星野源(提供写真)

<星野源「不思議」インタビュー>ラブソングに“150%”の自信「他人だからこそ起こる何かは、愛であり不思議」

2021.04.29 08:00

星野源が、TBS系火曜ドラマ「着飾る恋には理由があって」(毎週火曜よる10時~)の主題歌となる新曲「不思議」を4月27日にリリース。今回モデルプレスでは、星野にインタビューを実施。曲に込めた思いやラブソングへの思いなどを聞いた。

  
「着飾る恋には理由があって」は、主人公の真柴くるみを川口春奈、同居人でミニマリストの料理人・藤野駿を横浜流星が演じるラブストーリー。きれいに着飾ることで自分の居場所を得ていたヒロインが価値観の違う人々と1つ屋根の下で暮らしながら恋をしたり友情を深めたりする中で、“着飾る”という鎧を脱ぎ捨て自分らしく生きる姿が描かれる。

ドラマをプロデュースしたのは、星野が主演を務めた「MIU404」をはじめ、「わたし、定時で帰ります。」「アンナチュラル」などで知られる新井順子。彼女と多くの作品でタッグを組んだ塚原あゆ子が演出を手がけ、脚本は昨年放送されたドラマ「恋はつづくよどこまでも」を手がけた金子ありさが担当する。

音楽家・俳優・文筆家と幅広く活動する星野だが、本作のプロデューサー・新井と監督・塚原とは、昨年2020年に放送されたドラマ「MIU404」でタッグを組んだ。今回は俳優としてではなく、アーティストとしてタッグを組む。また星野がドラマ主題歌を担当するのはNHK連続テレビ小説「半分、青い。」以来3年ぶり、さらにTBSでは、自身も出演し大ヒットを記録した「逃げるは恥だが役に立つ」以来5年ぶり。ドラマのスタートまで楽曲タイトルを含む詳細は明かされず、初回放送とともに初解禁となり、SNS上で反響を呼んだ。

星野源、新井順子プロデューサー&塚原あゆ子監督との再タッグに感激

星野源「不思議」(提供写真)
― 初回放送で主題歌が初解禁され、ラジオでも感想などをお話ししていましたが、改めてドラマと主題歌が融合しているのを観ていかがでしたか?

星野:ドラマの映像を観ずに曲を制作していたので、ドキドキしながら観ていたのですが、その世界の中でとても素敵に響いていて嬉しかったです。終盤で流れてから一旦なくなって、また最後に流れて…という曲の使い方もこれまであまり見たことがなく、想像していなかったのですごく面白いなと思いました。塚原さんから「あそこで曲をかけたいんですけど、いいですか?」と事前に連絡が来て、「もちろんです!是非」と返しました。「東京ラブストーリー」を彷彿とさせるような感じがして、「ラブストーリーのドラマだ!」と思いました(笑)

― 火曜ドラマでの主題歌は、「逃げるは恥だが役に立つ」以来5年ぶりとなります。前回はご自身もドラマに出演しながらの主題歌でしたが、今回はアーティストとして主題歌での参加ということで、5年ぶりに火曜ドラマ帰ってきていかがですか?

星野:とても信頼している新井さんと塚原さんとのお仕事だったので、またご一緒できることが嬉しかったです。新井さんも塚原さんも、ラブコメディのような作品はあまり作ったことがないと言っていて、じゃあ自分もそこでしっかりストーリーと向き合って、自分にとってのラブソングとして「愛」や「恋」を音楽で表現したいと思いました。

― ドラマで主題歌が初解禁されるのは事前に告知していましたが、放送後は「不思議」など関連ワードがTwitterでトレンド入りするほどの反響でした。星野さんはその反響をどう感じていますか?

星野:反響が大きくてとても嬉しかったです。「創造」という曲から自分がやりたいことがより明確にできるようになって、今まで音楽に込めていた熱量が100%だとすると、今は1曲に150%くらい詰めているイメージなんです。それは聴く側としては気づかなくて良いものなのですが、自分の中では今、「もっとやりたい」「1曲1曲を大事に作っていきたい」という思いが過剰にあって、そういう曲がドラマの主題歌として流れて反響があるということは初めてなので新鮮な気持ちです。今回は音や歌詞など、曲自体に対する反響が爆発的にあったので嬉しかったです。

― 星野さんの曲は、陽だまりのようなあたたかいイメージがあり、お天気の良い日に聴きたくなるのですが、「不思議」に関しては、悩んだり落ち込んだりしている時にも聴きたくなるような曲だなと感じました。星野さん自身は、「不思議」をどういう時に聴いてほしいですか?

星野:ドラマの1話が涙するシーンだったのですが、今後はキスシーンでも曲がかかると思い、涙にもキスにも合うように作りたいと思いました。ドラマの放送終盤は梅雨になっていくので、そこにバッチリはまるように、少し湿ったような印象の曲にしたかったんです。アナログシンセサイザーの音を作って、イントロに入ると光が見えるように、わかりやすく言うとお天気雨みたいな感じがいいなと思いました。聴き手によって着地するポイントは違っていいと思っていて、晴れでも雨でも合うような、そんな曲を目指して作りました。

星野源「どうしても照れがある」ラブソングへの思いとは

― “ラブソングを書く”ということをテーマに置きながら書くことはやはり難しいのでしょうか。

星野:どうしても照れがあります(笑)。僕の1stシングル「くだらないの中に」は自分にとってラブソングではあったのですが、その時もすごく照れながら作っていた記憶があります。

