引っ越しの荷物から出てきた元カノの傘→俺が本当に送りたかった言葉は別にありました
荷造りの途中で打っては消した言葉
新しい街に知り合いは1人もいません。誰かに話したいと思ったとき、先に浮かんだのは彼女の顔でした。
傘を床に置いたまま、スマホで彼女とのチャットを開きました。
「まだ好きだ」と打っては消し、「元気?」と打っては消す。どちらも、返事が来なかったときのことを考えると送れませんでした。
最後に送信したのは「まだ俺のこと好きだろ」です。先に聞いてしまえば、否定されても冗談で済ませられる。そんな計算がありました。
既読のあとに打った2通目
送ってしばらくすると、言葉の横に既読がつきました。けれど、返事はいつまでも来ません。今頃、彼女はあの文面を見て呆れているのだろうか。そう考えるうちに、自分の言葉がひどく偉そうに見えてきました。送信を取り消すこともできたのに、もう読まれた以上、消しても遅い。取り消した跡まで残るのは格好悪い気がして、そのままに。
段ボールを1箱詰め終えたころ、「ごめん、今のは違う」と送りました。謝ったつもりでした。けれど、何が違うのかはどこにも書いていません。
しばらくして、その言葉の横にも既読がつきました。返事は、やはり来ませんでした。
彼女に言わせてばかりいた頃
付き合っていた頃も同じでした。彼女の返信が遅いと、俺は「俺がいないと寂しいだろ」と送っていました。寂しかったのは、たいてい俺のほうでした。先に「会いたい」と書けば済む話でした。誕生日に彼女がメッセージを先に送ってくれた年も、返したのはお礼のスタンプだけです。
別れ際に届いた「ちゃんと言葉にしてくれる人がいい」にも、「わかった」としか返していません。引き留めて断られるのが怖かった。自分の気持ちは書かずに、相手の返事だけを待つ癖は、あの頃から少しも変わっていなかったのだと思います。
そして...
それから数日、次のメッセージは送れませんでした。「傘、どうしたらいい?」と打った画面も、送信しないまま閉じました。
傘は、ほかの荷物と一緒に新しい部屋へ運びました。チャットを開くたびに、既読のついた2通が並んだまま、その下には何も届いていません。その下に書き足せば、今度こそ俺から言葉にしたことになる。分かっていても、入力欄は空のままでした。
ほかの箱が少しずつ空になっていくなかで、傘の入った箱だけは、テープを剥がせないまま部屋の隅に残っていました。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
妻「映画おもしろかった?」家政婦「はい!…あっ!!」夫と映画デートした家政婦が【墓穴を掘った】話Grapps -
母が昔から気にかけていた同級生と付き合った俺が「うちの母には内緒で」と念を押したわけハウコレ -
先輩の前で「マッチングで会う女は軽い」と言った俺→彼女が席を外した数分間に取り消した一言ハウコレ -
【星座×血液型別】ハロウィンまで、仮装の準備を一緒にした人と、恋が始まる女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
【星座別】この秋、「今度ふたりで行こう」が本当に実現する女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
好きバレした後が勝負。そこから"逆転"で付き合えた女性がやっていたことハウコレ -
ホテルにチェックイン直後に、扉からノック音…?「何も頼んでないけど?」直後⇒「うそ…」扉を開けたことを後悔したワケGrapps -
医師「命が危険です!無痛分娩に…」夫「痛みを味わうべき!」しかし⇒「あなたのプライドより…」医師の痛烈な言葉に、顔面蒼白!?愛カツ -
妊娠を報告すると…夫「マジでだるい」しかし⇒妻「じゃあ、お義母さんにお願いしようか」夫「えっ…?」夫が驚愕したワケGrapps