<映画「ゴジラ-1.0」神木隆之介&浜辺美波インタビュー>大作への重圧と覚悟…葛藤を乗り越えた方法語る
2023.11.02 06:00
views
1954年に初めて姿を現して以来、日本のみならず世界中を魅了し、衝撃を与え続けてきた「ゴジラ」。その70周年記念作品であり、日本で製作された実写版「ゴジラ」の30作品目という特別な節目である最新作「ゴジラ-1.0」(読み:ゴジラマイナスワン)が11月3日、“ゴジラの日” に公開される。
公開を直前に控える今、主演の神木隆之介(かみき・りゅうのすけ/30)とヒロインの浜辺美波(はまべ・みなみ/23)にインタビュー。大作にかけるそれぞれの思いに迫った。<インタビュー前編>
神木隆之介主演「ゴジラ-1.0」
本作の舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じる。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズをはじめ「永遠の0」「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFX(※「Visual Effects(視覚効果)」の略称。現実の世界では見ることができない画面効果を演出させるための技術)を手掛ける。
神木隆之介&浜辺美波「ゴジラ」新作出演への重圧
― 完成報告会見では大作へのプレッシャーがあったとお話ししていましたが、改めて、オファーを受けた時の心境からお聞かせください。神木:「ゴジラ」と言えば全世界の人がわかるぐらいの大きなコンテンツなので、もちろんプレッシャーはありましたし、それを背負っていかないといけない立ち位置で重圧に耐えられるのか不安でした。ですが、逆に「耐えてみせるぞ」と自分を試す思いがあったのでオファーをお受けして、30作品目という大きな節目で、全ての人が力を入れている作品なので、頑張って引っ張っていけるような主演でいなければと思っていました。
― そのプレッシャーは、撮影を終え、公開を控える今も続いているのでしょうか?
神木:今はもう晴れて、あとは無事に公開されることを祈っています!この作品は日本だけでなく海外の方にも見てもらえるということで、世界の「ゴジラ」ファンの方々、もしくは「ゴジラ」を見たことがないけど特撮が好きという方など、どれだけ世界中に届けることができるのか、これから公開された後も楽しみがいっぱいあるので、今は楽しみの気持ちの方が大きいです。
― 発表会見の動画にも公開を期待するコメントがたくさん届いていましたね。
神木:いや~嬉しいです!
― 浜辺さんはいかがですか?
浜辺:私は小さい頃から「ゴジラ」作品に事務所(東宝)の先輩方がたくさん出演されていたというお話を聞きながら、「いつか出られたらいいね」と何度も声をかけてもらっていたので、出演できて嬉しいですし、思い入れがいつもとは違うような、そんな緊張感がありました。プレッシャーはありますが、節目の大作に出演できる機会があまりないなかで、このようにお声がけをいただけたということで、絶対に後悔しないような「ゴジラ」出演になれたらいいなと思っていました。この情報が解禁されてから、周りには女の子でも「ゴジラ」を好きな方がいることに初めて気が付いて、色々なところに「ゴジラ」ファンがいるんだなと思うと、公開が今からすごく楽しみです。
― 浜辺さんは会見でも「『ゴジラ』というものにドキドキするのが遺伝子レベルで刷り込まれている」とおっしゃっていて、作品への思い入れの強さを感じました。
神木:流石!東宝の申し子!
神木隆之介&浜辺美波、VFXの迫力に衝撃「まさに集大成」
― 本作はVFXを使用した圧巻の映像にも注目が集まっていますね。神木:逆に僕は「VFXってなんですか?」って聞いたくらいで、最初はVFXがよくわからなかったんです(笑)。
浜辺:撮影場所にはグリーンバックしかなかったことが多かったので、山崎さんが「ブワァー!」って言っているのを、必死に想像しました。
神木:そうそう。「ゴジラの尻尾がブワァーってきて、ギャーってなって、ガーってなるんだよ」と擬音の迫力で説明してもらったからこそ、逆にすごくわかりやすかったです。
― その工程を経て、実際に出来上がった作品を見ていかがでしたか?
神木:僕らが撮影中に「こんな迫力になっているんだろうな」と想像していた以上の迫力で、出来上がっていました。
浜辺:大きなスクリーンで観てもすごく緻密に当時を再現されていて、どう作ったのかもうわからないくらい、まさに集大成を感じるものでした。
神木:ゴジラに吹き飛ばされる時のビルが一斉に割れるガラスの破片も、小さいどころじゃないくらいの小ささだったね!
