欅坂46、改名への心境「嬉しいことも苦しいこともいつか終わりが来る」ファンに伝えたかったことは?<インタビュー>
2020.09.01 19:00
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欅坂46初のドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46」(9月4日公開)。5年間の活動に幕を閉じ、改名を発表した欅坂46。“大きな決断”をした彼女たちの本音とは──メンバーの小林由依、菅井友香、渡邉理佐がモデルプレスなどのインタビューに応じた。
欅坂46の初ドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46」
2020年7月16日に開催された無観客配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online,but with YOU!」で最高のパフォーマンスを魅せながら、突如5年間の活動に幕を閉じ、改名し再スタートすることを発表した欅坂46。3月に一度は完成した映画本編だったが、公開延期を受け、急遽活動自粛を余儀なくされていたメンバーへリモートによる取材、そして“新章”への第1歩と思われた配信ライブにも同行。ライブから数日経った7月下旬に改めてドキュメンタリーのカメラが彼女たちを捉え、“いま”の心境を率直に語った、まさにデビューから最新の姿まで、5年間の集大成とも言うべき究極のドキュメンタリー映画が完成した。
完成した映画を振り返り、インタビューで彼女たちが語った“大きな決断”で見えたものや今後のグループの未来…率直な思いとは。改名発表後、モデルプレスは改めて話しを聞いた。
欅坂46が改名発表、メンバーの心境は?
― 改名が決定したときの心境をお聞かせください。菅井:最初は「あ、そんなことあるんだ」という衝撃があったのですが、スタッフさんやメンバーと話し合っていくうちに、だんだんと改名という選択もグループの未来のためには良いものなんじゃないかと思えるようになりました。
ファンの皆さんにお伝えする時も、事前にすごく考えていたのですが、やはり話してると気持ちがこみ上げてきてしまう瞬間があって…。欅坂46としての5年間は大切なものだし、グループへの誇りや思いが改めてすごく強かったんだなと思いました。
今は大好きだったものをあえて手放して、次のステージへの可能性にかけたいなという、楽しみな思いがすごくあります。
小林:最初改名することを聞いた時は、それが良いことなのかというのも自分でわからなかったし、これからどうなっていくのかというビジョンが全く浮かんで来なくて、不安がすごくありました。気持ちを切り替えようと頑張っていたのですが、配信ライブのリハーサルをしている時に、ふと「あ、やっぱり寂しいな」と思う瞬間もありました。
でも、このメンバーで一緒にこれからも続けていきたいという思いがすごくあったので、違う場所でまた一から創り上げていく時にその強い思いを発揮して、またみなさんに興味を持ってもらえるようなグループになっていければ良いなという思いになりました。
渡邉:私は、改名をせずに欅坂46としてこれからもやって行く方法も考えました。でも、改名をすることによって良いこともたくさんあるという希望があるのもわかっていたので、今はすごく前向きというか、楽しみな気持ちです。
改名することはこれまでの欅坂46を捨てるわけではないし、悪いことでもないので、そこは応援してくださるみなさんにも誤解して欲しくないと気持ちがあります。このメンバーとだったら、名前が変わったとしても、もっともっとできることがあるとすごく強く思っているので、これからが楽しみだなという気持ちです。
― 今のメンバーが揃って前に進むことが、みなさんにとって最優先でしたか?
菅井:そうですね。グループの未来を考えた時に、1期生の意見や気持ちだけで選択肢を狭めてしまうのも違うと考えて、悩ましい連鎖を断ち切るためにも、改名という決断はすごく良い選択肢なんじゃないかなと思えたのが大きかったです。“楽しい未来”を、応援してくださっているみなさんと一緒に作っていきたいなとも思っています。
改名発表時、ファンに伝えたかったこと
― 配信ライブで改名を発表する際、ファンのみなさんにどのような言葉で伝えようと事前に考えていましたか?菅井:やっぱりグループの大きな決断なので、伝え方にはすごく責任を感じていました。あくまでもこの決断は、グループが前に進むためであって、決して悲観的なものではないんだということを、どうしたら伝えられるかと考えていました。配信なので、ファンのみなさんのリアクションが見えなくて一方的にはなってしまうので、そこの難しさもあったのですが、ポジティブに伝えるということを意識しました。
― その後にパフォーマンスをしましたが、どういう気持ちでしたか?
菅井:「誰がその鐘を鳴らすのか?」は、1人ひとりの底力や、今の私たちの力を見て欲しいなという思いを込めているので、配信ライブの時は、全員の可能性を見て欲しいという思いで踊っていました。
― 菅井さんの発表を聞きながらどう感じていましたか?
