エスカレーターで先に行く俺、「隣にいてほしい」と彼女に言われた日
先に上るほうが楽でした
彼女と出かける休日、駅のエスカレーターに着くと、俺はいつも歩いて上っていました。
「先、上で待ってるね」と声をかけていたため、置いていっているとは考えていませんでした。改札の前で待っていれば、同じことだと思っていたのです。
急いでいたわけではありません。エスカレーターで立ち止まり、話題が途切れたまま並ぶ時間を、俺は勝手に気まずいと感じていました。
歩いていれば間を気にせずに済み、改札の前ではスマホを見ていられます。俺は彼女の気持ちより、自分が楽な待ち方を選んでいました。
掲示への注意だと考えました
ある日、彼女が駅の掲示を見て言いました。「片側を空けるのって、本当はやめてほしいんだって」
俺は「みんな歩いてるじゃん」と返しました。周りにも歩く人がいることを理由にして、自分が立ち止まりたくない気持ちをごまかしました。
彼女は掲示へ目を戻し、それ以上は話しませんでした。そのときの俺は、エスカレーターの使い方を注意されただけだと考えていました。
先に行かれること自体が嫌だったとは、帰り道まで気づきませんでした。
様子の違いを確かめませんでした
連休の駅でも、俺はいつも通り先に上り、改札の前で上映時間を調べていました。
合流した彼女は返事が短く、何度か肩を気にしていました。それでも俺は、人混みに疲れただけだと考えました。
帰り道、彼女は前を向いたまま言いました。「隣にいてほしいだけなんだけどな」
彼女の声色が震えているのに気がつきました。そして俺は「次は、隣にいる」と答えました。歩くか立ち止まるかだけの話ではありませんでした。俺は、先で待つことと、そばで一緒に進むことを同じだと考えていたのです。
そして...
次の休日、俺は彼女より先へ行かず、エスカレーターでは隣に立ちました。
何を話せばいいのかは、すぐには浮かびませんでした。目の前にあった案内板の行き先を読み上げると、彼女が「分かってるよ」と笑いました。
話題がなくても、同じ速さで進むことはできます。改札までの短い時間を避けるために、彼女を置いて先へ行く必要はありませんでした。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
関連記事
「コラム」カテゴリーの最新記事
-
「明日は作るね」を信じた俺、弁当がなかった朝、妻から返ってきた言葉ハウコレ -
疲れた彼がいちばん求めているのは刺激じゃない。「ほっとする触れ方」が最強な理由ハウコレ -
【母の形見】を無断で売却していた夫。しかしその当日⇒「そんな…!待ってくれ!?」妻の行動にゾッすることに!?Grapps -
毎日笑顔で”我が家”に来る妹。ある日「知らないの!?」友人から【恐ろしい事実】を聞かされ…ゾッ愛カツ -
夕飯「いる」と言って食べない夫、弁当を「作る」と約束した私が、翌朝何も作らなかった理由ハウコレ -
同僚を田舎者だと笑った私が、試食会の帰りに頭を下げた理由ハウコレ -
兄「婚姻届出すな」妹「え?」婚約者の“苗字”を聞いた兄が突然警告。数日後⇒明かされた【衝撃の事実】に、妹「そんな…」愛カツ -
ダラダラとゲームする夫のそばで家事をする妻!直後「ママに休みはないの?」息子の素朴な疑問に…夫「えっ」愛カツ -
生活費【1万円】を強制すると…妻が実家へ!?2日後⇒「早く帰ってこい!」音を上げたのは、夫だったワケ愛カツ