<SILENT SIRENインタビュー>なぜ“移籍&バンド表記変更”した?…新ビジュアルで楽器を持たなかった理由が深い
2017.02.28 08:00
views
ガールズバンドのSILENT SIREN(通称:サイサイ)が、昨年12月30日に東京体育館にて行ったライブにて、レーベル移籍、バンド名を小文字(Silent Siren)から大文字(SILENT SIREN)に表記変更といったサプライズ発表を行った。モデルプレスは今回、サイサイにインタビューを敢行し、新たなスタートを切る彼女たちの思いに迫った。
目次
なぜ昨年末に発表?
表記変更、レーベル移籍のほか、新シングル「フジヤマディスコ」(3月1日リリース)、全国ツアーの日程発表など、合わせて4つの大きな発表をしたサイサイ。すぅは「2016年の締めくくりとして、『2017年に向けてこういう気持ちでやっていくよ』という決意表明でもあります。発表は、みんなが集まってくれてる場所で伝えたいということで、30日にしました。曲を制作していることをずっと言えずにいたので、やっとみんなに言えたって気持ちもありました」と昨年末に発表した思いを話した。
移籍した理由は?
2012年11月のメジャーデビューよりドリーミュージックに所属していたサイサイだが、2017年3月1日の「フジヤマディスコ」から、新たにユニバーサルミュージック内のEMI Recordsに移籍する。「もっと世界に向けて活動するために、全世界にレーベルのあるユニバーサルと一緒に音楽活動をしていけたら、自分たちにとって新しい成長になるんじゃないかと思いました」とその思いを明かし、さらに数あるレーベルの中で、EMI Recordsに決めた理由のひとつとして「『もっとロックに活動出来るように応援していきたい』と言ってくださったから」と答えた。
SILENT SIRENへ表記変更
さらに「SILENT SIREN」の表記変更については「海外では大文字表記のアーティストさんが多いですし、私たちも海外ツアーの時に大文字表記にしていたりと、日本だけじゃなく世界に羽ばたくための再出発という意味を込めて、このタイミングで変えました」と話す。“世界”を見据えた再出発
移籍、表記変更…どちらも海外を意識した答えが返ってきた。それもそのはず、メンバーのひなんちゅが、インドネシアに住んでいた経験を活かして、現地の音楽番組のMCを務めたり、ジャカルタでのワンマンライブを行ったりと、もとより海外への想いは強い。台湾や香港で行ったライブでは、「日本の音楽やカルチャーを好きな人が結構いて、チケットもソールドアウトしたりと、ちょっとずつ浸透してきた感覚があります」と手ごたえもある。
そして2016年9月には、北米を含めた世界6都市ツアーを敢行するなど、ついに世界へ大きな一歩を踏み出した。
すぅは改めて、今回の発表について「日本だけじゃなく、海外でも通用するバンドとして」と語り、まさに世界へ踏み出したこのタイミングで移籍・表記変更を決めたというわけだ。
新曲「フジヤマディスコ」に込めた思い
新ビジュアル、楽器を持たないワケ
「フジヤマディスコ」のビジュアルもまた新しい。全員がすぅに寄り添い、まるで“富士山”を作っているかのようなイメージだ。メンバーたちはこう語る。すぅ:このポーズって“バンドPerfume”みたい(笑)。
ゆかるん:富士山だね。
あいにゃん:新しいことしたいねってこうなりました。
ゆかるん:逆さから見るとすごく変じゃない?不思議なポーズ。
ひなんちゅ:すぅにすがってるみたい(笑)。
ゆかるん:うーん、助けて…!(笑)。
すぅ:よしよし、子供たちよ(笑)。今までメンバーが横並びになったジャケ写が多かったんですけど、今回はいつもと違う感じを出そうとしてこうなりました。
ゆかるん:いつもと違いすぎてこうなっちゃった(笑)。
すぅ:絡まってこうなりました。
ひなんちゅ:私たちが楽器を持っていないビジュアルも新しいんです。これまでバンドとして見られないことが多かったんですけど、今では自信もついたので、周りからどう思われようが、演奏を見てもらえればバンドだとわかってもらえる。だから、楽器を持つことにこだわらなくなったのかもしれないです。
すでに消えた“読モバンド”
バンドとして見られない…ひなんちゅが語ったように、彼女たちはデビュー時に全員が読者モデルだったため、「読モが企画でバンドを組んだ」と見られることもあった。2016年3月のモデルプレスのインタビューにて、ひなんちゅは「バンドを組んだ経緯は、普通のバンドと一緒で、それぞれ音楽が好きで、ギター、ドラム、ベースをやっていたので、『じゃあ、バンドやろう』ってだけだったので」と純粋に音楽活動をするために結成した。
