草なぎ剛が語る家族からの言葉 「僕自身の親孝行」両親への思い<台風家族 インタビュー>
2019.09.07 08:00
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草なぎ剛(45)が主演を務める映画『台風家族』が、一時公開延期を乗り越え、9月6日より3週間限定で全国上映を迎えた。市井昌秀監督が“両親への想い”を形にした本作。そこには、草なぎ自身の、両親に向けた“心の叫び”も投影されている。「僕自身の親孝行になった」という本作について、そして家族への思いについて話を聞いた。
市井監督が12年間の構想を経て、自身のオリジナル脚本によって映像化。銀行で2000万円を強盗したまま姿を消してしまった両親の“見せかけの”葬儀を行うために、10年ぶりに集まった世界一“クズ”な一家の、愛おしくも、めまぐるしい夏の一日の物語を描く。
草なぎ:監督は一瞬一瞬が真面目で全てにおいて真剣に向き合う方なんですが、僕は良い意味でラフ、悪い意味で不真面目(笑)。真面目な現場は緊張してしまうタイプで、最近は台本も読まずに現場に行くような感じなんです。だから最初は「監督はどうしてそこまで真面目にやるんだ」と思っていたんですけど、だんだん監督の熱意が僕の中に浸透していって、いろんな意味で引き出されました。そんな監督の姿がみんなを巻き込んでいって、それこそ、“台風の目”のようだった。…上手いですね、今のコメント(笑)。監督は本当に“台風の目”でしたね。
― 監督によって引き出された部分が大きかった?
草なぎ:自分自身が見たこともない表情を引き出されていました。僕も「新しい地図」という新しい環境になってから初めての(単独)主演映画だったので、どこか無意識で頑張ろうという気持ちがあったせいか、力が入りすぎた部分もあった。だけどそれを監督が上手くコントロールしてくれたので、新たな僕の表情が映し出されていると思います。
草なぎ:僕は基本的にクズですよね(笑)。たとえば家にいる愛犬のクルミちゃんに会いたくて、すぐ帰りたくなっちゃう。最近はファンの方にも「剛君、仕事中にクルミちゃんのことばっかり考えてるよね」とお叱りを受けるくらい(笑)。でも事実だからしょうがないわけであって…。そこがまずクズですよね。だけどお仕事は本当に好きですし、やるときはちゃんとやるんです(笑)。それから、「剛君は監督の意見を聞いて、ちゃんとそれに沿った芝居をしてとても真面目だ」と思われているんだけど、早く帰りたくて真面目に監督の意見を聞いているところもあったり。根っからのヤバいやつというか、そう、そう。結構ヤバいよね。(笑)
― そうなんですね(笑)。
草なぎ:あとは冷房の効いているところが苦手なんですけど、うちの慎吾ちゃんはすごく冷房好きで。僕が冷房を消しているのにすぐつけるわけですよ。でも僕がつけると「冷房嫌いなのになんでつけてるんだ?」と思われるので、その瞬間を見られるのがすごく嫌ですね(笑)。そうなると憂鬱になって帰りたくなっちゃう(笑)。
草なぎ:僕も父ちゃんと母ちゃんがいい年齢になってきて、会う度に「ああ、年をとったな」と感じるんです。まさしく今そういう時期。なので僕のリアルタイムでの心の叫びみたいなだなと感じるシーンもありました。そんな意味も込めて演じたところがあるので、この映画が少しの親孝行になったらなと。
役柄的には、「うちの剛は前も任侠ヘルパーで怖い感じをやって、今回もクズな役なの」と思っているかもしれないんですけど(笑)、この作品にはホロッとするメッセージも詰まっています。父ちゃんと母ちゃんが育ててくれた息子が、今こういう演技をしているんだよ、というのは僕自身の親孝行なのかなと思います。
― 出演作についてご両親とお話しされることもあるんですか?
