさかの27歳男子の青春学園生活が幕を開ける―
そして始まる二度目の学園生活。そこで出会うのは、成績はトップだが極度のコミュニケーション音痴の女子高生・日代千鶴(平祐奈)、頭と顔はいいが他はいろいろと残念な大神和臣(高杉真宙)、負けん気の強い毒舌女子・狩生玲奈(池田エライザ)など個性豊かな面々。やがて打ち解けてゆく海崎。気づけば彼らはかけがえのない仲間となってゆく。一方、一生懸命な日代に恋心を抱くようになるが…相手は10歳も年下の女子高生。実験が終われば記憶も消える…切ないラブストーリーの結末は?そして、リライフを終えた海崎が新たに選択する未来とは?
高杉真宙(たかすぎ・まひろ)プロフィール
1996年7月4日、福岡県生まれ。09年、舞台『エブリ リトル シング‘09』で役者デビュー。13年、ドラマ『仮面ライダー鎧武/ガイム』の龍玄役で、二面性のある複雑な役どころを演じ、演技力の高さで注目を集める。以降、映画『ぼんとリンちゃん』(14)、『渇き。』(14)などに出演。15年『明日もきっと、おいしいご飯~銀のスプーン』で連続ドラマ初主演、16年はドラマ『表参道高校合唱部!』『スミカスミレ 45歳若返った女』『連続ドラマW カッコウの卵は誰のもの』、『闇狩人』で舞台単独初主演。17年は『想影』(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016上映作品)、『逆光の頃』と2本の主演映画、出演作に『PとJK』『ReLIFE』『トリガール!』『散歩する侵略者』、18年には『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』の公開が控える。
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