山崎賢人「楽器が弾けることは人生の大きな財産。次に弾いてみたいのは…」/『四月は君の嘘』リレーインタビュー【3】
2016.09.02 12:00
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モデルプレス×映画『四月は君の嘘』(9月10日公開)のリレーインタビュー企画(毎週金曜更新予定、全4回)、Vol.3は山崎賢人さん(21/※「崎」は正式には「たつさき」)。今作で演じた有馬公生は、心の奥底にある痛みや悲しみと向き合って、前に進むことのできる強さを持った男の子。ピアノの音にのって溢れ出す感情、こぼれ落ちる涙…そんな公生に共感することが多かったという山崎さんが、繊細な役作りから「人生における大きな財産」を手にしたというピアノ特訓、和やかな現場での出来事までたっぷりと語ってくれました。
新川直司氏による同名人気コミックを『僕の初恋をキミに捧ぐ』(09)、『潔く柔く』(13)の新城毅彦監督が実写映画化。母の死を境にピアノが弾けなくなってしまった元天才ピアニストの有馬公生が、自由奔放なヴァイオリニスト・宮園かをり(広瀬すず)との出会いをきっかけに、ピアノと母の思い出に再び向き合う姿を描いた青春音楽ラブストーリー。
セリフも心に響く名言が多くて。でも変に現実離れしていないから、実写でやる上でも「これどうなっちゃうんだろう」という不安を感じることはありませんでした。それを新城監督がすごく切なく、綺麗な映像で残してくれるということで、ひとつひとつのシーンを大切にしながら撮っていきたいという気持ちでした。
事前に『潔く柔く』など新城監督の作品を観させていただき、絵の作り方のおもしろさをすごく感じました。今回の撮影中も1つのシーンを3つに分けて撮ったり、台本を読んだだけではわからない部分が多くて。そのたびに「こういうのもあるんだ。どういう風になるんだろう?」と出来上がりを楽しみにしながら撮っていました。特に演奏シーンは1曲で100以上にも及ぶカットを撮影して。多分、監督の中で思い描いているものがすごく明確だったんだと思うんですけど、そのこだわりをすごく感じる現場でした。
監督からのアドバイスが大きかったです。本読みの時にトーンが落ちすぎてしまって「それはちょっと違う」と。公生にはお母さんやピアノの過去があるけど、公生なりに「それでいい」と受け入れていた。だからあくまで普通の高校生として過ごすというか、キラキラした青春を生きつつ、ふとした瞬間に気づくモノトーンの世界…そこをうまく表現できたらいいなと思いました。
あとはやっぱり、公生がかをりと出会って変わっていく過程ですね。かをりは公生に光をもたらしてくれる存在。少しずつ前に進もうとしたところで、また色々なことが起きて落ち込むんですけど、公生もかをりと出会ったことで成長して、乗り越えていく。幼なじみの渡(中川大志)と椿(石井杏奈)はいつもそばにいて支えてくれる。そういう喜びを出していければなと。
ふわっと元気なイメージがあったけど、根っこにはすごく強い部分がある人なんだなという印象に変わりました。素は明るくて親しみやすい女の子だけど、すごく負けず嫌いでストイック。ヴァイオリンを苦しみながら練習する姿からも、そういう一面を感じました。お芝居でも、公生がかをりに反応していくという関係の中ですごく引っ張ってもらって。かをりが病院で「なんで!?」と叫ぶシーンもすごく良かったと思います。
今回、同級生キャスト4人の中では最年長でした。みんな可愛かったですよ。…っていうお兄さん的発言は冗談で(笑)、みんな同じ目線でしたね。同い年の役だし、むしろ自分が一番年下なんじゃないかってくらい楽しんでた(笑)。大志とはドラマ「水球ヤンキース」で共演してから仲が良かったので、また一緒にできて嬉しかったし、みんなと仲良くなれて楽しかったです。すごい青春してました。
幅広く聴くんですけど、やっぱりロックが好きですね。歌うのも好きで、カラオケだと昔の曲を歌うことが多いんです。昔の曲って、今でも愛されている曲が多いじゃないですか。色んな世代のスタッフさんがいる時とかみんながわかる曲を歌って、みんなで盛り上がりたいんです。
クラシックはあまり触れる機会がなかったんですけど、今回モーツァルトなどの作曲家がその曲に込めた心情にも触れてすごく面白いと思ったし、楽器だけの音色で聴かせるってすごくいいなと思いました。ピアノを弾くのも今回が初めて。撮影の半年前から練習を始めて、最初は「ドレミファソラシド」を右手、左手の片方ずつ繰り返すところから。次に簡単な楽曲を右手で練習して、出来るようになったら左手をつけて、左右で別の動きをするのに慣れるという風に。今回出てくるのは『ロンカプ(序奏とロンド・カプリチオーソ)』、『愛の悲しみ』、『バラード(バラード 第一番 ト短調 作品23)』…どの曲も全部、弾けるところは自分で弾きたかったんです。
