持田香織のインタビューに応じた持田香織(C)モデルプレス

持田香織、デビュー当時の曲を歌い続けることへの葛藤&伊藤一朗と「合わなかった」それでもELT23年間続く秘訣とは<モデルプレスインタビュー>

2019.02.27 08:00

音楽ユニット・Every Little Thing持田香織(40)が、モデルプレスのインタビューに応じた。ELTのボーカルとして1996年8月のデビュー後、「Time goes by」「fragile」など数々のヒット曲を連発。一方、ソロでは今年10周年を迎える。今回のインタビューでは、ソロ10周年ミニアルバム「てんとてん」(2月27日発売)について紹介してもらったほか、これまでの活動を振り返り、ELTが23年間続けられた秘訣、過去の葛藤などについても語ってもらった。

  

持田香織、ソロ10周年でミニアルバムリリース

― ソロ10周年おめでとうございます!

持田:ありがとうございます。気付けば、そんなに経っていたんですね!(ソロでは)7年ぐらいなにもしていなくて(笑)

― 今回ソロで7年ぶりミニアルバム「てんとてん」が発売されますね。

持田:そうなんです。3年前にELT20周年が終わって、それからゆっくりとしたペースでお仕事をさせていただいていました。その中で、ソロイベントをちょこちょこやったとき、ファンの方が「そろそろ10周年なんじゃないですか~」って教えてくれて。

― ファンの声に応えて、ソロ10周年だからなにかやろうと。

持田:そうです!せっかくだから制作しようって動き出して、今回ミニアルバムをリリースすることにしました。だから、ファンの方の声がなかったら、そのまま(10周年を)スルーしていたかもしれません(笑)。

持田香織(C)モデルプレス
― 「てんとてん」はどのようなアルバムになっているのでしょうか?

持田:日常の暮らしの中で、聴いていただきたいです。例えば、掃除しながら、ご飯を作りながら、車の運転をしながらなど、流れるような心地よさを感じてほしいです。ELTの曲は「わかるこの歌詞」みたいな共感が多かったと思いますが、「てんとてん」に収録されている曲は、なにかを“やりがら”楽しんもらえると思います。

― 「てんとてん」というタイトルが意味深だなと思いました。

持田:10周年だからというのは後々で、鈴木正人さんに曲をプロデュースしていただいたのですが、80年代の有線が流れている居酒屋で「こういうのはどうですか?」みたいな話をしていたときにアイデアが浮かんできました。“気持ちいい”“心地いい”“懐かしい”感覚のサウンドになっています。正人さんが作ってくださるメロディは言葉数がそんなに多くはないので、「三文字がいいな~」「日本語で三文字って難しいな」とかいろいろ考えていて。私の中で“点”が1つのキーワードで、ネイルは全部塗るより点の方が好きだったり、「てんてんてん」という歌詞も曲の中でうまく表現したいなというのもあり。曲のタイトルをつけつつ、10周年ということで「てんとてん」。あとは、自分の経験を1つの点として、繋がっていくものだと思うので、いいことも悪いことも含めて1つ1つの経験はすごく大事だなと。いろんなことが重なって「てんとてん」になりました。

ELTが23年間続く秘訣とは

持田香織(C)モデルプレス
― ELTでは23年経ちますが、ソロ10周年と聞いて、心境はどうでしたか?

持田:うーん…気付いたらなっていたという感じですね。ソロで立て続けにリリースさせていただいた後、ELTの20周年があってシフトチェンジして。私の中で、ソロとELTは全く別ものです。(伊藤)一朗さんがいる・いないのもですが、音楽的にも、ELTではやらない、どちらかというと自分が普段からよく聴く方にオファーして、一緒にやることが多いのがソロです。

― ELTとソロでは全くの別もの!!

持田:制作過程が全然違うんです。

― そんなに違うんですか?ELTでは、伊藤さんと話し合いながら、という流れなのでしょうか?

