「結婚報告、メッセージでいいよね」と軽く扱われた私→式に来た友人が涙を見せた理由
「会って話したい」と送ったメッセージへの返信
「会って話したいことがあるんだ」。婚約が決まったその日の夜、私は彼女にメッセージを送りました。直接顔を見て報告したかった。10年以上の付き合いだから、これくらいの節目はちゃんと向き合いたいと思ったのです。
ところが、返信は10分もしないうちに届きました。「結婚報告、メッセージでいいよね。おめでとう」。なぜすぐに「結婚報告」だと分かったのかも不思議でしたが、それ以上に「メッセージでいいよね」という言葉が、私の中で重く響いていたのです。
モヤモヤを抱えたまま渡せなかった招待状
彼女には、招待状も直接手渡したいと思っていました。けれど「郵送でいいよ、ポストに入れといて」と先回りされ、結局そのまま送ることになったのです。
おめでとうの気持ちは確かに伝わっていました。式の日程を送れば「絶対行く!楽しみにしてる」と返ってきます。それなのに、どこかで「軽く扱われている」気持ちが消えません。私が勝手に「重い節目」と思っていただけで、彼女にとっては「数あるイベントのひとつ」だったのでしょうか。式が近づくにつれて、その問いはずっと頭の片隅に居座り続けていました。
彼女がマイクの前で見せた涙
式当日、披露宴で彼女が友人代表のスピーチに立ちました。マイクの前に立った彼女は、原稿を広げる前から、まばたきを何度も繰り返していました。
「来てくれてありがとう」。入場の時にかけた私の言葉に、彼女は何度もうなずいてくれました。スピーチの冒頭、彼女はまっすぐ私を見て言いました。「メッセージで返したのはね、私、直接会ったら絶対泣くと思ったから」会場が一瞬、ざわっとなりました。私の頭の中で、あの夜のメッセージが何度も再生されました。
そして...
「今日は思いきり泣くって、決めてたの」。彼女はそう続けて、ぼろぼろと涙をこぼしていました。
私が「軽く扱われた」と感じていたあの返信は、彼女が泣かないための、不器用な盾だったのです。会って報告されたら、彼女はその場で泣いてしまう。だから先回りして、私の婚約を「おめでたい話」として軽やかに受け取ったふりをしてくれていたのでした。
スピーチを聞きながら、私は自分の浅さを思いました。10年の付き合いの中で、私は彼女の不器用さを誰より知っていたはずなのに。会場の拍手の中、彼女と目が合ったとき、私たちは同時に笑って、同時に泣いていました。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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