そして2015年には、ガールズバンド史上最速で日本武道館でのワンマンライブを成功させ、実力がなければ成し遂げられない偉業を達成することで、バンドとしての確かな力量を証明した。
今では「読モだったことを知ってる人があまりいない」(すぅ)、「最初はバンドと並行して読者モデルの仕事もやっていたんですけど、今では100%バンドの活動に当てているので、私たち自身にもそういうイメージがないんです」(あいにゃん)と語る。
ここまでやってきた確かな自信によって、ビジュアルで「私たちはバンドだ」と証明する必要も消え、より純粋なアーティストへと昇華した。それを表したのが、今回の「フジヤマディスコ」なのだと。
サイサイが求められ続けるために
今や日本を代表するガールズバンドとなったサイサイ。「求められるバンドになりたいです。『SILENT SIRENに俺の映画の曲を書いてほしい』『自分のフェスに出て欲しい』って言われたいし、『今日はサイサイの曲を聴きたい』ってみんなに思ってもらいたいし、求められないと曲を作っても意味がない」と目指すアーティスト像。これからますます“求められる”ためには、これまでの“サイサイ像”を壊してでも、自分たちの枠を広げる必要がある。
移籍第一弾のシングル「フジヤマディスコ」こそが、これまでのサイサイの枠を壊した一曲。すぅは「今回はあまり歌わないミドルのキーで、ファルセットもないし、ゆっくりなテンポなことがまず新しいです」と語り、ほかにもギターのカッティングからのスタートや、ベースの複数箇所でのスラップなど、それぞれ新しいチャレンジが織り込まれている。
「他にもポップな曲も作ったり、疾走感があって勢いのある曲を移籍第一弾とすることもできたんです。でも『フジヤマディスコ』をシングルにするそれ自体が、サイサイにとってすごく新しいと思っています」と自信たっぷり。
今年でデビュー5周年。新しいSILENT SIRENは遠い世界へ羽ばたいてしまうのだろうか…。
「ファンの方との距離感は全く変わらないです。変にアーティスト感を出さないというか…出せないです(笑)。これからも初心を忘れず、みんなとの距離感も変わらないです」とすぅ。
世界というヤマはファンと一緒に登っていく。まだ見たことのない景色をみんなで見る。その言葉の裏側からは、ファンを思う温かな気持ちがにじみ出ていた。(modelpress編集部)
SILENT SIRENリリース情報
EMI Records移籍第一弾シングル「フジヤマディスコ」発売日:2017年3月1日
形態:初回限定盤A・B、通常盤、ファンクラブ限定盤
【収録曲】
1. フジヤマディスコ
2. Love Balloon
3. Pandora
4. Days.
【初回限定盤A】(CD+DVD)
<DVD収録内容>「Silent Siren 2016年末スペシャルライブ Dream on!」12月30日東京体育館でのライブ5曲とライブドキュメント映像収録
【初回限定盤B】(CD+DVD)
<DVD収録内容>「フジヤマディスコ」MV&メイキング映像
【通常盤】(CD only)
SILENT SIREN(サイレント・サイレン)プロフィール
Vo&G.すぅ(吉田菫)、Dr.ひなんちゅ(梅村妃奈子)、Ba.あいにゃん(山内あいな)、Key.ゆかるん(黒坂優香子)の4人からなるガールズバンド。2012年11月、シングル「Sweet Pop!」でメジャーデビュー。サイサイとして親しまれ、原宿を中心に女子中高生から人気を集める。
2014年に初となる海外進出公演(香港)を果たし、2015年に台湾、インドネシアでワンマンライブも開催。2015年1月17日、ガールズバンド史上デビュー後最短で日本武道館ワンマンライブを開催した。
2016年3月2日に4thアルバム「S」を発売し、そのアルバムを引っ提げたツアーSのために Sをねらえ! そしてすべてがSになる」を4月からスタート。バンド初となる横浜アリーナでのファイナル公演含む全25会場26公演を成功におさめる。その後アメリカや中国を含む5ヵ国6都市を回る「S WORLD TOUR」も開催。
2016年年末の「Dream on!」東京公演にて、ユニバーサルミュージックEMI Recordsへの移籍、ロゴ、バンド表記を全大文字へと一新、2017年開催のツアー5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR 2017『新世界』のファイナルを武道館2Days、2017年3月1日には移籍後第1弾シングル「フジヤマディスコ」リリースを発表した
【Not Sponsored 記事】