モデルプレスのインタビューに応じた佐野玲於(C)モデルプレス

<GENERATIONS佐野玲於インタビュー>“俳優業”活発化で訪れた変化「気持ちがすごく明確に」 今後の目標は?

2018.10.18 12:30

GENERATIONS from EXILE TRIBEの佐野玲於(22)がモデルプレスのインタビューに応じた。「HiGH&LOW」シリーズをはじめ、近年、俳優としても活躍の幅を広げている佐野。10月19日公開の映画『ハナレイ・ベイ』では、吉田羊演じる主人公・サチの亡くなった息子・タカシを演じている。同作は、作家・村上春樹氏が発表した短編作品「ハナレイ・ベイ」を実写映画化。ハワイを舞台に、サーフィンに明け暮れる思春期の息子と、シングルマザーで彼を育ててきた母親サチの姿を描いた感動の物語を描く。劇中では、“俳優・佐野玲於”の新たな一歩を感じさせる繊細な演技で魅せている。

佐野玲於、映画で初ハワイ “初共演”吉田羊の印象は?

佐野玲於(C)2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
佐野玲於(C)2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
― 撮影は1年ほど前とお伺いしました。佐野さんは、今回が“初ハワイ”だったと言うことですが、いかがでしたか?

佐野:撮影はカウアイ島だったんですけど大自然でした。ハワイって聞くとオアフ島の観光地の賑やかな雰囲気を思い浮かべるかもしれないんですけど、カウアイ島はいい意味で何もない。タウンも離れた場所に1つしかないし、小さい道の駅みたいなところしかないので、自分もその環境のおかげで映画の世界観にどっぷり浸かることができて、それがすごく良かったです。カウアイ島の空気と世界観っていうのは、非常に素晴らしかったですし、映像美にもそこが反映されていると思います。

― 初ハワイは満喫できましたか?

佐野:カウアイ3~4日、オアフ3~4日、計1週間ほどいたんです。ハワイっぽいことはしてないですけど(笑)、街を歩いたり、キャスト、スタッフとご飯に行ったり。エネルギーあふれる島だったので、行けてよかったなと思いました。

吉田羊、佐野玲於(C)2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
吉田羊、佐野玲於(C)2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
― 今回、母親役を演じる吉田羊さんとは初共演だったかと思いますが、印象を教えてください。

佐野:めちゃくちゃ素敵な人でした。お母さん役ではあったんですけど、作品の内容的に現場ではあえて会わないような環境を作っていただいてたんですよ。

― それは佐野さんや吉田さんの希望で?

佐野:僕らの希望もありましたし監督も。「“亡くなった息子”なので、なるべく一緒にいない方がいいんじゃないですか?」っていう話をしました。なので、ちゃんと仲良くなったのは終わってからだったんですけど、本当に姉御肌でめちゃくちゃいい人。

佐野玲於(C)2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
佐野玲於(C)2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
― 仲良くなったきっかけは何だったのでしょうか?

佐野:僕の撮影が終わりかけの頃、現地でご飯をご一緒する機会があったので、それもあるかもしれないです。その後、取材で会うようになって。あと、半年前くらいかな?監督から電話がかかってきて「羊さんと何人かでいるよ。おいでよ」って誘っていただいたこともありました。そのときは、次の日が朝4時くらいから仕事だったので、「ごめんなさい」ってしちゃったんですけど、連絡をもらえたってことがすごく嬉しかったです。ほかにも、羊さんはライブ(GENERATIONS LIVE TOUR 2018 “UNITED JOURNEY”)にも来てくださって。

― それは嬉しいですね。

佐野:Tシャツ着て、旗持って、立って飛んで、ガンガン応援してくれていました。羊さんって本当に優しんですよね。お姉ちゃんのような、母のような…いい先輩です。

模索中の今、佐野玲於が俳優として感じること「自分の知らない自分に出会える場所」

佐野玲於(C)モデルプレス
佐野玲於(C)モデルプレス
― 今年はカルテット主演を務めた『虹色デイズ』も公開になるなど、これまで以上に俳優業にも注力している印象を受けました。佐野さんの中では、計画があったのでしょうか?

佐野:グループに入ってお芝居をはじめさせていただいて、こうやって映画に続けて出演させていただくことで、最近は特に「もっともっと色んな作品に出たいな」「こういう経験したいな」っていう気持ちが徐々に強くなっていたんです。計画とまではいかないにしても、よりお芝居に魅力を感じたというか、そういう部分はあるかもしれないです。

― 『ハナレイ・ベイ』『虹色デイズ』ともに撮影は昨年かと思いますが、そのタイミングで?

佐野:昨年は気持ちがすごく明確になった1年ではありました。事務所の人と「(俳優業に)挑戦したいです」っていう話は常々していましたね。そう思っている中でこういう骨のある作品に参加できたことはすごく嬉しいです。

― 事務所には、佐野さんと同じくアーティスト業と平行して俳優業を行っている方も多いかと思いますが、演技について話す機会はありますか?