草なぎ:気にしていないふりをしてちょっと気にしているっていう感じかな。若い頃からこの世界にいるので、2人とも作品に出ることにちょっと慣れてしまっているんじゃないのかなと思うと少し腹が立つんですけどね、僕的には(笑)。いろんな俳優さんがいる中で息子が頑張っているわけですから、たまには赤飯を炊いてくれってなわけですよ、実家に帰ったらさ(笑)。舞台とかも必ず観に来てくれるというわけではないんですけど、今回は公開延期になったりしたこともあって気にしてくれているみたい。今回は観に行くって言ってくれていました。
草なぎ:もちろんです。新しい環境になってからの2人の映画も僕は映画館へ観に行っていますよ。もちろんこれまでも彼らの作品は好きで素晴らしかったですけど、また違うステージに立って、より重みがあって色の濃い作品に出演しているなと思っています。その中で2人が表現者として成熟して立っていて、めちゃくちゃ感動したんですよ。
そして次は僕の番。僕はしっかり劇場で観ているので、2人にも映画館で観てもらいたいですね。舞台も僕は観に行っているのに2人は来なかったりするんですよ(笑)。京都の舞台のときは京都観光があるから来てくれたみたいだったし。そっちがメインかよって。そういうところがいけないよね、2人は(笑)。
草なぎ:やっぱりクルミとの散歩ですね。ドッグランに行ったり、最近は暑いので夜に散歩したり。自然の中に連れて行くことが多いのでいい気分転換になっています。
あとはギター。下手くそですけどCコードを鳴らすだけで「なんていい音色だ」って気持ちになれる。絶妙な感情深きメロディーを紡いでいます。11月にやる『ギターはっぴょう会』は拙いですけど何か届けられたらなと。会場だけとっちゃえばもうやるしかないですからね!コードは4つしか知らないですけど(笑)。うまくやろうとするんじゃなくて、この音色素敵だねって言ってもらえるような発表会にしたいです。2時間Cコードだけ弾いていようかなって。そういう発表会になると思います(笑)。
草なぎ:僕らもこの歳になってから全く別の世界へ進んで、新しい場所で頑張れています。環境が変わっても、そうでなくても、毎日の中に何か変化をもたせて進んでいくと、必ず自分が想像していた以上の何かができるようになるし、輝けると思います。失敗を恐れずにトライしてもらいたいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
キャスト:草なぎ剛 MEGUMI 中村倫也 尾野真千子
若葉竜也/甲田まひる 長内映里香/榊原るみ・藤竜也
監督・脚本:市井昌秀
<イントロダクション>
その夏、鈴木家の4人きょうだいは10年ぶりに実家へ戻ってきた。銀行で2000万円を強盗したまま行方が分からなくなっていた両親の“見せかけ”の葬儀をするために──。けれども本当の“目的”は財産分与を行うためだった!!
世界一“クズ”な一家だけれど何故か憎めない、そんな愛すべき鈴木家の“台風”のようなめまぐるしい夏の一日は、果たしてどんな結末を迎えるのか。家族ひとりひとりが抱えるそれぞれの想いを知ったとき、思いがけない大きな“感動”が押し寄せてくる!? 家族って何だろう──家族について考えたくなる、家族を愛おしく思える、これは普遍的な“家族”の物語。
「自分自身が見たこともない表情」監督とのタッグで新境地
― 市井監督とは初めてのタッグとなりましたが、現場での撮影はいかがでしたか?草なぎ:監督は一瞬一瞬が真面目で全てにおいて真剣に向き合う方なんですが、僕は良い意味でラフ、悪い意味で不真面目(笑)。真面目な現場は緊張してしまうタイプで、最近は台本も読まずに現場に行くような感じなんです。だから最初は「監督はどうしてそこまで真面目にやるんだ」と思っていたんですけど、だんだん監督の熱意が僕の中に浸透していって、いろんな意味で引き出されました。そんな監督の姿がみんなを巻き込んでいって、それこそ、“台風の目”のようだった。…上手いですね、今のコメント(笑)。監督は本当に“台風の目”でしたね。
― 監督によって引き出された部分が大きかった?
草なぎ:自分自身が見たこともない表情を引き出されていました。僕も「新しい地図」という新しい環境になってから初めての(単独)主演映画だったので、どこか無意識で頑張ろうという気持ちがあったせいか、力が入りすぎた部分もあった。だけどそれを監督が上手くコントロールしてくれたので、新たな僕の表情が映し出されていると思います。
草なぎ剛「僕は基本的にクズですよね(笑)」
― 今回演じた鈴木小鉄は“クズ一家”の長男で金に汚い役どころでした。草なぎさんはご自身を“クズだな”と感じる瞬間があったりするのでしょうか?草なぎ:僕は基本的にクズですよね(笑)。たとえば家にいる愛犬のクルミちゃんに会いたくて、すぐ帰りたくなっちゃう。最近はファンの方にも「剛君、仕事中にクルミちゃんのことばっかり考えてるよね」とお叱りを受けるくらい(笑)。でも事実だからしょうがないわけであって…。そこがまずクズですよね。だけどお仕事は本当に好きですし、やるときはちゃんとやるんです(笑)。それから、「剛君は監督の意見を聞いて、ちゃんとそれに沿った芝居をしてとても真面目だ」と思われているんだけど、早く帰りたくて真面目に監督の意見を聞いているところもあったり。根っからのヤバいやつというか、そう、そう。結構ヤバいよね。(笑)
― そうなんですね(笑)。
草なぎ:あとは冷房の効いているところが苦手なんですけど、うちの慎吾ちゃんはすごく冷房好きで。僕が冷房を消しているのにすぐつけるわけですよ。でも僕がつけると「冷房嫌いなのになんでつけてるんだ?」と思われるので、その瞬間を見られるのがすごく嫌ですね(笑)。そうなると憂鬱になって帰りたくなっちゃう(笑)。
草なぎ剛が語る家族 『台風家族』は「僕自身の親孝行」
― 改めて家族について考えさせられる作品でした。草なぎさんは作品を通してご自身の家族について考える瞬間はありましたか?草なぎ:僕も父ちゃんと母ちゃんがいい年齢になってきて、会う度に「ああ、年をとったな」と感じるんです。まさしく今そういう時期。なので僕のリアルタイムでの心の叫びみたいなだなと感じるシーンもありました。そんな意味も込めて演じたところがあるので、この映画が少しの親孝行になったらなと。
役柄的には、「うちの剛は前も任侠ヘルパーで怖い感じをやって、今回もクズな役なの」と思っているかもしれないんですけど(笑)、この作品にはホロッとするメッセージも詰まっています。父ちゃんと母ちゃんが育ててくれた息子が、今こういう演技をしているんだよ、というのは僕自身の親孝行なのかなと思います。
― 出演作についてご両親とお話しされることもあるんですか?