ステージから1人で“音を届ける”感覚は震えますね。大勢の観客に囲まれるなか『バラード』の冒頭部分を弾いた時は本当に緊張しました。最終的に『きらきら星(きらきら星変奏曲)』は丸々一曲弾けるように。ピアノの先生にも「筋がいい」と褒めてもらったりして、すごく嬉しかったです。
楽器が弾けることって、人生においてすごく大きな財産だなって。だから「なんで小さい頃からピアノやってなかったんだろう?」って思ったくらいです(笑)。
「立ち止まっている」っていうのとは違うけれど、今もやっぱり悩むことはあります。そんな時大切にしているのは、気合い。やる気。…「努力と気合いが全て!」。
「The Ventures(※アメリカのインストゥルメンタル・バンド)の曲を聴くと父を思い出します。父はギターを弾くのが好きで、The Venturesをよく聴いていたので」
賢人「スタンバイ中、すずと2人でランウェイのウォーキングの真似ごとをしていました。最初すずとメイクさんがやっていて、それを見て俺もやりたくなって。2人でタッタッタッと歩いて、ターンする時に“顔を残して”帰っていくっていうのを。顔を残す感じが楽しすぎて、いつでもどこでもやっていました。1回ハマると何回もやる傾向があって(笑)。いつかそういうショーに出る機会があったら、完璧にできると思います(笑)」
杏奈「公生のピアノがすごかったです!次に演奏したい楽器は何ですか?」
賢人「サックスです。今回教えてくださったピアノの先生の旦那さんがサックスをやっていて。練習に疲れちゃった時、『ジブリの曲とか弾いて欲しい』とリクエストしてみたら、旦那さんもいたので『2人で弾いてあげるよ』と言ってくれて。それを聞いて感動したので、サックスをやってみたくなりました」
Q1. すずが思う、ヴァイオリンの魅力とは?
Q2. もし、すずがかをりの立場だったら、「嘘」をつきますか?
Q3. 身長はまだ伸びてますか?(笑)
気になる答えは次回、広瀬さんのインタビュー記事でお届け。更新をお楽しみに!(modelpress編集部)
原作:新川直司『四月は君の嘘』(講談社「月刊少年マガジン」所載)
脚本:龍居由佳里
音楽:吉俣良
出演:広瀬すず 山崎賢人 石井杏奈 中川大志 甲本雅裕 本田博太郎 板谷由夏 檀れい
<STORY>
完全無欠、正確無比、ヒューマンメトロノームと称された天才ピアニスト・有馬公生(山崎賢人)は、母の死を境にピアノが弾けなくなってしまう。高校2年生となった4月のある日、公生は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)と渡亮太(中川大志)に誘われ、ヴァイオリニスト・宮園かをりと出会う。勝気で、自由奔放、まるで空に浮かぶ雲のように掴みどころのない性格―そんなかをりの自由で豊かで楽しげな演奏に惹かれていく公生。かをりの強引な誘いをきっかけに公生はピアノと“母との思い出”に再び向き合い始める。ようやく動き出した公生の時間。だが、かをりの身体は重い病に侵されていて…。
現実離れしていないから実写化の不安はなかった
原作はカラフルでキラキラした青春を描いた明るい物語ですが、その中に切ない部分があって。“嘘”が人を思いやる嘘だったりもして、漫画としても大好きな作品になりました。何よりも「音楽」を字と絵だけでここまで描けるのがすごい。ページをめくるたびに色々な音色が聴こえてくるような立体感がありました。セリフも心に響く名言が多くて。でも変に現実離れしていないから、実写でやる上でも「これどうなっちゃうんだろう」という不安を感じることはありませんでした。それを新城監督がすごく切なく、綺麗な映像で残してくれるということで、ひとつひとつのシーンを大切にしながら撮っていきたいという気持ちでした。
事前に『潔く柔く』など新城監督の作品を観させていただき、絵の作り方のおもしろさをすごく感じました。今回の撮影中も1つのシーンを3つに分けて撮ったり、台本を読んだだけではわからない部分が多くて。そのたびに「こういうのもあるんだ。どういう風になるんだろう?」と出来上がりを楽しみにしながら撮っていました。特に演奏シーンは1曲で100以上にも及ぶカットを撮影して。多分、監督の中で思い描いているものがすごく明確だったんだと思うんですけど、そのこだわりをすごく感じる現場でした。
