「スマホの通知、すごい数だったね。大丈夫?」と届いた俺が、ごまかすのをやめた128件の未読
引き継いだ取引先
2か月前、同じ部署の先輩が急に辞め、担当していた取引先がまるごと俺に回ってきました。
それからは、問い合わせや確認の連絡がひっきりなしに届きます。休日も通知は止まらず、未読は増えるばかりでした。上司に相談すればいいと分かっていても、「できません」と言うのがどうしても苦手です。頼まれたことは自分で片づけるものだと、ずっと思ってきました。
彼女が部屋に来たその日も、シャワーの間に通知は増え続けていました。確かめる気力もなく、ポケットにしまうのが精一杯だったのです。
後回しになった返事
「駅前のパスタ屋さん、今度行ってみない?」が届いた日、俺は昼休みにその店へ電話して、来月の週末の席を予約しました。仕事が落ち着いたら驚かせるつもりで、ようやく返せたのは数時間後の「了解」だけです。
しばらくすると、彼女から届くメッセージが1日2通に減り、文面もやけに丁寧になりました。
そこへ届いたのが「私、送りすぎてたかな。ごめんね」です。謝らせてしまったことが情けなくなりました。けれど、仕事が回らないと書けば心配をかける。
迷った末に「そんなことないよ」とだけ送りました。
「大丈夫?」への返事
彼女を玄関で見送ってしばらくすると、ポケットのスマホが光りました。彼女からの「スマホの通知、すごい数だったね。大丈夫?」でした。
見られていた。そう分かったとたん、取り繕う言葉がいくつも浮かびます。けれど、未読は128件を超えていました。取引先の名前がずらりと並ぶ通知の中に、彼女の名前が埋もれているのを見て、もうごまかす気にはなれませんでした。
「正直、全然大丈夫じゃない。仕事の連絡が多すぎて、返事が遅くなってた。ごめん」と送りました。
そして...
既読はすぐにつきました。少しして届いたのは「私のせいじゃなかったんだね」。続けて「でも、もっと早く言ってほしかった」。
その一言で、彼女がどれだけ自分を責めていたのかを知りました。週明け、俺は初めて上司に、担当を分けてもらえないかと相談したのです。
予約のことも、その日のうちに打ち明けました。「来月、あのパスタ屋さん取ってある」。数時間後にしか送れなかったあの「了解」は、本当は、彼女と行く席をもう押さえたという意味でした。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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