小林:あの時は、良い意味で“無”でした。私は菅井の話を聞きながら、その後にパフォーマンスする曲が、もっと響いて欲しいなという思いで、ただただ前を見ていました。リハーサルの時は、「本番泣いちゃいそうだな」と思っていたのですが、今改名を聞いたファンの方はどういう思いで次の曲を聞けば良いんだろうと思っていると思うので、その思いを忘れるくらい、曲のパフォーマンスに集中して欲しいなという気持ちで、精一杯やっていたと思います。
渡邉:私も、菅井の話を聞いている時はどちらかというと、もちろん良い意味で“無”に近いような感覚でした。悲しいとか寂しいという感情よりも、「やるしかない」という決意や前向きな気持ちの方が大きかったです。「誰がその鐘を鳴らすのか?」は、配信ライブで披露する以前にも、CMなどで「この曲は何だろう?」ときっとファンの方も気にしてくださっていたと思うので、その楽曲をしっかりと届けることに全力で集中していました。
欅坂46“最後のメッセージ”「誰がその鐘を鳴らすのか?」への思い
― 欅坂46のラストシングルとなる「誰がその鐘を鳴らすのか?」のリリースが決定してからと、改名が決まってから、それぞれ楽曲への印象は変わりましたか?菅井:元々あった曲ではあったのですが、改めて、新2期生も含めてみんなで歌うことによって、歌詞を真っ直ぐに受け止められているように思います。「今の私たちの曲だな」とすごく思える瞬間があります。
― 「誰がその鐘を鳴らすのか?」は小林さんのセリフから始まりますね。“センターが不在”というのも印象的です。
小林:私の個人的な曲の解釈なのですが、「誰がその鐘を鳴らすのか?」という問いかけに対して、誰か1人が鐘を鳴らすという役割をするのではなく、自分の中にある“自分の鐘”を自ら鳴らすという部分も持っている曲だし、いろいろと考え過ぎてしまうことによって聞こえてなかった本当の気持ちや前を向く原料を見つけて欲しいという意味もある曲だと思うんです。なので、それぞれが自分と闘っていて良い曲だと思うし、そういう部分でいろんなメンバーが中心の位置に来ることで、より歌詞の意味が伝わるのではないかと思います。
― パフォーマンスをする上でも思いは変わりましたか?
渡邉:そうですね。欅坂46というグループは、これまでも楽曲の内容や歌詞を届けるということを重視してパフォーマンスをして来たので、歌詞の伝えたいことは、見てくださっている方に届けたいという気持ちでパフォーマンスをしています。楽曲の最後に、手で三角を作る“欅のマーク”を胸にしまう振り付けがあるのですが、“欅坂46”を捨てるのではなく、それを一旦置いてまた新しく前に進むという意味も込められている振り付けなのかなと思うので、新しくスタートする瞬間を届けられたら良いなと思ってパフォーマンスをしています。
“大きな決断”で見えたものは?
― 配信ライブでも「この2年は特に出口の見えないトンネルを彷徨っていた状態だった」「グループの名前が1人歩きして、耳を塞ぎたくなるようなことに悩まされたこともあった」とも言っていたように、映画の中でもこれまでの葛藤が多く描かれていたと思います。その時期を振り返って、大きな決断をした今、出口や光は見えましたか?菅井:大きな決断をしたことで、1歩進めたなと思っています。今まではメンバーそれぞれが繊細だったり、いろんな言葉を受け止めすぎちゃっていたり、影響されちゃっていたりする部分もあったのかなと思うのですが、これからは、グループの価値基準というのをもっと自分たちに対して持っていきたいなと思います。未来に対する楽しみの方が大きいので、前よりも“出口”は見えているなと感じています。
― 1つのことに対する考え方や捉え方が根本から変わったのですね。
菅井:個人的にも、すごく複雑に考えすぎちゃっていたな…と。もっと「こうしたいから、こうしよう」とシンプルに考えた方が、グループも良くなるんじゃないかなと思っています。
小林:「出口が見えない」という部分に関しては、改名を発表したことによって、ファンの方も同じことを感じてしまっているのではないかなと思っています。なので、私たちが光を探すというより、ファンの方と一緒に歩んでいけるような道を私たちが作っていくということを、これから活動するにあたって考えていきたいです。
― 今までもファンの方と一緒に歩むというのは考えてきたと思いますが、改めてそう思えた理由はありますか?
