朝、彼からの一通目は『おはよう』のひとことだけ。謝罪を待ち続けた私の長い5往復
朝届いた、たった一言
前日のデート中、彼がずっとスマホを見ていることが気になって、つい不機嫌な顔をしてしまいました。「ちゃんと話してよ」と言った私に、彼は「ごめん、仕事の連絡で」とは言ったものの、その後もスマホを置きませんでした。結局そのまま気まずい空気になり、駅でいつもの「またね」もなく別々の電車に乗ったのです。
夜は何度もメッセージ画面を開いては閉じました。彼から謝罪の言葉が来るのを待ちながら、自分から送るかどうか迷い続けたまま眠ってしまいました。翌朝、目覚ましを止めて最初にスマホを開くと、すでに彼からの通知が入っていました。期待しながら画面を開くと、そこにあったのは「おはよう」のひとことだけだったのです。
「他に言うことは?」と返した朝
しばらく画面を見つめ、これだけ?昨日のことには触れないの?布団の中で、いろんな気持ちが頭の中をめぐりました。なぜ謝らないのだろう。
少し考えてから、私は短く返しました。「おはよう。他に言うことは?」我ながら棘のある言い方だと思いつつ、それ以外の言葉が浮かびませんでした。すぐに既読がつき、しばらくして返信が届きました。「…天気いいね」。本気で言っているのか、はぐらかしているのか。画面を見つめながら、私はため息をついて短く返しました。「違う」。
5往復で届いた「ごめん」
「違う」と送ってから、彼の返信は止まりました。出勤の支度をしながら、何度もスマホを覗きました。10分ほどして、ようやく短いメッセージが届きました。「おはよう、ごめん」。それを見た瞬間、ホッとしたのと同時に、なぜか少し腹が立ってもいました。私は思わず「最初からそう言って」と打ち込みました。
すぐに「言おうとしてた」と返ってきましたが、その文字を見て、私はもう一度ため息をつきました。「してなかったでしょ」と返すと、しばらく間があってから、彼から長めのメッセージが届きました。昨日は仕事の連絡が立て込んでいて、本当はあの場で謝りたかったけれど、言うタイミングを逃したまま朝になってしまった、と。文章の終わりに「直接話したい」と添えられていて、「電話して」とだけ返しました。
そして...
少しして、彼から電話がかかってきました。彼は改めて「昨日は本当にごめん」と言ってくれました。私は少し黙ってから、「電話してくれてよかった」と返しました。彼の事情を聞いて、私の中にあった怒りは少しずつ溶けていきました。完全にすっきりしたわけではありませんが、ちゃんと声で話せたことで、夜から続いていた気まずさは終わったように思います。
それでも、朝に届いた「おはよう」のひとことを、私はたぶんこの先も忘れないと思います。謝るより先に挨拶を送ってきた彼の不器用さを、今は少しだけ可愛らしいと思えるようになりました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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