【湯島】パテ選手権アジア代表の「パテ・アンクルート」がこれだ!本格なのに気軽なフレンチ『アターブル』
2021.04.16 18:00
パテ・アンクルート選手権2020アジア代表のシェフが営むここでしか味わえない絶品フレンチ
日本のフレンチといえば、おまかせコース一択の少量多皿スタイルが主流になりつつあるが、本場フランスでは重厚かつクラシカルなフレンチをアラカルトでいただくスタイルも依然人気がある。そんなリアルな「フランスの味」が楽しめ、フレンチ通が足繫く通う店として話題なのが、末広町駅から数分歩いた、神田明神の裏手にあるフレンチ・ビストロ『a table(ア ターブル)』。
『a table』、訳すなら「ごはんだよ」とでも言おうか、その言葉通り、雰囲気は優しげでカジュアル。
入口のドア付近にはテイクアウト用のショーケースにさまざまなキッシュやスイーツが並び、道行く人が足を止めている。
中に入ると1階はキッチン、そして階段を上がった2階がメインダイニングという造り。
フランスのエスプリ溢れるポスターや現地のビストロを思わせるインテリアでまとめられた店内は、落ち着きがありながらカジュアルでいかにも居心地が良さそう。
そんな『a table』を切り盛りするのはシェフの中秋陽一さん(写真上)。
服部栄養専門学校を卒業後、恵比寿の人気フレンチレストラン『モナリザ』に勤務後、渡仏。フランスの星付きレストランで本場の技術を学び、クラシカルで重厚感のあるフランス料理が得意だそうだ。
中秋さんは、シャルキュトリの代表的料理である「パテ・アンクルート」の出来栄えを競う、日本シャルキュトリ協会主催の「パテ・クルート世界選手権」アジア代表という経歴の持ち主!
パテ・アンクルートはフランス料理の最高峰ともいえるテクニックの集大成の料理であり、フランス国内でもその技術を持つシェフは少ないのだとか。
そんな中秋さんが作り出すフランス料理とはどのようなものか? 人気の料理を中心に披露していただこう。
前菜から驚きのボリューム! 大胆にカットしたサバは丁寧な火入れと三層のソースで
フランスやヨーロッパから仕入れた食材をベースに、魚介類は長年付き合っている鮮魚店から仕入れているというサバを使った「炙りサバのマリネ プロヴァンス風」(写真上)は、その大ぶりなカットにまず驚く。「うちの料理は一皿で2人分程度のポーション。かなりボリューミーですが、その分一皿一皿の味をじっくり、心ゆくまで楽しめると思います」と中秋さん。
しかし、驚くのは食べてから。「サバの白ワイン風味」というフランス料理の古典レシピを現代風にアレンジしたというこちらは、まずヴィネガーでサバを〆め、中央に「プロヴァンス風」らしく、ドライトマトを挟み込み、低温でじっくりと火入れする。
そのサバを大ぶりにカットして3切れも並べ、トマトコンソメのジュレとマイクロリーフ、玉ネギとニンジンのピクルスを添えたら、レモンの泡をふんわりと気泡を崩さないようにのせる。さらにその脇にはこちらも「プロヴァンス風」には欠かせない、タプナードとマヨネーズを合わせたものをぽとりと添える。
マリネという名前だけでは片付けられないほどの深い味わいとメイン級の食べごたえに、一品目からワインが進む。
これを食べずには帰れない! 絶品「パテ・アンクルート」
さて、『a table』のアイコニックともいえる料理の「パテ・アンクルート」(写真下)。取材日はホロホロ鳥、ブレス鶏、燻製した牛タン、豚肉、フォアグラ、鴨肉入り。これらの肉類をベースにパテ生地を作り、パイ生地で包み込んだこの料理は、フランス現地でも作れる人は少なく、ビストロというよりは本格的なレストランの料理。
それもそのはず、この一品には、フランス料理とシャルキュトリとパティシエの技能と知識が必要で、たとえば、パテとパイ生地という、火入れの温度が違うものを均一にひとつにまとめて仕上げるという高度な技術を要する。
ひと口味わうと、その味のまとまりの良さと深いコク、サクリと爽快なパイ生地の歯ごたえが一度に訪れる感覚に驚く。また、上部にある深みのある茶色い部分はコンソメのジュレ。ここまで味の階層があるとは……、「感動的においしい!」のひと言に尽きる。
メインは自慢のフィユタージュを使った、ごちそうの詰まったパイ包み焼き
メイン料理にとおすすめされたのは、「鳩、フォアグラ、トリュフのパイ包み焼き ソースペリグー」(写真下)。パテ・アンクルートにも使っている、シェフの得意なフィユタージュ(パイ生地)を使い、大きく丸く焼き上げたパイ包み焼きは、これを目当てに来るお客も多いそうだ。
まずは焼き立ての状態で一度テーブルに、そしてカット後、ソースをかけて盛り付けされ、提供される。
バターの味わい豊かな生地にサクッとナイフが入る感覚、そして肉類のリッチな食べごたえと香り高いトリュフ。〆めを飾るにふさわしい豪華なパイ包み焼きだ。
ワインは料理に合わせたフランス産が中心! グラスからお手頃価格のボトルもそろう
『a table』ではしっかりとしたフランス料理に合う、フランス産のワインを中心にそろえている。手頃に楽しみたいならお手頃価格で楽しめるグラスワインも。また、ワインに詳しくなくても、好みを伝えてアドバイスをもらいながら試すのもいい。
会社帰りや週末のディナーにも、アラカルトで自分の好きな料理を楽しめる『a table』。気の合う仲間と少人数でじっくりと料理を味わうような、そんなシーンにぜひおすすめしたいお店だ。
【メニュー】
▼フード
パテ・アンクルート 3,300円
炙りサバのマリネ プロヴァンス風 2,750円
パイ包み焼き 10,780円
他、前菜やメイン料理、デザートなど
▼ドリンク
グラスワイン 1,430円~
ボトルワイン 6,600円~
※そのほか、ビール、ソフトドリンクなどあり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税込み・サ別です
a table
東京都文京区湯島3-1-1 1F050-5486-7720(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
月~金
ディナー 18:00~24:00
(L.O.23:00)
土・祝日
ディナー 18:00~23:00
(L.O.22:00)
日曜日
https://r.gnavi.co.jp/r2rk2j2m0000/
この記事の筆者:佐川 碧(ライター)
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