剛力彩芽、「黒執事」実写化に「不安は尽きない…でも全力を注いだ」 モデルプレスインタビュー
2014.01.06 06:00
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映画『黒執事』(1月18日公開)で初の男装役に挑戦した女優・剛力彩芽(21)。モデルプレスは公開を控えた彼女にインタビューを行い、現在の心境、役作りへのこだわり、主演の水嶋ヒロについてなど、たっぷりと語ってもらった。
同作は、「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス刊)で連載する枢やなの同名漫画を映画化。映画版では原作出版社の承認のもと、原作から時代、舞台を変え、新しいストーリーを構築した。主人公である、完全無欠の悪魔の執事・セバスチャンを演じるのは、3年ぶりに俳優復帰する水嶋ヒロ。女優の優香や山本美月ら豪華キャストがこのプロジェクトのために集結し、剛力はセバスチャンの主人で男装の令嬢・幻蜂清玄(汐璃)を演じる。清玄は映画版のオリジナルキャラクターで、男装役は彼女にとって初めての挑戦となる。
剛力:これまでも原作ものの実写化作品に携わることがとても多かったですが、やっぱり原作ファンの方に対して不安な気持ちは尽きません。でも一方で、お芝居をすることで伝わることは必ずあると思っています。今回だったら“女性が男装してまで生き抜こうとする姿”。その生きたいって思う気持ちに、心が揺さぶられる方は必ずいると思います。だから私は役のその気持ちを精一杯理解して、みなさんに届けることに全力を注ぎました。たとえ公開されてもこの不安は消えないと思いますが、この設定について「これはこれでありだな」って思っていただける方が一人でも多くなれば嬉しいですね。
剛力:歩き方、立ち方、座り方に一番女性らしさが見えてしまうと思ったので、そこは強く意識しましたね。普段から仁王立ちしてみたりとか(笑)。あとは声のトーン。最初はできる限り低い声を出そうと思っていたんですけど、本読みのときに監督から「清玄は傷を負って男として生きているから、どちらかというと感情、そのとき感じたことを大切にしてほしい。だから無理やり声を低くすることはないよ」と言っていただけたので、安心してお芝居できるようになりました。男と思って生きながらも、時折いろんな弱さがかいま見えて「あっこの子、女の子だったんだ」となってもらいたいです。
― そういった中で特にこだわったことは何ですか?
剛力:清玄が伝えたい言葉には本当に大切なものが多かったので、私が清玄のことを完璧に理解していないとペラペラに思われてしまう、それが全然たいした言葉じゃないって思われてしまう…そのように感じたので、清玄の過去シーンを何度も見て、これまでの境遇を必死に理解するように努めました。
剛力:そうですね、こんなに笑わない役は初めてでした。「ビブリア古書堂の事件手帖」というドラマであまり笑わない役はやっていたんですけど、またその笑わないとは全然意味が違って…ドラマは照れ屋で消極的な女性が笑わない感じ。でも清玄は笑うこと、楽しいことを忘れてしまったという感じ。その違いは演じる上でかなり大変でした。
― 大変とは具体的に?
剛力:顔でお芝居ができなかったこと。特に清玄は顔にあまり気持ちがでない、それでいて目と言葉にはすごく気持ちを出す必要がある。今回、顔でお芝居ができないってすごく難しいことだなと思いました。
剛力:女性が男性になるという設定自体が新しい設定。なので男性になったときは少しでも英国男子のスパイスを入れられたらと思いました。髪型もいつも切ってくださる方に細かくお願いしたりしました。
― 映画で剛力さん演じる清玄を観たときは、お肌もツルツルでまさしく“美少年”という表現がしっくりきました。日頃の積み重ねがあってこそ完成されたビジュアルのようにも感じましたが、美について普段から何を心がけていますか?