草なぎ:気にしていないふりをしてちょっと気にしているっていう感じかな。若い頃からこの世界にいるので、2人とも作品に出ることにちょっと慣れてしまっているんじゃないのかなと思うと少し腹が立つんですけどね、僕的には(笑)。いろんな俳優さんがいる中で息子が頑張っているわけですから、たまには赤飯を炊いてくれってなわけですよ、実家に帰ったらさ(笑)。舞台とかも必ず観に来てくれるというわけではないんですけど、今回は公開延期になったりしたこともあって気にしてくれているみたい。今回は観に行くって言ってくれていました。
「新しい地図」揃って主演映画公開「次は僕の番」稲垣・香取に伝えたいこと
― 今年は稲垣吾郎さん、香取慎吾さんも新たな環境で初めての主演作を務められました。お二人の活躍も草なぎさんの活動の原動力になっていますか?草なぎ:もちろんです。新しい環境になってからの2人の映画も僕は映画館へ観に行っていますよ。もちろんこれまでも彼らの作品は好きで素晴らしかったですけど、また違うステージに立って、より重みがあって色の濃い作品に出演しているなと思っています。その中で2人が表現者として成熟して立っていて、めちゃくちゃ感動したんですよ。
そして次は僕の番。僕はしっかり劇場で観ているので、2人にも映画館で観てもらいたいですね。舞台も僕は観に行っているのに2人は来なかったりするんですよ(笑)。京都の舞台のときは京都観光があるから来てくれたみたいだったし。そっちがメインかよって。そういうところがいけないよね、2人は(笑)。
草なぎ剛のプライベート「草なぎ剛はっぴょう会」は4つのコードで乗り越える?
― 観光がてらに(笑)。草なぎさんは、プライベートではどんな時間がリフレッシュになっていますか?草なぎ:やっぱりクルミとの散歩ですね。ドッグランに行ったり、最近は暑いので夜に散歩したり。自然の中に連れて行くことが多いのでいい気分転換になっています。
あとはギター。下手くそですけどCコードを鳴らすだけで「なんていい音色だ」って気持ちになれる。絶妙な感情深きメロディーを紡いでいます。11月にやる『ギターはっぴょう会』は拙いですけど何か届けられたらなと。会場だけとっちゃえばもうやるしかないですからね!コードは4つしか知らないですけど(笑)。うまくやろうとするんじゃなくて、この音色素敵だねって言ってもらえるような発表会にしたいです。2時間Cコードだけ弾いていようかなって。そういう発表会になると思います(笑)。
草なぎ剛が語る“夢を叶える秘訣”
― では最後に、モデルプレス読者へ“夢を叶える秘訣”のアドバイスをお願いします。草なぎ:僕らもこの歳になってから全く別の世界へ進んで、新しい場所で頑張れています。環境が変わっても、そうでなくても、毎日の中に何か変化をもたせて進んでいくと、必ず自分が想像していた以上の何かができるようになるし、輝けると思います。失敗を恐れずにトライしてもらいたいです。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
映画『台風家族』
公開日:2019年9月6日キャスト:草なぎ剛 MEGUMI 中村倫也 尾野真千子
若葉竜也/甲田まひる 長内映里香/榊原るみ・藤竜也
監督・脚本:市井昌秀
<イントロダクション>
その夏、鈴木家の4人きょうだいは10年ぶりに実家へ戻ってきた。銀行で2000万円を強盗したまま行方が分からなくなっていた両親の“見せかけ”の葬儀をするために──。けれども本当の“目的”は財産分与を行うためだった!!
世界一“クズ”な一家だけれど何故か憎めない、そんな愛すべき鈴木家の“台風”のようなめまぐるしい夏の一日は、果たしてどんな結末を迎えるのか。家族ひとりひとりが抱えるそれぞれの想いを知ったとき、思いがけない大きな“感動”が押し寄せてくる!? 家族って何だろう──家族について考えたくなる、家族を愛おしく思える、これは普遍的な“家族”の物語。
草なぎ剛プロフィール
1974年7月9日生まれ。1991年CDデビュー。主な出演作は映画『黄泉がえり』(03)、『日本沈没』(06)、『あなたへ』(12)、ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」(04/フジテレビ)、「任侠ヘルパー」(09/フジテレビ)など多数。2017年9月にオフィシャルファンサイト「新しい地図」を立ち上げ、その後稲垣吾郎、香取慎吾とともに主演を務めた映画『クソ野郎と美しき世界』(18)は2週間限定公開の中、28万人を動員し、大ヒット。また戯曲「バリーターク」(18)、音楽劇「道」(18)など舞台作品にも出演。映画最新作は、『まく子』(19)。
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