公生は普通の高校生「暗くなりすぎないように」
公生を演じる上で「暗くなりすぎないように」という部分は心がけていました。公生は普段から自分の抱えている闇みたいなものを前面に出しているようなキャラクターではないと思ったので。監督からのアドバイスが大きかったです。本読みの時にトーンが落ちすぎてしまって「それはちょっと違う」と。公生にはお母さんやピアノの過去があるけど、公生なりに「それでいい」と受け入れていた。だからあくまで普通の高校生として過ごすというか、キラキラした青春を生きつつ、ふとした瞬間に気づくモノトーンの世界…そこをうまく表現できたらいいなと思いました。
あとはやっぱり、公生がかをりと出会って変わっていく過程ですね。かをりは公生に光をもたらしてくれる存在。少しずつ前に進もうとしたところで、また色々なことが起きて落ち込むんですけど、公生もかをりと出会ったことで成長して、乗り越えていく。幼なじみの渡(中川大志)と椿(石井杏奈)はいつもそばにいて支えてくれる。そういう喜びを出していければなと。
「最近どうっすか?」ぎこちない会話から始まった
すずちゃんとは今回が初共演になります。それまでのイメージは…明るくて、かわいくて、ちっちゃくて、元気で…って感じ。実際に会ってみると、すごく人見知りだそうで。自分も相手が人見知りだと人見知りしちゃうタイプなので、初日は本読みのセリフ以外は「おはようございます」「お疲れ様でした」しか言わなかったくらい(笑)。でもお互い、ピアノとヴァイオリンを一から頑張って練習していたから「最近(ヴァイオリンの練習)どうっすか?」みたいな(笑)。そんな会話から始まり、2人のシーンが多いので自然と仲良くなれましたね。ふわっと元気なイメージがあったけど、根っこにはすごく強い部分がある人なんだなという印象に変わりました。素は明るくて親しみやすい女の子だけど、すごく負けず嫌いでストイック。ヴァイオリンを苦しみながら練習する姿からも、そういう一面を感じました。お芝居でも、公生がかをりに反応していくという関係の中ですごく引っ張ってもらって。かをりが病院で「なんで!?」と叫ぶシーンもすごく良かったと思います。
今回、同級生キャスト4人の中では最年長でした。みんな可愛かったですよ。…っていうお兄さん的発言は冗談で(笑)、みんな同じ目線でしたね。同い年の役だし、むしろ自分が一番年下なんじゃないかってくらい楽しんでた(笑)。大志とはドラマ「水球ヤンキース」で共演してから仲が良かったので、また一緒にできて嬉しかったし、みんなと仲良くなれて楽しかったです。すごい青春してました。
初めて味わった“音を届ける”感覚…「大きな財産」
音楽は昔から好きで、高校生くらいから自分で好きなライブに行くようになって。初めて手に入れたCDは…確かドラマの主題歌だったんですけど、嵐のシングル。お母さんに買ってもらいました。次がミスチル(Mr.Children)でしたね。幅広く聴くんですけど、やっぱりロックが好きですね。歌うのも好きで、カラオケだと昔の曲を歌うことが多いんです。昔の曲って、今でも愛されている曲が多いじゃないですか。色んな世代のスタッフさんがいる時とかみんながわかる曲を歌って、みんなで盛り上がりたいんです。
クラシックはあまり触れる機会がなかったんですけど、今回モーツァルトなどの作曲家がその曲に込めた心情にも触れてすごく面白いと思ったし、楽器だけの音色で聴かせるってすごくいいなと思いました。ピアノを弾くのも今回が初めて。撮影の半年前から練習を始めて、最初は「ドレミファソラシド」を右手、左手の片方ずつ繰り返すところから。次に簡単な楽曲を右手で練習して、出来るようになったら左手をつけて、左右で別の動きをするのに慣れるという風に。今回出てくるのは『ロンカプ(序奏とロンド・カプリチオーソ)』、『愛の悲しみ』、『バラード(バラード 第一番 ト短調 作品23)』…どの曲も全部、弾けるところは自分で弾きたかったんです。
ステージから1人で“音を届ける”感覚は震えますね。大勢の観客に囲まれるなか『バラード』の冒頭部分を弾いた時は本当に緊張しました。最終的に『きらきら星(きらきら星変奏曲)』は丸々一曲弾けるように。ピアノの先生にも「筋がいい」と褒めてもらったりして、すごく嬉しかったです。
楽器が弾けることって、人生においてすごく大きな財産だなって。だから「なんで小さい頃からピアノやってなかったんだろう?」って思ったくらいです(笑)。