神木隆之介&浜辺美波「役者の想像力が試される」VFX撮影での不安
― 今のお話を聞いて、スケールの大きさを感じながら想像して演じるのはかなり難しそうだなと思いました。神木:すごく難しかったですね。VFXと実際の芝居の温度差が生まれやすいと思うので、恐怖と見合った感情や動きというのが必要になってくるので、役者の想像力が試されるだろうなと思いますし、監督に綿密に質問しながら演じていました。
― 浜辺さんの乗っている電車をゴジラが襲う予告シーンもありましたね。
浜辺:普通に生きていたら絶対に遭遇しないような体験を、今回はたくさんさせていただきました。たくさん想像しながら演じましたが、その想像が合っているのか答え合わせが劇場に行くまでわからないので、大丈夫かなという不安感はありながら、慎重に作品を作りました。
神木隆之介が役作りで葛藤…壁を乗り越えた方法とは
― 今回神木さんは役作りのために「連日悪夢を見るくらい葛藤していた」というお話もありましたが、お2人が役作りでの苦しみ・悲しみを乗り越えた方法があれば教えてください。神木:役作りで追い込むのは自分のさじ加減次第だったので、辛すぎて途中で辞めました。芝居ではないところで、こんなことになっていたら芝居ができないと思ったんです。悪夢は見ていましたが、「らんまん」も長くて大変でしたし、「ゴジラ-1.0」も大変でしたし、世の中には大変なことはたくさんあって、人生はいいことばかりが起きるわけじゃないので、辛いことは辛いと思います。悲しいことは悲しいですし、紛らわしても紛らわせないものなので、どうせ向き合わなければいけないんです。だから、時間が解決してくれると思います。
浜辺:私も同じです。
神木:時間が解決してくれる、というのは無責任なことと思うかもしれないですけど、いつかは「こんな苦しいこともあったな」と人に話せる時が絶対に来ると思うので、それを信じて頑張るしかないとは思いました。もちろん乗り越えられないものもありますが、大変だなと思っていたものも終わってみたら、すぐではなくても「意外とこういうところが楽しかったかもしれない」と思う日が来るかもしれない。未来に希望を見出すのが、今の手助けになるんじゃないかな。
― 苦しみを乗り越える時に、神木さんはどなたかに相談はされるのですか?
神木:僕は自分の機嫌は自分でとらなきゃいけないと思っているので、あまり相談しないタイプです。「らんまん」では土佐弁が大変だったので、志尊(淳)には「まだ練習してないよね?」「よかった~まだか!」という相談はしましたけど(笑)。
― (笑)。浜辺さんは本作で難しかったことや苦労されたシーンはありましたか?
浜辺:この作品の撮影では、段取りをしてから、アングルや光の調整を2~3時間して、急に本番やテストが始まることがあったので、一気に気合いを入れなければいけなかったり、演技があっているのか不安になったり、緊張してしまったりとリズムが取りにくくて悩んでいました。ただ、現場には神木さんがいたので、自分の感じている現状を話すことで楽になっていました。私は溜め込んでしまうと爆発してしまうんです。だから何かあった時に神木さんやマネージャーさんに聞いてもらうだけですごく楽になって、そして美味しいものを食べて、そしたらある程度は落ち着きます。
― 聞いてくれる人の存在は大きいですよね。
浜辺:そうですね。近すぎない人が聞いてくれると助かります。
― 神木さんは浜辺さんのお話にどのようなお言葉を返したのでしょうか?
神木:ひたすら「やばいっすね」「大変っすね」って言っていました(笑)。
浜辺:それぐらいの方が助かります!もし「3時間くらいお話しよっか」って言われても大変なので(笑)。
神木隆之介&浜辺美波、阿吽の呼吸で“特別な関係性”演じる
― 「ゴジラ-1.0」でお2人は夫婦ではないけど、2人にしかわからない絆がある特別な関係性のある敷島と典子を演じていましたが、その関係性や距離感を作る上で大事にしたことがあれば教えてください。神木:一緒にいるのが当たり前になった2人ということで、意識まではしていないですけど、結婚しているのかな?くらいの気持ちで演じていました。途中で敷島と典子にズレが生じて傷つくことがあるのですが、それまでは意外と細かく意識はしていなかったですね。
― では、2人で距離感のすり合わせをする話し合いなどもあまりなかった?
神木:動きや言い方などシーンごとには話していましたが、全体的な2人の関係の方向性についての話はしたことがなかったです。
― 阿吽の呼吸でできた空気感だったんですね。2人の場面では、浜辺さんの気迫が強く感じられるシーンもありました。
浜辺:山崎さんが定期的に「ここ頑張れ」と大事なシーンで声をかけてくれるので、緊張もしましたが、頑張らなきゃという気持ちになっていました。山崎さんが最初に映画を撮った時からほぼ変わらない撮影メンバーだからなのか現場の雰囲気がすごくよくて、作り上げられた雰囲気があるから、そこに乗っていけて、相手も神木さんなので緊張を過度にすることもなく、色々な状況の重なりに助けていただいた気がします。
★インタビュー後編では、お互いの関係性の変化や“謎”だと思うところ、夢を叶える秘訣などについて語っている。(modelpress編集部)
神木隆之介(かみき・りゅうのすけ)プロフィール
1993年5月19日生まれ。昨年はドラマ「神木隆之介の撮休」(WOWOW)のほか、映画「ノイズ」「ホリック xxxHOLiC」「GHOSTBOOK おばけずかん」、アニメ映画「すずめの戸締り」(声優)など話題作に多数出演。2023年にはNHK連続テレビ小説「らんまん」で主演を務めたほか、主演映画「大名倒産」が公開された。浜辺美波(はまべ・みなみ)プロフィール
2000年8月29日生まれ、石川県出身。2011年、第7回「東宝シンデレラ」オーディションでニュージェネレーション賞を受賞し芸能界入り。2017年公開の映画「君の膵臓をたべたい」で、第41回「日本アカデミー賞新人俳優賞」などを受賞し新進気鋭の若手女優として頭角を現す。2023年はNHK連続テレビ小説「らんまん」のヒロインを演じたほか、劇場アニメ「金の国 水の国」(声優)、映画「シン・仮面ライダー」などに出演した。スタイリスト/神木:吉本知嗣 浜辺:瀬川結美子(sharay)、ヘアメイク/神木:MIZUHO(VITAMINS) 浜辺:George
【Not Sponsored 記事】