予約を決める前に、毎回届く「そろそろですね」→4回目の連絡で、私が美容師さんに送った一言
また、あの通知
表示されたのは、いつもと同じ文面でした。
「そろそろですね。ご都合のいい日があれば、教えてください」
この美容室に通い始めて1年半ほど。担当はずっと同じ美容師さんです。この連絡が届くようになったのは、1年ほど経ったころからでした。最初の連絡が届いたのは、仕事帰りにお店の前を通って、そろそろ行こうかと考えた日。
2回目は、友人の結婚式の招待状が届いて、その前に整えたいと思った日。
3回目は、髪を乾かしながら次の休みに行こうかと考えた日でした。
どれも、こちらが予約を決める前に届いたメッセージです。偶然にしてはできすぎている。それでも、お店の仕組みなのだろうと深く考えずに過ごしてきました。
数えてみた日にち
電車を降りてから、ホームのベンチでチャットの履歴をさかのぼりました。来店した日と、「そろそろですね」が届いた日。画面を指で送りながら、間の日数を数えていきました。
44日、51日、38日。
同じ間隔で送られる自動の連絡なら、数字はそろうはずです。ところが、どれもばらばらでした。
そもそも私の髪は、切った翌日に職場へ行っても、誰からも何も言われません。気づかれないことに慣れていたぶん、毎回ぴたりと届く連絡が、急に不思議なものに思えてきました。
このまま家に帰る気になれず、ベンチに座ったまま、メッセージを打ち込みました。
「いつもすごいタイミングですよね。どうして分かるんですか?」
スマホを伏せて待っていると、しばらくして短い通知音が鳴りました。
返ってきた短い一文
開いた画面には、美容師さんから短い返事が届いていました。
「次にいらしたとき、お話ししますね」
説明を期待していたぶん、拍子抜けしたのが正直なところ。けれど、はぐらかされた感じはしませんでした。話すことがきちんとあるのだと伝わる返し方だったからです。アプリの仕組みでも、偶然でもないらしい。そう分かると、ばらばらの数字の並びを、もう1度見返していました。
その場で予約画面を開き直し、空いていた中で一番近い日を選びました。
「では、この日でお願いします」
ほどなくして「お待ちしています」と返事が届き、ようやくベンチから立ち上がりました。
そして...
予約した日は、スマホのカレンダーに入れてあります。あれから何度か鏡の前に立ってみましたが、自分の髪のどこが「そろそろ」なのか、相変わらず分かりません。職場でも、誰も何も言いません。
美容師さんは、私の何を見て、あの日にちを決めているのだろう。答えを聞く日まで、あと数日です。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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