「俺じゃだめなの?」と居酒屋で聞いてきた大学の友人に、私が笑って二軍と答えた事情
二軍と言った理由
居酒屋で「俺じゃだめなの?」と聞かれたとき、本当は答えに困っていました。
彼は、私のだめなところを全部知っている人です。付き合ってうまくいかなかったら、この居場所ごとなくなってしまう。それが一番怖かったのです。
「あなたは二軍」
笑いながら言えば、いつもの軽口で終わると思っていました。職場の先輩を「先輩は一軍なんだよね」と持ち上げたのも、自分を納得させるためだった気がします。
それから彼は誘いに乗ってこなくなり、私は先輩との食事を重ねていきました。
先輩の一言
先輩に気持ちを伝えたのは、2か月ほどたったころでした。先輩は少し困った顔をして、こう言いました。
「話してると、半分は大学の友達の話なんだよね。その人のところに行ったほうがいいんじゃない?」
言われるまで、気づいていませんでした。先輩との食事で、私は彼の失敗談や口ぐせばかり話していたのです。
店を出てすぐ、彼に「今から会える?」と送りました。
グラスを置いて
いつもの居酒屋で、彼の席にはハイボールを頼んでおきました。聞かなくても、彼が最初に頼むものは分かります。
「振られた」と笑ってから、私はグラスを置いて彼のほうに体を向けました。彼の口から出たのは、「で、二軍の出番ってわけか」でした。
そう思われて当然です。少し黙ってから、私は彼の目を見て言いました。
「理由、あなたにだけは聞いてほしい」
返ってきたのは「今日はやめとく」でした。彼はハイボールを半分残したまま、会計を済ませてしまいました。
そして...
駅までの道、何を言えばいいのか分からないまま、彼の後ろを歩くだけでした。改札を抜けた背中に、思わず「ねえ」と声をかけていました。
振り返った彼に改札越しに伝えたのは、先輩の言葉そのままでした。
「私、先輩と話してても、あなたの話ばっかりしてたんだって」
彼はしばらく口を開かず、それから「それ、今言う?」とだけ言いました。
返事はまだもらえていません。あの日二軍に入れていたのは彼ではなく、彼を一軍に呼ぶ勇気のなかった私のほうでした。
(20代女性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
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