勝どきの『オルゴーリオ』はイタリア料理界のレジェンドが行き着いた紹介制のイタリアンレストラン!

勝どきの『オルゴーリオ』はイタリア料理界のレジェンドが行き着いた紹介制のイタリアンレストラン!

2021.08.10 18:00

魚河岸が近い勝どきの裏路地で、魚介イタリアンに舌鼓

都営大江戸線・勝どき駅から地上に上がると、吹く風に少し“潮”を感じる。ここは隅田川の河口も近い東京ベイエリア。バス通りから一本入ったのんびりした通りにある3階建ての建物が『オルゴーリオ』だ。

完全予約制なのはもちろん、紹介制として初来店の場合はLINE公式アカウントでつながることが必須というルールを導入。扉を広く開けていないにもかかわらず、「一度行ってみたい」「わざわざ行く価値がある」と、2021年5月のオープン以来、食通の間で早くも注目されている。

初来店なら見過ごしてしまいそうなほど、店名のサインも入口も極めてシンプル。そっけないほど控えめで、逆にそれが目印にもなっている。

小さなドアを開くと……

1階はオープンキッチンのカウンター席。飾り気のない空間はやや緊張感を感じるものの、着席すると次第にリラックスできて、カウンター内のキッチンでどんな料理が生まれるのだろうと背筋が伸びてくる。

2階は天井が高く、4人で囲めるテーブル席がゆったりと並ぶ。2人なら1階、3名〜4名なら2階がふさわしいだろう。さらに、3階もある。

3階は個室として設えていて、まるで邸宅のリビング。プライベート感満載で、アニバーサリーや接待に重宝しそうだ。食べることが好きな仲間と小さなパーティーを開くのもいいだろう。

各フロア、人数や目的で使い分けられるが、いずれもシックで大人がゆっくり過ごせる造りとなっている。

その日の食材で献を立てる、おまかせコースのみ!

迎えてくれるのは、オーナーシェフの今野義則さん。『オルゴーリオ』の魅力は、なんといっても今野さんが毎朝、築地市場・豊洲市場で仕入れる食材で作る料理だ。市場に近い立地でオープンすることになったゆえ、南イタリアの魚料理を柱に据えた。

「市場に行って、素材を見てから献立を決めるから、メニューは日替わりのお任せコースだけなんです」と、今野さん(写真上)。

取材日は季節的には夏の入口。
“Le proposte dello chef”(=シェフの提案)ではじまる手書きのメニューは、「アミューズ、スープ、アンティパスト、パスタ、魚料理、肉料理、ドルチェ」と続く。

おおむね7〜8皿で構成されるお任せコース1本、真剣勝負! 一期一会の幕が開く。

最初のひと皿に季節と料理人の技がぎっしり!

さりげなくスーッと登場する最初のひと皿に息を呑む。日本の旬のいいものとイタリアの調理法を合わせ、パニーノ、ベッカフィーコ、フリット、リピエーノと、イタリア料理の魅力をひと皿にまとめあげているのだ。

右から、イタリア産のオシュトラ(チョウザメ)と今野さんの故郷・北海道の生うにを自家製ブリオッシュで挟んだ「北海道の生うにとイタリア オシュトラのキャビア パニーノ」。オレンジの爽やかさがイワシを引き立てる「銚子のイワシのベッカフィーコ」、手でつまみたくなる「福井の白えびのフリット」、そしてイカの耳、アンチョビ、ケッパーがみっちり詰まった「北陸の白いかのリピエーノ」。

どれから食べようか迷うが、一刻も早く頬張りたい。

魚骨も煮込むコラーゲンたっぷりのスープ

次の料理は、今野さん自慢で常連客にも好評の「魚とトマトのスープ」だ。

「骨も使って煮込むのでコラーゲンもたっぷりです」と、今野さん。開店以来、継ぎ足し継ぎ足し作っているので、ひと口啜ると驚くほど滑らかで、まろやか。濃厚なのにトマトの酸味がきいていて、いつまでも後を引く。

スープのあとは、アンティパストとして「ひげそり鯛のカルパッチョ アンチョビとチコリのサラダ」、「北海道産の鮑と鮑茸のバターソース」が続き、食事の進み具合を見計らいながら、今野さんはパスタに取りかかる。