剛力:私すごく乾燥肌なので、今の季節はとにかく保湿ですね。あと野菜がもともと好きというのもありますが、撮影が続いたりとか忙しいときにこそ、新鮮な野菜をしっかり摂るようにしています。
剛力:いるだけで安心感のあるお父さんみたいな方でした(笑)。私が山本美月ちゃんと遊んでいると「うんうん」って温かい笑顔で微笑みながら見守ってくれていて、そこで美月ちゃんと「お父さんみたいだ~」って盛り上がりました。年齢的にはお兄ちゃんなんだけど…(笑)。聞く話だと、もともと人見知りをする方らしいのですが、初日から緊張する私にたくさん話かけてくださって、本当に助かりました。私、家族がすごく好きで、家族の話をすると止まらなくなっちゃうんですけど、その話も「うんうん」って聞いてくださる。そんなドッシリした姿もお父さんみたいでした(笑)。
あとさりげない気配りができる方。ほかのキャストの方も「水嶋さんってすごく褒め上手だよね」と言っていました。一人一人を褒めているんですよ、とくにお芝居を。「今のシーン良かったよ、グッときた」って。なかなかできることじゃないと思うので、もうみんな水嶋さんのファンです(笑)。
剛力:すごく単純なことですが、“諦めないこと”と“焦らないこと”。焦ってもいいことないですし、焦っちゃうと自分のベストを出しきれないと思うので。あとは挑戦し続ける。もちろん最初の一歩は怖い。でもそれをやってみないとわからないことってたくさんあると思います。
― “諦めないこと”はよく聞きますが、“焦らないこと”は意外に感じました。
剛力:本当ですか?私、焦ったこと全然ないんですよ。10歳から事務所に入っていますが、みなさんに知っていただけるまで本当に長くて…。仕事ないときやオーディションに落ち続けたこともたくさんあるんですけど、そのときに「やばい、どうしよう」と焦ったことはないです。「自分のベストが出せたからいいや」ってポジティブに考えていました。「私は自分を出しきった。このオーディションは楽しめた。あとは審査員の方次第かな」って。だから焦らない方がいい方向に転びやすいのかなって思っています。
― ありがとうございました。
忙しいスケジュールの合間を縫って実施されたが、疲れた表情を一切見せず、インタビュアーの目をきちんと見ながら、丁寧に質問に応える姿が印象的だった。「原作ファンにも、そうではない方にも楽しんでもらえる作品になったと思う」。男装という新境地に挑んだ彼女の成長に注目だ。(モデルプレス)
■映画「黒執事」
1月18日(土)新宿ピカデリーほか全国公開
出演:水嶋ヒロ、剛力彩芽、優香、山本美月、大野拓朗、栗原類、海東健、ホラン千秋、丸山智己、城田優、安田顕、橋本さとし、志垣太郎、伊武雅刀、岸谷五朗
原作:枢やな(掲載 月刊「Gファンタジー」 スクウェア・エニックス刊)
監督:大谷健太郎 さとうけいいち
主題歌:ガブリエル・アプリン「Through the ages」(ワーナーミュージック・ジャパン)
脚本:黒岩勉
<ストーリー>
執事の名はセバスチャン。知識と実力、品格と容姿を兼ね備え、非の打ち所があるとすれば性格の悪さだけという、万能にして忠実な執事。仕える主人は、巨大企業の若き総帥にして、幻蜂(げんぽう)家当主、幻蜂清玄(きよはる)伯爵。実は女であることを隠して生きる男装の令嬢で、その過去に壮絶な傷を抱えていた。二人をつなぐもの、それは命と引き換えの絶対的な主従関係。そんなただならぬ関係の二人だが、実は東西で対立する分断された世界で、世界統一を目指す西側諸国女王の諜報員、「女王の番犬」という裏の顔を持つ。ある日、東側諸国で起きている、大使館員の“連続ミイラ化怪死事件”の解決という密命が下された。現場に残されたのはタロットカード。時同じくして、街から少女たちが失踪する出来事が起きていた。世界を巻き込む事件の黒幕の目的とは、そして事件の犯人は…!?
