気になる彼の会議資料。謝辞から私の名前だけが消えていた話
並んだ名前の中に、私だけがいない
報告会で配られた資料を、私は順番にめくっていました。最後のページの謝辞には、プロジェクトに関わった人の名前が一人ずつ並んでいます。資料の作成や数字の集計を一番手伝ったのは自分だと、ひそかに思っていました。それなのに、何度名前を探しても、私のものだけが見当たりません。隣の席の同僚の名前はあるのに、すぐ上にあるはずの私の名前だけが、きれいに抜けていたのです。
謝辞のことを、彼に聞いてみた
資料の作成を担当したのは私がひそかに気になっていた、同じ部署の先輩です。自分の名前だけがないことが、ただのミスとは思えませんでした。仕事の帰り際、廊下で二人になったとき、私は思い切って声をかけました。「謝辞、私の名前だけありませんでしたね」。彼は少しの間、私のほうを見ませんでした。それから「ごめん。理由は、今は言えない」とだけ言って、目を伏せたのです。
理由がわからないまま、距離が空いて
それから私は、彼とどう接していいのかわからなくなりました。嫌われるようなことをしただろうか。あの謝辞は、私への気持ちがその程度だという合図なのだろうか。考えれば考えるほど、答えのない問いばかりが増えていきます。彼の顔を見るのがつらくて、用がなければ話しかけないようになりました。気になっていた相手だからこそ、名前を外されたという事実が、思っていた以上に長く心に残りました。
そして...
結局、彼がなぜ私の名前だけを外したのか、本当のところはわからないままです。けれど、ひとつだけ自分で決めたことがあります。あの謝辞に名前があってもなくても、私がプロジェクトのために動いた事実は変わらない、ということです。誰かの一覧に載るために頑張ったわけではありません。彼の気持ちも、彼にしかわからない理由も、いつか聞ける日が来るのかもしれません。それまでは、自分の仕事を自分で認めてあげようと思います。今はまだ、少しだけさみしいけれど。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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