小林:活動の裏で起こっていたことは、ファンの方が知らなかった部分で、この映画で初めて知ることも多くあると思うので、それを知った上で、また私たちのこれからを見ていて欲しいなというのも、私の願いです。そう思ってもらえるくらいの活動をしていきたいなと思ったことが理由だと思います。
渡邉:私は、今までの活動を通して、考えなくても良いような部分も深く考えてしまうことがあったなと思います。だから、換気できていない部屋の中で、空気がこもったままその中で活動していたような感覚があったのですが、この配信ライブを通して、光というか、空気が入れ替わったような感覚を感じました。今はこれからがすごく楽しみだなという気持ちです。
ドキュメンタリー映画延期への本音
― 昨今の状況で、ドキュメンタリー映画の公開が約半年遅れてしまいましたが、その間どんな気持ちでしたか?映画の公開を待っていたファンの方に対する思いを教えてください。菅井:世界的な状況もあって、私たちだけではなく、いろんな方が影響を受けていると思うので、楽しみにしてくださっている方には、待たせてしまった分、より楽しみにしていて欲しいなという思いがあります。グループの状況も変化しましたが、その状況も映画に収めていただいているので、映画もより濃いものになっていますし、この映画を見ることで、より先の私たちを感じてもらえると思います。
小林:もし4月に公開されていたら、そこから新たにできた活動もあったのかなと思うこともありましたが、改名を発表したことも含めて映画にしていただいたので、そこをファンの方にちゃんと知っていただいて、また新たな道を進むということもできることになったなと思います。考える時間も与えていただいて、前を向いて頑張っていける材料になるんじゃないかなと思いました。ファンの方にはすごくお待たせしてしまっていたので、これからファンの方の期待に応えられるくらい、目まぐるしい活動ができれば良いなと思っています。
渡邉:今年に入ってから、なかなか私たちに動きが無い状態の中での4月公開予定の映画だったということで、すごく楽しみに待ってくださっている方も多かったんじゃないかなと思うのですが、こんな状況になってしまったので、延期せざるを得なかったのは悲しかったです。でも、配信ライブの映像なども今回の映画に入れていただいていて、私たちの初期の頃から改名をする瞬間までの映像がこの映画に詰まっているので、その一瞬、一瞬を楽しんで見ていただけたら嬉しいなと思います。
今後のグループの未来は
― この映画は欅坂46にとっての最初で最後のドキュメンタリーですが、改めて欅坂46に対する思いや新たなグループ名、活動への思いを教えてください。菅井:欅坂46で活動した時間というのは、すべて本当に大切な出来事だったのですが、今回の改名にあたって、嬉しいことも苦しいこともいつか終わりが来るというのはこういうことなんだなと感じました。どういう状況であれ、この一瞬を本当に大切にしようと思えるきっかけでもあったので、すべてが大事だったなと改めて思います。
10月で欅坂46は終わりを迎えますが、やっぱりもっとたくさんの方に曲を届けたいし、欅坂46を知ってもらいたいという気持ちは変わらないので、この期間を大切に過ごせたら良いなと思ってます。
新しいグループになっても、1人ひとりが夢を持てるグループになれたら良いなと思いますし、私たちに関わってくださるみなさんが、1秒でも多く笑顔でいる時間が過ごせるように、信じた道を全力で、でも丁寧に歩んでいきたいです。
小林:欅坂46というグループは、自分自身を作る上で大切な材料で、自分のカラダの一部というか、自分を育ててくれた場所でした。そこで育った自分というのはこれからも変わらないし、そこから新しく進む道でも自分自身は変わらないので、次の新しい道でもちゃんとその経験を活かして頑張っていきたいと思います。
1人ひとりがすごく全員大切なメンバーなので、これからは1人ひとりが自分の持っている力を発揮できるような場所になったら良いし、そのメンバーが集まったときの一体感を出せるグループになったら良いなと思っています。
渡邉:本当にいろいろなことがありましたが、ここに居なかったら経験できなかったことが本当にたくさんあるので、それが経験できたことを本当に感謝しています。
このグループの一員として存在できたことがすごく嬉しいですし、これから新しくなっていく上で1人ひとりがそれぞれもっともっと強くなれると思うので、自ら何かを掴みに行けるように活動できたら良いなと思います。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
小林由依(こばやし・ゆい/20)プロフィール
生年月日:1999年10月23日/出身:埼玉県/身長:161cm/星座:てんびん座/血液型:A型菅井友香(すがい・ゆうか/24)プロフィール
生年月日:1995年11月29日/出身:東京都/身長:165cm/星座:いて座/血液型:AB型渡邉理佐(わたなべ・りさ/22)プロフィール
生年月日:1998年7月27日/出身:茨城県/身長:167cm/星座:しし座/血液型:O型
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