<女子アナの“素”っぴん/小室瑛莉子アナ>高島彩に憧れた幼少時代「もしもツアーズ」「ポップUP!」で感じた“間”の大切さ【フジテレビアナウンサー×モデルプレス連載】
2022.06.16 17:00
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2017年12月から2021年2月まで、約3年半にわたった「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』が、この度特別復活を果たした。今回は2021年入社の小室瑛莉子(こむろ・えりこ/23)アナウンサーにインタビュー。
「女子アナの“素”っぴん」特別復活
「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。ここではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。
小室アナは、青山学院大学を卒業後、2021年に入社。現在は「ポップUP!」(月曜日)「ノンストップ!」(火曜日)「FNN Live News イット!」(土・日曜日)「もしもツアーズ」などを担当している。
小室瑛莉子アナ、高島彩に憧れた小学生時代
― まずはアナウンサーになりたいと思ったきっかけから教えてください。小室:小学校の頃から「めざましテレビ」を観ていて、メインキャスターとしてキラキラ輝いてらっしゃる高島彩さんを見て、アナウンサーという職業の前に高島さんという存在に「素敵な女性だなぁ」と憧れていました。そこから年齢を重ねて大学生になって、いざ就活の時期となった時に、家族や周りの人、特に祖父から「アナウンサーとかどうかな?目指してみたら?」と言われました。そこで「そういえば小さい頃から憧れていた高島さんはアナウンサーだった」と思い出して、目指してみようかなと思ったのがきっかけです。
― 面接ではどのようなことをアピールされていましたか?
小室:私は留学経験や英語が話せるなどのアピールポイントがほとんどなかったんです。ただ会話をすることがもともと好きだったので、面接官と私生活の話などで盛り上がって会話を楽しんでいたらいつの間にか最終試験に進んでいて、自分でもびっくりでした(笑)。なので本当に思っていることを素直に話していたら、運よくフジテレビに拾っていただいたという感じです(笑)。
― その会話が1番難しいところだと思うので、それを楽しまれていたのはすごいです。
小室:私も上手くできたかと言われたら全然そんなこともなかったですし、原稿読みやカメラテストの試験では、やはりずっとアナウンススクールに通っていた人に比べたらまだまだ何もできない状態でした。自分はまだスタートラインには立てていないと思いながらも、試験を楽しみながら自分にできることに必死に取り組んでいました。
― 大学3年生までは原稿読みなどの専門的なことには触れてこられなかったそうですね。
小室:はい。試験の前にフジテレビのインターンがあって、そこで初めて経験しました。その前後に短期のアナウンススクールに行って、試験ではどのようなことをするのか教えていただいてから本番に臨んだ感じです。技術的にはほぼゼロからのスタートだったので本当に受かったのは奇跡ですが、例えば新聞をアナウンサーっぽく読むなど、短期のスクールで習ったことを必死に家で繰り返していました。アナウンサーを目指し始めるまで文字を音声化するというのをほぼやってこなかった分、5文字ごとに途切れてしまうような話し方でも何度も何度も繰り返し練習しました。試験に間に合っていたかはわからないですが、「これだけやったんだぞ」という自信に少しでも繋がったらいいなと思い、家でできることは続けていました。
小室瑛莉子アナが大切にした“会話を楽しむ”ということ
― では、今アナウンサーを目指している学生へアドバイスをお願いします。小室:私がアドバイスできることなんてもう全くないのですが(笑)、実践してよかったなと思うのはやはり楽しむということですね。私も本番では自分が何を言っているのかわからなくなるくらい緊張しましたが、その中でも「一つ前の質問上手く答えられなかったな」と落ち込むのではなく、次のことを考えて「次は上手く、楽しくできるように」というのを心がけていたのが結果的にはよかったのかもしれないです。
― 学生時代の経験が役に立ったことはありましたか?
小室:本当に話すことが好きだったので、いわゆる女子会で楽しく話していたあの時間を経験しておいてよかったなと思います。もちろんそれがアナウンサー試験に直接役に立ったのかはわからないですが、人前で話すことへの慣れや相手の話に共感する力というのは、大学時代の友人との会話で養われたのではないかなと思います(笑)。
― 逆に、振り返って「これをやっておけばよかった」と思ったことはありますか?
