「泣かせたら許さない」婚約直後、彼の親友から届いた一行→披露宴のマイクの前で読まれた手紙
挨拶のあとに届いた一行
「泣かせたら許さない」
2件目には、それだけが書かれていました。
彼と彼の親友は小学校からの付き合いで、彼の親友は今、仕事の都合で遠くに住んでいます。数日前、彼に「あいつが挨拶したいって。連絡先教えていい?」と聞かれ、うなずいたのは私でした。
丁寧な挨拶のすぐあとに、短く言い切る一行。大事な親友を任せていい相手か、私が見定められている気がしました。
返事を打っては消し、ようやく送ったのは「はい、気をつけます」だけ。しばらくして、彼の親友から「よろしく」と短い返信が届きました。
彼に見せられなかったメッセージ
彼に見せれば、笑って取りなしてくれたはずです。けれど、20年以上続く彼と親友の仲に、私のせいで小さな傷をつけたくありませんでした。
それからは、彼が親友の話をするたびに、あの一行を思い出しました。どんな思い出話も、笑って聞くふりをしていました。
式の1か月前、彼の親友から2度目のメッセージが届きました。
「手紙の中で、少しだけ新婦さんに向けて話してもいいですか」
彼の親友は、友人代表として手紙を読むことになっていました。大勢の前で、いったい何を言われるのか。悪い想像しか浮かびません。それでも断る理由が見つからず、「はい、大丈夫です」と返しました。
読み上げられた「続き」
披露宴の終わりが近づき、彼の親友がマイクの前に立ちました。会うのは、この日が初めてです。私は正面を見られず、テーブルのグラスばかり見ていました。
手紙は彼と親友の子どもの頃の話から始まり、会場は何度も笑いに包まれました。その途中で、急に私が呼ばれたのです。
「新婦さん、初めて送ったメッセージが短すぎてすみませんでした。あれには続きがあります」
顔を上げると、彼の親友は便箋から目を離さずに続けました。
「もしこいつが泣かせるようなことをしたら、まず僕に言ってください。僕が先に怒ります」
会場に笑いが起き、隣の彼はおしぼりで顔を押さえていました。
許さないと言われていたのは、私ではありませんでした。「泣かせたら」の主語は、最初から彼だったのです。婚約してからずっと続いていた怖さが、その一言で笑いに変わりました。
そして...
式の翌日、私は彼の親友にメッセージを送りました。
「手紙、ありがとうございました。あのメッセージ、ずっと怖かったです」
彼の親友からの返信は、すぐに届きました。
「ですよね。主語が抜けてました」
ソファで吹き出すと、隣の彼が何事かと画面をのぞき込みました。私は続けて聞きました。
「どうして続きを送らなかったんですか?」
今度は少し間があってから、彼の親友から返事が届きました。
「長くなるんで、また今度話します」
怖かったあの一行は、今では夫婦の笑い話です。ただ、あれほど短い言葉の続きが、なぜ「長くなる」のか。その答えは、まだ聞けていません。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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