「連絡したいときは、私から送るね」と返した私、次の飲み会で彼から届いたのは「楽しんでね」だけ
駅のホームから続いた通知
付き合って1年になる彼とは、別々に暮らしています。駅のホームで「今から行ってくるね」と送ると、すぐに「楽しんでね」と返ってきました。
ところが、店に着いて席に座る前に次の通知。
「何人くらい来るの?」
「8人だよ」と返して、コートを脱ぎました。
乾杯のあとに届いたのは、続けて2通のメッセージです。
「男の人もいる?」
「疑ってるわけじゃない」
後ろの1通を読んで、返信は少し長くなりました。
「半分くらいかな。みんなゼミの同期だよ」
疑われていないのなら、ここまで説明しなくてもいいはずなのに。送信してから、そう気づきました。
同じ一言が、また届いて
料理が運ばれてくるころ、また画面が明るくなりました。
「帰りは誰かと一緒?」
「疑ってるわけじゃない」
さっきとまったく同じ文面でした。
隣の友人に「彼氏?」と聞かれ、笑ってうなずきました。本当は、次に何を聞かれるのかを考えながら、グラスの水滴を指でなぞっていたのです。
「駅まではみんなで歩くよ」
返した直後に、次の通知が届きました。
「あとで写真送れる?」
答えるたびに、楽しいはずの時間を報告書にまとめているような気分。「疑ってるわけじゃない」と添えられるほど、疑われている気がしてきました。打ちかけた「いいよ」を消して、別のメッセージを送りました。
「疑ってないなら、どうしてこんなに聞くの?」
既読のまま、止まった画面
既読はすぐにつきました。けれど、その下に彼の返信は続きませんでした。
言い方がきつかったかもしれない。取り消そうかとも考えましたが、送った1通は本音でした。
解散して駅まで歩く間も、改札を通るときも、ポケットからスマホを何度も取り出しました。画面にあるのは、自分の問いかけとその下の既読の文字だけ。
彼は今ごろ、同じ画面を見ているのだろうか。それとも、もう眠ってしまったのだろうか。
返信が届いたのは翌日です。
「昨日はごめん。聞かれたこと、ちゃんと考えてた」
「疑ってたんじゃなくて、俺の知らないところで楽しそうにしてるのが怖かったんだと思う」
質問の理由を、彼が自分の言葉で書いてきたのは初めてでした。
そして...
少し考えてから、返信を打ちました。
「話してくれてありがとう。聞かれるたびに、報告しなきゃいけない気がしてた」
「連絡したいときは、私から送るね」
「わかった。待ってる」
先日、またゼミ仲間と集まりました。店の前で「着いたよ」と送ると、返ってきたのは「楽しんでね」だけ。その日のチャット画面には、2通のやりとりが並んでいるだけでした。
スマホはバッグにしまったまま、乾杯のグラスを手に取りました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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