小室:やはり技術面を磨いておけばよかったです。入社する時に漢検は取得しますが、漢字以外にも独特の言い回しやことわざ、四字熟語などは話をまとめる上で使えたらかっこいいなと思います。そのようなちょっとした表現を学生時代に身に着けていたら、もっと今の自分の表現力や語彙力が上がっていただろうなと思います。今も勉強の毎日です。
小室瑛莉子アナ、積極的に先輩アナウンサーに質問
― 実際にアナウンサーとしての仕事を始めて1年経ちましたが、「フジテレビに入ってよかった」と感じたことはありますか?小室:ここまで毎日怒涛の日々を過ごさせていただいて、同じ1日はありませんでした。日々ハッピーなことからトラブルまで色々なことが起きて、つまらない日がないです!楽しい会社に入ったなと思います。
― 新卒としての1年目を振り返って挫折や失敗してしまった経験はありましたか?
小室:ありすぎます(笑)。1年を振り返るどころか、今日も反省ばかりでした。「ポップUP!」に出演してからここに来たのですが、スタッフが尺が押していると伝えてくれたにも関わらず、私は出演者の方と会話をして延ばしてしまったり…。制作側の意図をちゃんと汲めなかった、実行できなかったという悔しさが残っています。終わった後に山崎(夕貴 ※「崎」は正式には「たつさき」)アナに「あの時はどのような対応が正解だったのでしょうか?」と質問しました。毎日失敗してはその都度先輩に聞いてアドバイスをもらっています。
― ミスによって落ち込んでしまったり、引きずってしまったりすることはありますか?
小室:実は結構引きずっているんです(笑)。失敗してしまった時には「次はこうしよう」と箇条書きでメモしていて、本番が始まる前にそれを思い出すともう多すぎてショートしてしまうこともよくあります(笑)。なので、最近では欲張らずに1つずつ改善していくことを目標にしています。
小室瑛莉子アナの心に残る“格言”
― 悩んだ時には周りに相談されることが多いのでしょうか?小室:すぐに先輩に聞くタイプです。失敗してしまった時だけでなく、今日は問題なくできたかなと思った日でも先輩を捕まえて「今日はどうでしたか?」と聞きます。それで先輩からの指摘もなかったら、「今日やったものが1番いい方向性なんだな」と受け止めるようにしています。先輩にしかわからない改善点ももちろんあるので、その意見を受けて「次はこうしてみよう」と考えていく感じです。
― その中で特に印象に残っている言葉はありますか?
小室:私は特に間の取り方が苦手で、会話をしている中で間が生まれるのが怖いんです。私生活の中なら気にならない間でも、生放送の中では「何か話していないとダメだ」という意識があって。それを「ノンストップ!」の谷岡(慎一)アナに相談したところ、「間は怖がらなくていいよ。自分が思っているよりスタジオは上手く回っているし、間をそこまで気にしている人はいないから」と教えてもらいました。つい先週の話です(笑)。
また、内定者時代の研修で佐々木恭子アナから言われた「問題点を1つ見つける」というアドバイスも大切にしています。漠然と「ダメだった」というだけでは次にどうするべきかわからなくなってしまうので「見つけた問題点の中の何%かだけを改善する」というのを次の目標にすることを教えていただきました。確かに問題点をいくつも挙げていくより、1つをテーマとして直していく方が着実に良くなっていくのかなと感じたので、これもすごく印象深い言葉ですね。先輩の言葉はありがたすぎて全て格言に聞こえます(笑)。皆さんに助けてもらっています。
小室瑛莉子アナが今ぶつかっている壁
― 小室アナは「ポップUP!」のほかにも「もしもツアーズ」など、春から新たな担当番組が複数始まりましたが、約1ヶ月やってみていかがですか?小室:ようやく生活リズムがわかってきた感じです(笑)。毎日違う仕事に携わり、改善して次に挑もうとしても1週間後になってしまうので「早く次のOAを迎えたい!」と思うこともあります。ですが毎日違うことをやっている分、1週間があっという間に過ぎていくんです。
― 「ポップUP!」「もしもツアーズ」などを担当され始めて、アナウンサー以外のタレントさんとの共演も増えていますね。
小室:はい、やはりそこで先ほども話した間の話が出てきます。もう百戦錬磨の出演者の方々がいらっしゃるのに、私が間を怖がっていたら観ていて息の詰まる番組になってしまうと思うんです。無言ですら面白くしてくださる出演者の方々を信じて、会話のラリーをゆっくり繋げていきたいというのはどの番組を通じても思います。
― 今悩んでいることや、ぶつかっている壁はありますか?