持田:そうですね。基本的に一朗さんは、ギターを弾く職人さんなので、楽曲を制作するタイプではないのですが、スタッフさん含め話し合いながら、次はこの楽曲にしようと決めて、私は歌詞とボーカル、一朗さんはギターとギターのアレンジをしていくというやり方です。だから、ELTのときはこの人に曲を作ってもらいたいではなく、作家さんからいただいた中から選ぶことが多いです。

― ソロでは自分のやりたい音楽ができている感じなんですね。

持田:私はいろんなミュージシャンの方と一緒にやりたいタイプです。今回、LITTLE CREATURESのみなさんと一緒にレコーディングさせていただく機会があったのですが、バンドの音の中で自分が歌うというのが初体験でした。演奏者の方が来てくださって、歌うことはあったのですが、バンドの方たちと一緒にやるのは初めてで、あのお三方に背中を押されての歌唱は、個人的にはいつもとは違うように感じました。

持田香織(C)モデルプレス
― デビューして23年経っても初挑戦がたくさんあるんですね。

持田:まだまだやってないことばかりです。一朗さんはどちらかと言うと、安定を守ってくれるタイプで、ELTでは、求められることを自分たちが出来る範囲の中で作っています。作家さんによって、曲の雰囲気は変わるかもしれませんが、作り方の体制として変わることはなかったかもしれません。

― 23年間、同じやり方を続けることもすごいと思います。

持田:よく飽きずにやってこられたなとは思いますけどね(笑)。でもやっぱり音楽が好きじゃないとできないから。一朗さんは元々、ヘビメタのバンドを組んでいたので、J-POPをあまり聞いてこなかったんだと思います。だから、ELTをやるってなったとき、もしかしたら自分がやりたかったことではなかったかもしれません。ですが、その中でもギターを弾くというポテンシャルはすごくて、やると決まったことをしっかりとこなしてくれたんです。

― やりたい音楽性が違っても、ELTとして23年間活動することができた。“コンビ愛”みたいなものを感じます!

持田:私はJ-POPが好きで、洋楽は全然詳しくないのですが、最近歳を重ねる毎に、一朗さんが好きと言っていた音楽が「心地いいな」って思うようになりました。やっぱり最初は(年齢が)10歳も離れていたので、好みの音楽が合わなかった。だから、たぶんそれが長く続けられている秘訣なのかなと思います。

― 合わないことが長く続けられている秘訣…

持田:合いすぎると揉めたりするという話を聞くので。合っているときはいいけど、合わなくなっちゃうことってありますから。合わない距離感のまま、お互いがお互いのことを理解してやるのがELTの長続きの秘訣かなって。

― なるほど。画面越しで見ていると、お二人の雰囲気は似ているなと思っていました(笑)

持田:本当ですか!?似てきちゃっているのかな(笑)

持田香織、過去の葛藤を告白

持田香織(C)モデルプレス
― 先程もおっしゃっていましたが、23年間の活動のすべてが大事だったと。振り返ってみて、大変だった時期はありましたか?

持田:疲れたなと思うときは正直ありました。30代の厄年の時期は、体調も崩し、大変な思いもしました。さらに、10代でデビューして、10代の頃に歌っていた曲をずっと歌い続けていることへの葛藤もありました。ただただ楽しいだけではいけないということを学んだ時期でもありました。

― その葛藤とは?

持田:単純に(曲の)キーがものすごく高い。キーが高い曲が流行っていた時代にデビューしたので、若いときから高いと思いながら歌っていました。私、歌の勉強をあまりしてこなくて、高校卒業してすぐにデビューさせていただいたので、その基盤ができていたわけではなかったんだと思います。

― CD全盛期と言われている時代にデビューでしたよね。

持田:テレビの歌番組も全盛期で、私自身、たくさんの歌手を見ながら育ってきました。そんな中、私がデビューするときは、CDの売り上げが絶頂期で、みんなカラオケで歌いたいから、CDを買って覚える、そして、歌番組で盛り上げるという時代でした。その後のCDのセールスが難しい時代も経験しました。

― そんな時代を経験したからこそ、今思うことはありますか?

