渡辺大が語るEXILE黒木啓司の人となり 貧困国で見た景色と感じたこと モデルプレスインタビュー
2015.11.26 07:00
views
俳優の渡辺大(31)がモデルプレスのインタビューに応じた。渡辺は、EXILEの黒木啓司の初主演映画「クロスロード」(11月28日公開)に出演する。青年海外協力隊をテーマにした今作を通して感じたことや、初共演となった黒木の印象、ロケ先で見たフィリピンの現状を余すことなく語ってくれた。
物語は、カメラマン助手となったが目標の見えない毎日を過ごしていた沢田樹(黒木)が自分を変えようと青年海外協力隊に飛び込むところから始まる。渡辺は青年海外協力隊で樹が出会う、困っている人を助けたいと強い意志を持つ“正義感の塊”のような男・羽村和也役を演じる。ボランティア精神は偽善だと考える沢田と、熱い思いを胸に青年海外協力隊に参加している羽村は対立することもしばしば。ぶつかり合うシーンも見どころだ。
主演・EXILE黒木啓司の印象
渡辺も「沢田と羽村は、陰と陽」だと例えるほどだが、黒木本人の印象は「おもしろくて、天然な方」だという。「先に僕がフィリピンにロケ入りして、その後、黒木さんもフィリピンに来られたんです。黒木さんにおすすめの観光スポットを教えたら、彼もそこに行ったそうです。すんなりとフィリピンのマーケットに入っていかれるなど、アクティブな方だなと」。そんなプライベートの時間でも「カメラマンの役なので、カメラは欠かさずに持ち歩き、いろんなものを撮って練習されていました」と役作りに励む黒木の顔を明かす。また「『メンバーのみんなにお土産買わなきゃ』とも言っていました。メンバー思いの優しい人なんだなという印象があります」と小さく笑った。黒木との共演で思い出に残っている場面には、沢田と羽村が長塚京三演じる訓練所所長の堺に叱られるシーンをあげる。「長塚さんの『海外では当たり前のことが当たり前じゃなくなるし、考えられないことがルールとしてあるから』というセリフが、非常に心に残っています。だから、沢田一辺倒でも、羽村一辺倒な考えでもいけない。人間が固定概念に縛られないで生きていくということが、どれだけ難しいかを考えさせられました。ちょっとしたセリフなのですが海外でのテーマを表し、心に響きました」。
役作りのため訓練所を訪問 そこで感じたこととは
今作への出演にあたり、クランクイン前には福島県・二本松にある青年海外協力隊の訓練所を訪問。各地へ派遣される前の隊員たちの様子や、派遣までのプロセスを自身の目で確かめた。中には、撮影で訪れたフィリピンへ派遣される隊員もおり、話が聞けたと目を輝かせる。これまで青年海外協力隊を運営する独立行政法人国際協力機構(JICA)に触れることはなかったという渡辺だが「70日程度の合宿を経て、2年間海外に赴任するんです。派遣先は面接時に振り分けられますが、国や地域によっては住む場所を現地に行って、カウンターパートの方に会ってから決めるんです。そんな中で、毎月送られてくるお金で上手にやりくりしなければならない。2年間、海外へ行って、そこで生活する度胸って、考えてみるとなかなか難しいこと。どんな思いを胸に、現地に赴くのだろうと、撮影中もずっと考えていました」と強く語る。劇中で、渡辺演じる沢田はフィリピン・マヨヤオの棚田でドジョウ養殖に取り組む。このドジョウ養殖は、実際に2012年より青年海外協力隊により実施されているが「マヨヤオでドジョウの養殖をしている女性にお会いしました。きっと僕よりも年下なのかな。ですが、一言で表せないほどの強いエネルギーや信念を感じました」と刺激を受けたようだ。
ロケ先で目の当たりにした現状
元々、海外への興味が強く、仕事にプライベートにとこれまでも海を渡ってきたが「やはり仕事で行くのと、旅行で行くのとでは異なる部分があります。仕事で海外に行くと、明と暗の部分の両方が見えてきて、いろんなことを知ることができます」と感じることがあるよう。今回、訪れたマヨヤオは4つの群の棚田が世界遺産に登録されているが、観光化は進んでいない。首都・マニラからバスを乗り継いで10時間以上かかる場所に位置する。10日間、マヨヤオに滞在した渡辺も「観光客はほとんど来なかった」と語るほどで、インフラも整っていない。「撮影は台風の上陸を避けて、4~5月に行われました。どうにか順調に進みましたが、僕らが使っていたゲストハウスも土砂崩れ起きたら難民になってしまうようなところ。シャワーも使える場所ではなく、ダニに噛まれて顔が腫れ上がったこともありました。ちょうど、その後の撮影が、JICAが作った病院でのロケだったので、抗ヒスタミン剤やステロイドを打ちながら行いました(笑)」と困難さをのぞかせる。