小室:食リポが上手くできないことです。月曜は「ポップUP!」、火曜は「ノンストップ!」の中継先、水曜にはロケがあるので、何かを食べる機会がすごく多くて(笑)。ですが私の悪い癖で、目を大きく見開くなど顔で表現してしまうんです。そこにプラスで食リポをしようとしても、視聴者の方にとってはもう情報過多になってしまう。「これは観ていて落ち着かないだろうな」と思うので、それが最近の反省点です。
― 食リポで参考にしている人はいますか?
小室:「もしもツアーズ」の柳原可奈子さんは天才的です!とても美味しそうな表情を見せていらっしゃいますし、そこに的確な一言を入れていて。私は表情では美味しさを表現できても、単語ではなく文章で説明してしまうんです。また、ときどき「美味しいの!?」と思われる顔をしてしまっているらしく、それも悩みですね(笑)。なので、放送を観た家族やスタッフに美味しそうに見えているかを聞いて、食べたものの魅力を伝えられる表情や表現力を日々模索しています。
小室瑛莉子アナの“夢を叶える秘訣”
― 今後「自分のこういう個性を出していきたい」という一面があれば教えてください。小室:今も自由度の高い番組をたくさんやらせていただいているのですが、自分から個性を出しているというよりかは共演者の方に拾っていただいていると思います。それこそ表情がうるさいといじっていただいたり…(笑)。個性を出す場面は周りの方々にすでにいただいているので、今後はより皆さんに知っていただくためにどう自分を表現できるか考えていきたいです。
― 担当してみたい番組ジャンルはありますか?
小室:私は1年目の時にずっと「中継をやりたい」と先輩に伝えていて、今「ノンストップ!」で携わっているので、もうすでにやりたいことができています。
― 中継をやりたいと思ったのは何かきっかけがあったのでしょうか?
小室:1年目の時に多岐にわたるお仕事をする中で、中継の出来が自分の中で1番納得がいかなかったんです。なので、自分の技術力・アナウンサーとしての能力を高めたいという思いから「中継をやりたい」と言い続けていました。もちろんまだ上手くいかないことも多いですし毎回試行錯誤していますが、挑戦する機会にはなっているのかなと思います。
― 苦手だとやりたくないと感じてしまう方も多いと思うのですが、小室アナはストイックな一面をお持ちなのですね。
小室:私は結構自分を追い込むタイプです(笑)。できないことがあるのが嫌で、実は食リポももともと苦手だったのですが、結果的に3番組で食リポする機会をもらい「これは絶対に上手くならないと」と思いました。中継も毎週チャレンジする機会をもらい、向き合わざるを得ない状況を作れたのは自分のためになっているなと感じます。「ここで成長しなきゃ後はないぞ」という思いで毎回取り組んでいます。
― では、小室アナが思う“夢を叶える秘訣”を教えてください。
小室:「勇気」としか言いようがないです。アナウンサー試験も、苦手な中継をやりたいと言ったことも、私の中では「アナウンサーとして大きくなりたい」という夢に向かっての1歩であると思っていて。大学時代は自分の苦手なことやアナウンサーになる夢を大きな声では言うことができなかったのですが、それを周りに言って自分を追い込むことが結果的に夢に繋がりました。言った時は本当に叶うとは思っていなかったので、それはラッキーなことだなと思いますし、支えてくださる周りの方々に感謝です。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
小室アナのとあるスケジュール
7:30 起床出社し、制作&出演者打ち合わせ
11:45~14:45 「ポップUP!」本番
16:00~18:00 「もしもツアーズ」打ち合わせ
18:00~19:00 衣装合わせ
19:00~20:15 「ノンストップ!」ロケ
小室瑛莉子(こむろ・えりこ)プロフィール
生年月日:1999年3月2日/出身地:神奈川県/出身大学:青山学院大学/血液型:A型/入社年:2021年
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