持田:やっぱり時代のニーズに合わせていくことは大事だなと。今回のミニアルバムにしても、フルで聴くのもなかなか難しいんじゃないのかなという思いがあって。ネットで1曲買いできる時代なので、何十曲入りのアルバムを買う時代ではないのかなと。そんな中でも、CDをすごく大事にしてくださる方や、カセットテープにまた戻りたいという人がいるので、配信だけでなくて、盤にしたいなと思って、今回は5曲入りのミニアルバムにしました。

― 時代の流れに沿ったと。

持田:今なりのアプローチの仕方や、今だからこそ楽しいやり方が絶対にあるので、柔軟に対応していけるようになりたいなと思っています。

― 今回はソロでリリースですが、次は、ELTの活動を?

持田:ELTは、25周年まで待機です(笑)。ファンの方からも言っていただくのですが、昔のようなハイペースでは正直できないと思っていて。それはファンの方たちにもお話したりするのですが、続けていくためにも自分のペースを決めていかなきゃと思っています。結局、自分の身体なので、できること、できないことを自分で判断していかないと。昔は「頑張ります!」「やります!!」という勢いで、結果できなくて心配をかけることがたくさんあったので、年齢とともにちゃんとセーブしつつ、新しいペースで続けていけたらいいなと思っています。そこはファンのみなさんにもご理解いただきつつ、一緒に楽しんでもらえると非常にありがたいです。

持田香織10周年記念コンサートツアー2019「てんとてん」

持田香織(C)モデルプレス
― ソロライブが3月15日から開催されますが、どのような内容になりそうですか?

持田:ソロライブは、いい意味で力を抜いていきたいなと思っています。ELTの曲は「よしっ!」って気合いを入れて頑張らないと歌えないのですが、ソロは日常の生活の中でもできそうな感じにしたいなと。「気分がいいので歌います」みたいな。

― では、ELTの楽曲は歌わず、ソロ曲のみ?

持田:そうですね。そこは割り切って、ソロを楽しみます。曲数は少ないのですが、カバーとかも混ぜつつ、ふざけながら楽しみたいと思います(笑)。ELT20周年のライブ以来になるので、たくさんのファンの方とお会いしたいです。

持田香織、夢を叶える秘訣を語る

持田香織(C)モデルプレス
― 夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて、夢を叶える秘訣を教えてください。

持田:思い込むこと。不安に思わなくていいような気がします。先を考えて不安になるよりも、良いことありそうってイメージした方が、いい方向にいくと思います。楽しんだもんがちではないですけど、耐える時代ではないと思うので、自分を好きになって、自分を大事にすると、周りが豊かになっていく気がします。イコール自分を信じることなのかもしれませんが、思い込むってことはすぐにできそうに感じるので、もし自分が歌手になりたいと思うのだったら、もうなりきって、動画撮ってネットに投稿してみる。なんでも自分でできる時代だと思うので、まずは思い込んで、動いてみてください。

持田香織(C)モデルプレス
― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

持田香織ミニアルバム「てんとてん」

今作は鈴木正人(LITTLE CREATURES)氏による全曲プロデュース。持田自身の作詞に加え、Kan Sano氏による書き下ろし楽曲、さらにLITTLE CREATURESプロデュース曲も収録している。

持田香織ミニアルバム「てんとてん」(画像提供:avex)
1.てんとてん
2.そりゃ喧嘩もしますし
3.Enseigne'dangle
4.あたらしき夜
5.君と僕の消失点

持田香織(画像提供:avex)

持田香織(もちだかおり)プロフィール

持田香織(C)モデルプレス
1978年3月24日生まれ、東京都出身。A型。1996年に結成された音楽ユニット・Every Little Thingのボーカル。1996年8月1stシングル「Feel My Heart」でデビュー、3rdシングル「Dear My Friend」でブレイクを果たす。1998年には「Time goes by」で自身初のミリオンセールスを達成。その後も2001年の「fragile」等、数々のヒット曲を世に送り出す。
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