町田啓太、リスキーな企画に挑んだ理由 自分の人生を切り取って物語にするなら?<「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」インタビュー>
2022.01.05 00:00
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水ドラ25「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」(テレビ東京ほか 毎週水曜深夜1時/ドキュメンタリー:1月5日、ドラマ:2月2日スタート)に出演する俳優の町田啓太(まちだ・けいた/31)が、モデルプレスらのインタビューに応じ、選考委員長として実写化までに携わった時のエピソードを語った。<前編>
水ドラ25「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」
同作は、テレビ東京と電子コミック配信サービス「めちゃコミック」が開催した漫画化とドラマ化の作品を同時に選ぶ合同プロジェクト。漫画家をコンテストで募集し、大賞作品を「めちゃコミック」で連載、テレビ東京でドラマ化。さらに、コンテストで選ばれた大賞作品を2月2日からドラマ放送する。町田啓太、喜びと責任感が芽生えた企画
― 「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」はどのような企画になるのでしょうか?町田:「僕を主人公に漫画を書いてください」と呼びかけて、クリエイターの方々に募集をかけ、その中で選ばれた大賞作をドラマ化して実際に僕がその主人公を演じさせていただくという企画です。リスキーですが、魅力的で心惹かれました。
― どういうところがリスキーだと思われたのでしょうか?
町田:まず募集をかけて誰も手を挙げなかったらどうしようというのがありました。描いていただかないと何も進まない、描いていただくことが前提の企画でもあるので。本当にドキドキしながらリスクやドラマ化できるのかを考えていましたね。リスクと言うには大袈裟かもしれないですが…。誰も参加する方がいなかったら、僕が描くしかないかなと思うこともありました。
― 始めからそれだけ挑戦的な企画という意識があったということですよね。
町田:普通の企画だとなかなか味わえないようなすごいものになる、想像していなかったことになり得る広がりがあるのだろうなと思っていました。
― まさに今、手応えを味わっていると思うのですが、いかがですか?
町田:びっくりするぐらい魅力的なクリエイターさんたちが集まって、本当に素敵な感性を全面に漫画に投影して下さっていたので、選ぶのが本当に大変で。それは喜びであり、その分の責任感もすごく芽生えました。毎回毎回全力でぶつかって下さる方々を目の前にして、僕もドラマで演じるにあたって頑張らないといけないという気持ちで思いは高まっていきました。
町田啓太、原作選びは「心が動くかどうか」
― 原作選びで1番悩んだ部分、難しいと思った場面はどこでしょうか?町田:やはり、順位をつけることが僕の中ではかなり心苦しさがありました。順位をつけるというより、応募があった作品の中からみんなで作り上げる作品を選ばせてもらう作業は本当に毎回大変でしたね。僕はオーディションを受けた経験がたくさんありますが、決まらなかった時は何がダメだったのか、合格を貰えた時は何が出来たのかと色々考えてしまうので、しっかり選ぼうという気持ちでした。
僕をイメージして描かれた漫画でも、僕だけに気を遣ってくれているような感じの作品は嫌だったので、作家さんがどんな方でどんな作品が好きなのか、どういう作品を描きたいのか知りたい、知っていかないといけないという思いが途中から強まっていきました。
難しかった場面は、作家さんや選考の話し合いをする際に、いかに気を遣わせずに「こういうものがいいです」というのを言いながらお互いに意見交換してクリエイティブする作業です。僕が何か作品を作ってと言われた立場だったら、気を遣いすぎて自分自身のやりたいことや見せたいものを投影できなくなってしまうともったいないなと思ってしまうので、僕の意見だけじゃなく、お互いに思っていることを言い合える関係性で、ものづくりを一緒にしたいという気持ちがありました。
― 選考を進めていく中で注目した部分や、自分の中で選考の基準や軸にした部分はありますか?