貧困国の現状を訴えかけるとともに、青年海外協力隊の姿を描き出した今作。出演を通して考えさせられたことを聞いてみると「日本は島国だから、なかなかいろんな国の人と触れ合う機会が多くないと思うんです。JICAの方も言っていましたが、青年海外協力隊に参加したいという人が年々減少傾向にあるそうです。『海外に行きたい』というマインドも薄くなっているようで。もちろん、日本は住みやすくいい国だけど、いろんな国を見て回って、自分の国を客観視することも大切です。自分の国について考える機会にもなりますし、海外の文化に触れて体験することは、人を一回りも二回りも大きく成長させます。この作品もそういったものを感じながら見ていただけると嬉しいです」と願いを込めた。
夢を叶える秘訣
最後に、理想を求め、青年海外協力隊で熱意を胸に奮闘する羽村を演じた渡辺に夢を叶える秘訣を尋ねると「続けること」だと回答。その理由を、ケニアを訪れたときのエピソードを持ち出し「仕事でケニアの電気も通っていないような場所に行ったことがあるのですが、そこに湖があったんです。そこの水はフッ素が強すぎるため、そのまま飲むと歯がボロボロになってしまいます。それでも、生きるためにはその水を飲まなければならない。ボランティア団体が貯水タンクを作ったのですが、壊れて以来、使っていない現状を目の当たりにしました」。この経験より「何か一つのことを成し遂げても、継続しなくては意味がないと思いました。思い続けたり、やり続けたりしないと、結局は成し遂げたことにはならない。永続的でなければ、成し遂げたとは言えないかと思います。物事の基本は続けること。やり続けることで、夢も叶えられるのではないでしょうか」と持論を語った。共演者や現地の人との交流もあり、終始充実した様子で撮影を振り返った渡辺。今作を通して渡辺が見てきた景色は、きっと成長をもたらし、何かを考えさせるきっかけになったに違いない。映画を通して、そのメッセージを発してくれることだろう。(modelpress編集部)
渡辺大(わたなべ・だい)プロフィール
生年月日:1984年8月1日血液型:A型
出身地:東京都
身長/体重:185cm/70kg
特技:乗馬、殺陣
趣味:野球、ゴルフ
2002年にTXスペシャルドラマ「壬生義士伝~新撰組でいちばん強かった男~」で父である渡辺謙演じる吉村貫一郎の青年期役で俳優デビュー。主な出演作に「ロストクライム」「彼岸島」「相棒-映画版III-巨大密室!匿名係絶壁の孤島へ」「るろうに剣心 京都大火編」「救いたい」などがある。最新作はNHK主演「独眼竜 花嫁道中」「一路」など。
【Not Sponsored 記事】
関連記事
「インタビュー」カテゴリーの最新記事
-
西川貴教コラボクリスマスケーキ100個配送トラブル スポンジむき出し・変わり果てた姿…販売元・平和堂に直撃インタビューモデルプレス
-
“福岡の子役が「ミス東大」に” 松藤百香さん、話題映画の吹き替え声優経験も 学業と両立できた理由とは【モデルプレスインタビュー】モデルプレス
-
GENIC増子敦貴&小池竜暉「思い描いていたメジャーデビューではなかった」コロナ禍から5年で日本武道館へ エイベックスの伝統継ぐ男女混合グループの強み【インタビュー】モデルプレス
-
岩橋玄樹「毎日不安や悩みと戦って生きている」経験から語る不安・葛藤の乗り越え方 “二面性”表したアルバム楽曲制作秘話【インタビュー後編】モデルプレス
-
日向坂46佐々木美玲「人が怖くなってしまった」辛い時期に支えてくれたメンバーの存在 相次ぐ卒業・グループの転換期に本音語る【「陽射しのパレード」インタビュー後編】モデルプレス
-
日向坂46佐々木美玲、初写真集撮影前の食事制限は「1食も続かなかった」3年前の入院経て辿り着いたスタイルキープ法とは【「陽射しのパレード」インタビュー前編】モデルプレス
-
なにわ男子・大西流星&藤原丈一郎、声優挑戦で互いを評価「勇気100%」継承は「メンバーみんなで喜んだ」【「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」インタビュー】モデルプレス
-
那須ほほみ、ジョージの印象に変化 インフルエンサー10人での生活は「大混乱しながらも奮闘」【「HASHTAG HOUSE」インタビュー】モデルプレス
-
King & Prince永瀬廉「あれはナンパだったな」運命的な出会い告白 山下美月は中学時代から続く“縁”明かす【「御曹司に恋はムズすぎる」インタビュー後編】モデルプレス