佐野:自分も語れるほどではないので、あまり話すことはないですけど、「こういう作品出てるんだね」とか、そういう話はします。この間も岩さん(岩田剛典)が、『ハナレイ・ベイ』について「俺もこういう作品出たいんだ」みたいなことを言ってくださいました。ほかの人の情報は自然と入ってくるので、実際に作品を観て「面白かった」とか。HIROさんやスタッフさんも感想をくださいますし、ありがたいです。

佐野玲於(C)モデルプレス
佐野玲於(C)モデルプレス
― グループとしては今6年目。今年は初のドームツアーも開催されましたが、グループが大きくなっていく中で、“俳優業”というのはどのような位置づけでしょうか?

佐野:別軸の表現です。芝居は自分であり自分じゃないというか、未知の自分を見出している感覚があって、自分の知らない自分に出会える場所だと思う。そこが芝居の面白さですよね。今回は特にロケーションも海外で、海外のキャストの方もいらっしゃったので、すごく刺激になりました。松永(大司)監督は素敵な映画を作られている方ですし、カメラマンさんもベテランの方で、そこに羊さんがいて、(村上)虹郎がいて、面白い現場だったなと思います。

ただ、やっぱり個人活動って、グループ活動の合間を縫ってやるものだと思うんです。その限られた時間の中で、どういう作品に出会えるのか。現場に出ることが自分の勉強にもなるし、経験値にもつながるので、自分としてはできる限り参加していきたいなという気持ちはあります。

― 今後、参加してみたい作品やジャンルがあれば教えてください。

佐野:自分の年齢に合った等身大の役にもチャレンジしたいですし、自分の知らない世界に足を踏み入れてみたいですし、いい意味で汚い役とか、もっと生々しい役とかも。とは言え、自分もむちゃくちゃいっぱい作品に参加してきましたって言えるかっていうとそうではないので、まずはあまり選ばずにやってきたいです。

― 例えばドラマ主演、映画の単独主演、◯◯賞受賞など具体的な目標は?

佐野:映画が好きなので、映画にたくさん出たいです。素晴らしい俳優さんがたくさんいらっしゃる中で、色んな経験を積んで、自分だからできることを見つけていきたい。小さなことでもいいから積み重ねていって、厚みの出せる表現者になれればいいなと思います。

佐野玲於(C)モデルプレス
佐野玲於(C)モデルプレス
― では、最後になりますが、モデルプレス読者にメッセージをお願いします。

佐野:この作品は骨のある作品だと自分は思っていて、いい意味で見終わった後に、すごく考えさせられるような、色んな意味で“くらう”作品だと思います。若い方には特にこういう作品を見ていただきたいと思っていますので、ぜひ先入観なしに、この世界観を体感してほしいです。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

佐野玲於(C)モデルプレス
佐野玲於(C)モデルプレス

佐野玲於(さの・れお)プロフィール

1996年1月8日生まれ。2012年、GENERATIONS from EXILE TRIBEのパフォーマーとしてデビュー。俳優デビューは、2012年のドラマ「シュガーレス」。「HiGH&LOW」シリーズをはじめ、映画『虹色デイズ』(2018年)、『ハナレイ・ベイ』(2018年)、「PRINCE OF LEGEND」シリーズ(2018年~)などに出演。11月15日には1st写真集 「さのさん」を発売する。

映画『ハナレイ・ベイ』

公開日:2018年10月19日(金)
原作:「ハナレイ・ベイ」(新潮文庫刊『東京奇譚集』)村上春樹著
脚本・監督・編集:松永大司
音楽:半野喜弘
出演:吉田羊、佐野玲於、村上虹郎、佐藤魁、栗原類

<ストーリー>

吉田羊(C)2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
吉田羊(C)2018 『ハナレイ・ベイ』製作委員会
それは突然の知らせだった。 ピアノバーのオーナーでシングルマザーのサチは、息子タカシが、ハワイのカウアイ島にあるハナレイ・ベイで亡くなったことを電話で知る。

サーフィン中の事故で、大きな鮫に襲われて死んだという。サチはハナレイ・ベイに向かい、もの言わぬ息子と対面を果たした。息子の遺骨と共に日本へ帰ろうとした矢先、彼女はふと足をとめ、息子が命をおとしたハナレイ・ベイへと向かう。

サチはチェアを持って海岸に行き、本を読んで時間を過ごした。時折、じっと海を見つめながら。毎年、この「行為」は続いた。

タカシの命日の時期にハナレイ・ベイを訪れ、数週間過ごすのだ。同じ場所にチェアを置き、10 年間。だが、彼女は決して海には近づかない。ある時、偶然出会った、2人の若い日本人サーファー。
まだ世間知らずな彼らに息子の姿をダブらせるサチ。

そんな時、2人から“ある話”を耳にする。「赤いサーフボードを持った“右脚のない日本人サーファー”がいる」と…これは、<人生で一番大切な人>に会いたくなる。
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