悩んだ時の原動力は…「努力と気合いが全て!」
僕自身、サッカーをずっと続けていたんですけど、中3でスカウトされてこの仕事を始めてからはサッカーをやめてしまったので、状況は違うけれど、ピアノをやめて悩む公生の気持ちには共感できます。立ち止まっていた時、かをりの言葉に突き動かされる。「思い切ってやっちゃおうよ!」っていう言葉なんかは特に、今の自分自身にも置き換えることができました。「立ち止まっている」っていうのとは違うけれど、今もやっぱり悩むことはあります。そんな時大切にしているのは、気合い。やる気。…「努力と気合いが全て!」。
山崎賢人の「1曲」―The Ventures(ザ・ベンチャーズ)
ある1曲に母親との思い出を重ねた公生。山崎さんにも、そんな1曲はありますか―?「The Ventures(※アメリカのインストゥルメンタル・バンド)の曲を聴くと父を思い出します。父はギターを弾くのが好きで、The Venturesをよく聴いていたので」
質問リレー!石井杏奈から「賢人くんに聞いてみたいこと」
杏奈「私がいなかった時の撮影中のおもしろ話を教えてください」
賢人「スタンバイ中、すずと2人でランウェイのウォーキングの真似ごとをしていました。最初すずとメイクさんがやっていて、それを見て俺もやりたくなって。2人でタッタッタッと歩いて、ターンする時に“顔を残して”帰っていくっていうのを。顔を残す感じが楽しすぎて、いつでもどこでもやっていました。1回ハマると何回もやる傾向があって(笑)。いつかそういうショーに出る機会があったら、完璧にできると思います(笑)」
杏奈「公生のピアノがすごかったです!次に演奏したい楽器は何ですか?」
賢人「サックスです。今回教えてくださったピアノの先生の旦那さんがサックスをやっていて。練習に疲れちゃった時、『ジブリの曲とか弾いて欲しい』とリクエストしてみたら、旦那さんもいたので『2人で弾いてあげるよ』と言ってくれて。それを聞いて感動したので、サックスをやってみたくなりました」
山崎賢人から「すずちゃんに聞いてみたいこと」
リレーインタビュー企画、最終回は宮園かをり役の広瀬すずさん。広瀬さんにつなぐバトンとして、山崎さんから「すずちゃんに聞いてみたいこと」はこの3つ。Q1. すずが思う、ヴァイオリンの魅力とは?
Q2. もし、すずがかをりの立場だったら、「嘘」をつきますか?
Q3. 身長はまだ伸びてますか?(笑)
気になる答えは次回、広瀬さんのインタビュー記事でお届け。更新をお楽しみに!(modelpress編集部)
山崎賢人(やまざき・けんと)
1994年9月7日生まれ、東京都出身。2010年にドラマ「熱海の捜査官」で俳優デビュー。映画『管制塔』(11)で映画初主演。15年にNHK連続テレビ小説「まれ」、NTV「デスノート」で幅広い人気を獲得し、映画『ヒロイン失格』(15)、『orange-オレンジ-』(15)が大ヒット。日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞した。現在フジテレビ系月9ドラマ「好きな人がいること」に出演中。今後、主演映画『斉木楠雄のΨ難』(17年夏公開予定)、『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』(16年12月17日公開)、主演映画『一週間フレンズ。』(17年2月18日公開)などが待機している。『四月は君の嘘』(2016年9月10日公開)
監督:新城毅彦原作:新川直司『四月は君の嘘』(講談社「月刊少年マガジン」所載)
脚本:龍居由佳里
音楽:吉俣良
出演:広瀬すず 山崎賢人 石井杏奈 中川大志 甲本雅裕 本田博太郎 板谷由夏 檀れい
<STORY>
完全無欠、正確無比、ヒューマンメトロノームと称された天才ピアニスト・有馬公生(山崎賢人)は、母の死を境にピアノが弾けなくなってしまう。高校2年生となった4月のある日、公生は幼馴染の澤部椿(石井杏奈)と渡亮太(中川大志)に誘われ、ヴァイオリニスト・宮園かをりと出会う。勝気で、自由奔放、まるで空に浮かぶ雲のように掴みどころのない性格―そんなかをりの自由で豊かで楽しげな演奏に惹かれていく公生。かをりの強引な誘いをきっかけに公生はピアノと“母との思い出”に再び向き合い始める。ようやく動き出した公生の時間。だが、かをりの身体は重い病に侵されていて…。
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