■剛力彩芽(ごうりき・あやめ)プロフィール
1992年8月27日生まれ。神奈川県出身。
2008年から2013年5月まで雑誌「Seventeen」の専属モデルとして活動。その後2011年にTVドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」にて本格的に女優デビュー。2013年には大河ドラマ「八重の桜」ほか、TVドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」でゴールデンタイム枠初主演を果たす。映画「カルテット!~Quartet!~」(2012)では第21回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。2014年1月にはテレビ朝日系「私の嫌いな探偵」主演、ほか映画初主演作となる「L(ハート)DK」の公開が4月に控える。
オリジナルキャラクターも「心が揺さぶられる方は必ずいる」
― 原作もの、かつ原作にはない“男装”の設定、この手の映画化には賛否両論がつきものですが、どのような心境で撮影に挑みましたか?剛力:これまでも原作ものの実写化作品に携わることがとても多かったですが、やっぱり原作ファンの方に対して不安な気持ちは尽きません。でも一方で、お芝居をすることで伝わることは必ずあると思っています。今回だったら“女性が男装してまで生き抜こうとする姿”。その生きたいって思う気持ちに、心が揺さぶられる方は必ずいると思います。だから私は役のその気持ちを精一杯理解して、みなさんに届けることに全力を注ぎました。たとえ公開されてもこの不安は消えないと思いますが、この設定について「これはこれでありだな」って思っていただける方が一人でも多くなれば嬉しいですね。
役作りへのこだわり
― キャリア初となる男装の令嬢・幻蜂清玄(汐璃)役を演じるにあたり、意識した役作りについてお聞かせください。剛力:歩き方、立ち方、座り方に一番女性らしさが見えてしまうと思ったので、そこは強く意識しましたね。普段から仁王立ちしてみたりとか(笑)。あとは声のトーン。最初はできる限り低い声を出そうと思っていたんですけど、本読みのときに監督から「清玄は傷を負って男として生きているから、どちらかというと感情、そのとき感じたことを大切にしてほしい。だから無理やり声を低くすることはないよ」と言っていただけたので、安心してお芝居できるようになりました。男と思って生きながらも、時折いろんな弱さがかいま見えて「あっこの子、女の子だったんだ」となってもらいたいです。
― そういった中で特にこだわったことは何ですか?
剛力:清玄が伝えたい言葉には本当に大切なものが多かったので、私が清玄のことを完璧に理解していないとペラペラに思われてしまう、それが全然たいした言葉じゃないって思われてしまう…そのように感じたので、清玄の過去シーンを何度も見て、これまでの境遇を必死に理解するように努めました。
チャームポイントの笑顔を封印
― 剛力さんの代名詞でもある笑顔も封印といった役どころでしたね。剛力:そうですね、こんなに笑わない役は初めてでした。「ビブリア古書堂の事件手帖」というドラマであまり笑わない役はやっていたんですけど、またその笑わないとは全然意味が違って…ドラマは照れ屋で消極的な女性が笑わない感じ。でも清玄は笑うこと、楽しいことを忘れてしまったという感じ。その違いは演じる上でかなり大変でした。
― 大変とは具体的に?
剛力:顔でお芝居ができなかったこと。特に清玄は顔にあまり気持ちがでない、それでいて目と言葉にはすごく気持ちを出す必要がある。今回、顔でお芝居ができないってすごく難しいことだなと思いました。
美肌の秘訣を語る
― ではビジュアル面で気をつけたことは何でしょうか?剛力:女性が男性になるという設定自体が新しい設定。なので男性になったときは少しでも英国男子のスパイスを入れられたらと思いました。髪型もいつも切ってくださる方に細かくお願いしたりしました。
― 映画で剛力さん演じる清玄を観たときは、お肌もツルツルでまさしく“美少年”という表現がしっくりきました。日頃の積み重ねがあってこそ完成されたビジュアルのようにも感じましたが、美について普段から何を心がけていますか?