― 自分の心の中を覗かれているような感覚になりそうですね。

星野:あと、実話だと思われても困るというか…(笑)。自分の経験談を書いているわけではなく、自分にとっての「愛」とか「恋」とか、「人を好きになるということ」を音楽で表現して、向き合ったものにしたいという思いで作りました。

― ドラマの舞台はシェアハウスで、“うちキュン”をテーマに描かれています。星野さんのInstagramでは「ラブソングということでキュンを目指していたら、ギュンって感じになりました」と書かれていましたが、キュンを通り越したということなのでしょうか。

星野:そうですね。1話では涙のシーンで曲が流れることが決まっていたので、先程話したように、涙やキスにも合うような曲を作りたいと思って熱中して曲を書いていたら、何か胸を“ギュン”と掴まれるような曲になりました。

星野源、タイトル「不思議」に込めた思い明かす

― 「不思議」というタイトルは、価値観の違う人に惹かれていく…という意味での“不思議”と解釈したのですが、星野さんがタイトルに込めた思いをお聞かせください。

星野:人は何にキュンとするんだろうとすごく考えたのですが、ラブストーリーはそもそも違う人間同士が心を通わせたり通わせなかったりするだけの話で、同じ気持ちの人がいるのではなくて、違う気持ちでいるから、通じ合った瞬間にキュンとするんだろうなと思いました。他人だからこそ起こる何か、みたいなものは、愛であり、不思議だなと思います。

― 思いをそのままタイトルに込めたんですね。それは最初に思いついたのでしょうか。

星野:曲を真ん中くらいまで作って、歌詞を書いていく中で「不思議」というタイトルがいいな、と決めました。たとえば、好きな人がいたとして「どういうところが好きなの?」と聞かれた時、ほとんど答えられないんです。一生懸命言語化すれば答えられるんですけど。愛も恋も目には見えないけど、この感情は確実にあって、でも絶対一言では言葉にできないのが「不思議」だなと。

― 星野さんの曲は、今回の「不思議」もそうですが、「恋」や「創造」など、タイトルが一言だからこそ聴き手側としてはいろいろな捉え方や受け止め方ができる曲が多く、いろいろな方にメッセージ性のある曲だなと感じています。

星野:ありがとうございます。2ndアルバムくらいの時にもそうだったのですが、自分の中で漢字のタイトルがまたブームになってきているんです。ほかに「不思議」という曲が存在していなかったということもあるし、「不思議」はもともと「不可思議」という言葉なのですが、意味としては同じでも「不思議」と「不可思議」ではイメージが全然違うと思うし、「不思議」という言葉の中にしかないようなムードみたいなものが、曲にも合うような気がしました。

星野源、TikTokを開設した理由


― 先日TikTokを開設し、今回の楽曲制作の裏側を投稿し話題を集めていますが、どういう経緯で開設したのでしょうか。

星野:音楽チームに20代の若いスタッフの子たちがいて、その子たちと話すのが好きなのですが、その子たちが「TikTokをやりましょう!」と言ったので、「じゃあ、やりましょう!」となりました(笑)。自分で投稿しているSNSはInstagramとWeiboだけで、Weiboはスタッフが更新している時もあるのですが、TikTokに関しては主観ではなく客観で裏側を見せて、若いチームのクリエイト力が発散できるような、やりたいことをやれる場所ができたらなと思っています。ニセ明という人がいるのですが、ニセさんはTikTok向きだと思っているので、最終的にニセさんを出すというのが目標です(笑)

― 楽しみです(笑)。開設後の反響はいかがですか?

星野:コメントを読んだのですが、みんな喜んでくれていて良かったです。TikTokではみんながやっているようなことをやりたいわけではないので、自分たちのペースでやれたらいいなと思います。でも、急にやるかもしれないですけどね。「キュンです!」とか(笑)

― 期待しています!最後に「不思議」を聴いてくださるファンの方へメッセージをお願いします。

星野:ドラマを観ている人も観ていない人にも聴いていただきたいなと思っています。「創造」もすごく気に入っていたのですが、今回の「不思議」は自分でも今までにないくらい聴いていて、すごく好きで、やりたいことがバッチリ150%やれたと感じているので、ぜひ聴いてほしいし、この曲の中に聴いてくれる方それぞれの景色があるといいなと思っています。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

星野源(ほしの・げん)プロフィール

1981年1月28日生まれ、埼玉県出身。2010年に1stアルバム「ばかのうた」にてソロデビュー。2016年10月にリリースしたシングル「恋」は、自身も出演したドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系/2016年)の主題歌となり、「恋ダンス」が社会現象となった。2018年12月には5thアルバム「POP VIRUS」をリリース。2019年2月からは5大ドームツアー「星野源 DOME TOUR 2019 『POP VIRUS』」を開催し、計33万人を動員。2019年11月からはワールドツアーも開催した。2020年には、コロナ禍で「うちで踊ろう」を生み出し、外出自粛期間のSNSミームとなった。

俳優としては、映画「箱入り息子の恋」(2013年)、「地獄でなぜ悪い」(2013年)に出演し、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後も映画「引っ越し大名!」(2019年)、「罪の声」(2020年)、大河ドラマ「真田丸」(NHK総合/2016年)、ドラマ「コウノドリ」シリーズ(TBS系/2015年・2017年)、「MIU404」(TBS系/2020年)など、数々の話題作に出演している。

作家としては、著書「そして生活はつづく」、「働く男」、「蘇える変態」、「いのちの車窓から」などを刊行。2016年3月からは、ラジオ番組「星野源のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)でパーソナリティも務めるなど、多彩に活躍中。
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