フレッシュな香りのサマートリュフをたっぷり使って

パスタは、「レモンとカラスミのスパゲッティ」と「黒トリュフと自家製タリオリーニ」(写真下)の2種から選べる。

「サマートリュフの季節ですから、やはり香りがいいですよ」と今野さん。自家製タリオリーニも気になるので、後者を選ぶ。

1階のカウンター席は、どこに座っても今野さんの調理風景がよく見える。リズミカルで無駄のない動き、お客との間合い、そして料理と向き合う集中力に見惚れてしまい、目が離せない。

塩は、長年使い慣れているシチリア産「トラパニ」を使う。2000年も前から受け継がれている伝統的な製法でじっくり時間をかけて作られる天然海塩で、素材に寄り添うまろやかさが魅力だ。

キャビア、フォアグラと並ぶ世界三大珍味のひとつ、トリュフ。春から夏に出回る「サマートリュフ」は、なんといってもフレッシュで力強い香りが魅惑。周囲は黒いがスライスすると薄いブラウンなのが特徴だ。

専用のトリュフスライサーでスッスッと削るたびに香りが広がる。もちっとした食感の弾力この上ないタリオリーニに、トリュフを絡めて、香りとともにゆっくりと口腔に封じ込めたい。

魚が主役のイタリアンのメインは、アックァパッツァ

今日のお任せコースの魚料理は、「メバルと蛤のアックァパッツァ」だ。

今朝、築地市場で目が合った静岡産のメバルを、蛤と合わせて仕上げていく。

ケッパー、イタリアンパセリ、バジル、トマト、そして立派な蛤に囲まれて、メバルの幸せそうなことよ。

プリップリで甘み深いメバル、やわらかく風味が濃い蛤。調味料も調理法もシンプルな料理ゆえ、素材力がより伝わる。

メバルと蛤のうまみが溶け出た魚介のスープは、ビール酵母を使った自家製のパンと共に、余すことなく楽しもう。

コース料理は、この後、肉料理の「阿蘇のあか牛サーロインの炭火焼き」、そしてドルチェ「広島産レモンのレモンクリームトルタ」で締めくくる。

ワインは、料理とのペアリングとして、5グラス用意する。例えば、お通しと魚のスープには弾ける泡のスプマンテ、アンティパストには爽やかな白ワイン、パスタにはミネラルしっかりの白ワイン、魚料理にはしっかりめの白ワイン、ビステッカには華やかな赤ワインといった具合に。

(※お酒の提供については、現在、国や自治体の要請に準じています)

もちろんボトルもそろえており、おすすめは「バタール クエルチャベッラ」(写真上・右)、「サッシカイア テヌータ サンドクイド」(同・左)。いずれも今野さんが最も長く滞在したトスカーナ州のワインだ。ほかにもシェフの好みでイタリア各地のワインをそろえている。

「本気で作る料理を、本気で食べてほしい」

18歳でイタリア料理の世界へ飛び込んだ、オーナーシェフの今野義則さん。1987年、23歳で渡伊。ローマ、シエナ、トスカーナなどのミシュラン星付きのレストランからトラットリアまで、8年滞在し約10店舗で腕を鍛え上げた。帰国後はホテルや名店で活躍し、オーナーシェフとして広尾、恵比寿に『オルゴーリオ デル カザルタ』をオープンした。こちらの新店は、今野シェフの集大成とも言えよう。そして、これまで今野シェフの料理を追いかけ続けてきたファンが、開店以来頻繁に通っているという。

「紹介制」「完全予約」と、あえて間口を狭くしたのは、これまでの経験からお客さんとしっかり向き合いたいから。料理を真ん中にフェアに対話できるゲストに、自身の料理を食べてもらいとの想いがあるのだ。

食材や料理人を敬う気持ちを抱き、今野さんの料理を真剣に体験したいと思った皆さんなら、Benvenuto(=ようこそ)!

【メニュー】
<夜のメニュー>
・お任せコース(7〜8皿) 9,800円
<ドリンク>
・ワインのペアリング 5グラス 5,000円

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格は税込です。

ORGOGLIO オルゴーリオ 南イタリア魚料理専門店

〒104-0054 東京都中央区勝どき4-12-4
無 ※予約はLINE公式アカウントより
17:00〜22:00
日曜
https://www.instagram.com/___orgoglio___/

この記事の筆者:松井一恵(文筆家)

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