剛力:私すごく乾燥肌なので、今の季節はとにかく保湿ですね。あと野菜がもともと好きというのもありますが、撮影が続いたりとか忙しいときにこそ、新鮮な野菜をしっかり摂るようにしています。
水嶋ヒロの印象「お父さんみたい」
― 水嶋さんとの共演はいかがでしたか?剛力:いるだけで安心感のあるお父さんみたいな方でした(笑)。私が山本美月ちゃんと遊んでいると「うんうん」って温かい笑顔で微笑みながら見守ってくれていて、そこで美月ちゃんと「お父さんみたいだ~」って盛り上がりました。年齢的にはお兄ちゃんなんだけど…(笑)。聞く話だと、もともと人見知りをする方らしいのですが、初日から緊張する私にたくさん話かけてくださって、本当に助かりました。私、家族がすごく好きで、家族の話をすると止まらなくなっちゃうんですけど、その話も「うんうん」って聞いてくださる。そんなドッシリした姿もお父さんみたいでした(笑)。
あとさりげない気配りができる方。ほかのキャストの方も「水嶋さんってすごく褒め上手だよね」と言っていました。一人一人を褒めているんですよ、とくにお芝居を。「今のシーン良かったよ、グッときた」って。なかなかできることじゃないと思うので、もうみんな水嶋さんのファンです(笑)。
夢を叶える秘訣は「焦らないこと」
― 劇中では剛力さん演じる清玄と、水嶋さん演じるセバスチャンが、あの手この手を使って事件の真相に突き進んでいきますが、剛力さん自身が目的(=夢)を叶えるために大切だと思うことを教えてください。
剛力:すごく単純なことですが、“諦めないこと”と“焦らないこと”。焦ってもいいことないですし、焦っちゃうと自分のベストを出しきれないと思うので。あとは挑戦し続ける。もちろん最初の一歩は怖い。でもそれをやってみないとわからないことってたくさんあると思います。
― “諦めないこと”はよく聞きますが、“焦らないこと”は意外に感じました。
剛力:本当ですか?私、焦ったこと全然ないんですよ。10歳から事務所に入っていますが、みなさんに知っていただけるまで本当に長くて…。仕事ないときやオーディションに落ち続けたこともたくさんあるんですけど、そのときに「やばい、どうしよう」と焦ったことはないです。「自分のベストが出せたからいいや」ってポジティブに考えていました。「私は自分を出しきった。このオーディションは楽しめた。あとは審査員の方次第かな」って。だから焦らない方がいい方向に転びやすいのかなって思っています。
― ありがとうございました。
忙しいスケジュールの合間を縫って実施されたが、疲れた表情を一切見せず、インタビュアーの目をきちんと見ながら、丁寧に質問に応える姿が印象的だった。「原作ファンにも、そうではない方にも楽しんでもらえる作品になったと思う」。男装という新境地に挑んだ彼女の成長に注目だ。(モデルプレス)
■映画「黒執事」
1月18日(土)新宿ピカデリーほか全国公開
出演:水嶋ヒロ、剛力彩芽、優香、山本美月、大野拓朗、栗原類、海東健、ホラン千秋、丸山智己、城田優、安田顕、橋本さとし、志垣太郎、伊武雅刀、岸谷五朗
原作:枢やな(掲載 月刊「Gファンタジー」 スクウェア・エニックス刊)
監督:大谷健太郎 さとうけいいち
主題歌:ガブリエル・アプリン「Through the ages」(ワーナーミュージック・ジャパン)
脚本:黒岩勉
<ストーリー>
執事の名はセバスチャン。知識と実力、品格と容姿を兼ね備え、非の打ち所があるとすれば性格の悪さだけという、万能にして忠実な執事。仕える主人は、巨大企業の若き総帥にして、幻蜂(げんぽう)家当主、幻蜂清玄(きよはる)伯爵。実は女であることを隠して生きる男装の令嬢で、その過去に壮絶な傷を抱えていた。二人をつなぐもの、それは命と引き換えの絶対的な主従関係。そんなただならぬ関係の二人だが、実は東西で対立する分断された世界で、世界統一を目指す西側諸国女王の諜報員、「女王の番犬」という裏の顔を持つ。ある日、東側諸国で起きている、大使館員の“連続ミイラ化怪死事件”の解決という密命が下された。現場に残されたのはタロットカード。時同じくして、街から少女たちが失踪する出来事が起きていた。世界を巻き込む事件の黒幕の目的とは、そして事件の犯人は…!?
■剛力彩芽(ごうりき・あやめ)プロフィール
1992年8月27日生まれ。神奈川県出身。
2008年から2013年5月まで雑誌「Seventeen」の専属モデルとして活動。その後2011年にTVドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」にて本格的に女優デビュー。2013年には大河ドラマ「八重の桜」ほか、TVドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」でゴールデンタイム枠初主演を果たす。映画「カルテット!~Quartet!~」(2012)では第21回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。2014年1月にはテレビ朝日系「私の嫌いな探偵」主演、ほか映画初主演作となる「L(ハート)DK」の公開が4月に控える。
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