職場の彼が私にだけ送別会の場所を教えなかった。傷ついた私が下した決断
隣の席で、いちばん近くにいた人
彼とは入社年が近く、隣の席で何年も仕事をしてきました。残業で二人だけになると、自販機の安いコーヒーを片手に、取引先の愚痴や週末の予定を話しました。彼の転勤が決まってからも、その時間だけは変わらないと思っていました。だから給湯室で同僚たちが店の名前を挙げているのを聞いたとき、自分がその輪に入っていないことに、すぐには気づけませんでした。
机の上の段ボール
彼の席には、片づけかけの段ボールが積まれていました。私物が一つずつ箱に移されていくのを横目に、私は思いきって聞きました。「みんなで集まるお店、私も行っていい?」彼は手を止めて、こちらを見ました。少し間があって、返ってきたのは「あの場所には、来てほしくない」という言葉でした。その理由を言おうと彼が口を開きかけたのが見えましたが、私はもう自分の席へ歩き出していました。
送別会に行かないと決めて
送別会の日、私は誘いを待つのをやめて、改札を抜けて家に帰りました。同僚たちの楽しそうな投稿がチャットに流れてきて、私はスマホを伏せました。彼に言われた言葉が、頭の中で何度も鳴っていました。私はそんなに、あの人にとって場違いだったのだろうか。冷めたお茶を流しに捨てて、もう考えるのはやめようと決めたところでした。
そして...
もう寝ようとしたとき、手元のスマホが一度だけ光りました。送り主は彼でした。「送別会とは別に、二人で行きたい店があるんだ」。短いメッセージを、私は何度も読み返しました。
賑やかな店での見送りを、彼は好まなかったのだろうか。あの言葉は、私を遠ざけるためのものではなかったのかもしれない。確かなことは、まだわかりません。それでも、確かめる前に背を向けたのは私のほうでした。私は画面を起こして、「行きたい。お店、教えて」と短く返しました。今度こそ、聞いてみようと思ったのです。あの言葉の続きに、彼が何を足そうとしていたのか。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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