町田:選ぶ側の立場が初めてということもあって、専門知識もない中で、1番気をつけていたのは周りの方々の意見も色々と聞きながら進めることです。自分以外の人はどんな感想を持ったのか、作家性や物語性をたくさん質問するようにして、そこから自分が「心惹かれるな」とか「面白いな」と思う気持ちを大事にしました。あとは、素直に心が動くかどうかを大事にしていこうというのはすごく思っていました。
― ご自身で漫画を読む時も、心が動くというところを大事にされているのでしょうか。
町田:そんな大それたことではないですが、言語化すると心が動くという意味です。単純に、やはりこれ面白そうだなと思ったら手に取って、なんか気になるなと思ったら読みます。
自分が「読みたいな」「面白いな」と思う気持ちを1番大事にしないといけないなと思いました。あとは、色々なことにアンテナをしっかり張ることはすごく意識していて。それは、専門知識がないので、質問や対話を通して、作家さんの意図を汲み取り、気づけるようにしておかないといけないなと思ったからです。
― 町田さん自身も漫画に影響を受けていたということですが、どのような作品にどう影響を受けてきたのでしょうか?
町田:ジャンル問わずです。時代劇系の漫画が好きになって、剣道始めてみたり。スポーツ漫画で良いなと思ったらそのスポーツをやったこともありましたし、やってみたいなとも思います。わかりやすい職業とかスポーツという以外でも、メンタル面でもかなり色々な刺激や影響を受けてきたなと思いますね。
イチ漫画ファンとして、今回こういう企画に参加できるのは本当に光栄で、ありがたいなと。僕を元に漫画を描いてもらえるなんて本当に夢のようだなと思いました。
町田啓太、俳優として関わるものづくり
― 今回のようにものづくりの最初の段階から関わることで、俳優としての考え方や価値観が変化した部分はありますか?町田:細かいことから大きいことまでたくさんあります。企画の段階から作品作りに関わってみたいと思っていた時に、声をかけていただきまして、本当にラッキーだなと思いました。楽しさと新たな発見がたくさんあって、自分の出演作品に携われるのは本当に嬉しい。ものづくりってすごく大変だけど、皆で意見を出し合った分の喜びを味わえて、本当に幸せだなと改めて思えるような時間を今、過ごさせていただいています。
人によると思いますが、俳優はある程度出来ているところに参加させてもらうので、僕はすごく受け身だなと思っています。企画や台本が出来上がっているところにオファーしていただいたりとか呼んでいただいたりという職業なので、その過程を踏めているというのがすごく勉強になっていますね。
― 「僕を主人公にした漫画を書いてください!」というタイトルにちなんで、もし自分の人生の中のどこかを切り取って物語を書くとしたらどこを切り取って書きたいですか?
町田:難しい質問ですね…。そんなにドラマにできるような面白いことが全然ない人生ですが、ドラマにするとしたら…学生時代の話。寮生活や専門系の高校に通っていた頃や上京してきてからの大学生活ではダンスもやっていたので、その辺りかなと思います。でも、だいぶ脚色を入れないと面白くならないかな(笑)。
★後日、ドラマパートでの役作りや撮影エピソードに迫ったインタビュー後編も配信予定。
(modelpress編集部)
町田啓太(まちだ・けいた)プロフィール
1990年7月4日生まれ。2010年「第3回劇団EXILEオーディション」に合格し、同年12月、舞台「ろくでなしBLUES」で俳優デビュー。2014年放送のNHK連続テレビ小説「花子とアン」で注目を浴び、近年は木ドラ25「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京/2020年)、「今際の国のアリス」(Netflix配信/2020年)、ドラマ特区「西荻窪 三ツ星洋酒堂」(MBS/2021年)、大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合/2021年)、木曜ドラマ「SUPER RICH」(フジテレビ系/2021年)などに出演。2022年は、映画「チェリまほ THE MOVIE〜30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい〜」(4月8日公開)の公開が控えている。
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