「あの頃は、ごめん」謝るつもりだった私が、同級生を食事に誘った理由
謝るために来た同窓会
案内が届いたとき、真っ先に浮かんだのは彼女の顔でした。高校時代、私は彼女に嫌味ばかり言っていたのをずっと後悔していたのです。「あなたって、いつも余裕そうだよね」。褒めるふりをして心を削るような言い方を、私は何度も選びました。当時の私の家は、事業が傾いていて、進路の話を持ち出せる空気ではありませんでした。そのため、熱心に机に向かい続ける彼女に嫉妬していたのです。意味がないことは分かっていましたが、彼女に嫌味をぶつけて八つ当たりしていました。これを機に謝ろうと決めて、私は会場へ向かいました。
口から出たのは、昔と同じ軽口
彼女を見つけると、用意していた謝罪を切り出せませんでした。「久しぶり。全然変わってないね」出てきたのは、そんな軽口でした。彼女の会釈がぎこちなかった理由を、私は誰よりも知っています。私は料理の皿を持って彼女の隣に座り、話の切れ目が来るたびに謝ろうとしました。けれど、拒まれるのが怖くなり、無難な話題を続けました。謝罪のために来たはずなのに、私はまた自分を守っていました。
謝罪より先に出た誘い
謝れないまま、会の終わりが近づいていました。せめて次の機会を作ろうと、私はグラスを置いて言いました。「今度、2人でごはん行こうよ」。彼女は連絡先の交換には応じてくれましたが、少し間を置いて、「ごはんのことは考えておくね」と答えました。前向きな返事ではないと受け取りました。断られても仕方がありません。私はまだ、謝罪より先に誘いを口にする人間のままだったのですから。
そして...
帰り際、振り返って「あの頃はごめん」と言いかけました。しかし、返事を聞くのが怖くなり、「じゃあ、また連絡するね」に変えてしまいました。10年前と同じ逃げ方でした。1人になってスマホを見ると、画面には彼女の連絡先があります。メッセージこそは、食事の誘いではなく、「あの頃はごめん」から始めなければだめだと、ようやく腹をくくりました。
(30代女性・販売職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
「ビール1缶だけだから良いだろ。文句言うな」と言った俺が、列の一番後ろへ戻るまでハウコレ -
「落書きなら捨てた!」娘の絵をゴミ扱いする義母!?だが夫の帰宅後⇒「母さん…」夫が怖い顔で睨みつけた話愛カツ -
面接直前…私の【スーツを引き裂いた】いじめっ子。しかし5年後の同窓会で⇒“いじめっ子だけが”真っ青だったワケ愛カツ -
熱湯をわざとこぼし…母「結婚式前日にやけど(笑)」しかし⇒「ありがとう」私が感謝することになったワケ愛カツ -
【星座別】今週中、恋が急展開する女性ランキング<第1位~第3位>ハウコレ -
【星座別】2026年9月、最高の出会いが訪れる女性ランキング<第1位〜第3位>ハウコレ -
【星座別】2026年9月中旬、気になる彼の最近の恋愛事情<てんびん座〜うお座>ハウコレ -
何気なく腕に触れただけなのに。そのボディタッチで男性が本当に感じていたことハウコレ -
「順番、守れないの?」レジで横入りされた私の代わりに、5歳の娘が口にした一言ハウコレ