平静を装って「楽しんで」と返した俺が、彼女の一言で本音をこぼすまでの2時間
彼女からの報告
仕事終わりにスマホを見ると、彼女からメッセージが届いていました。「バイト先の先輩にご飯誘われた」。そのメッセージを見た瞬間、頭の中が一気に荒れました。先輩って誰だ。どんな人だ。二人で行くのか。なぜそれを今、こんなふうに報告してくる。
冷静に振る舞いたいと思いました。彼女を信用していないわけじゃない。彼女がわざわざ報告してくれたのは誠実さの表れだと、頭では分かっていました。でも心の奥では、知らない男に彼女が誘われたという事実だけで、嫉妬の塊がごろごろと転がっていたのです。
何度も打ち直した返信
最初に書いた返信は「誰?どんな人?」でした。やめました。次に「行くの?」と書きました。これもやめました。「断ってくれない?」これは絶対だめだと自分でも分かる。気づけば入力欄に文字を打っては消して、を繰り返していました。
20分悩んで送ったのは「へー、行けば」でした。気にしていないように見せたかったのです。それから彼女が「怒ってない?」と聞いてきて、俺は「怒ってない」と返しました。「本当に?」と重ねて聞かれて、「本当に。楽しんで」と打ちました。打ちながら、自分でも嘘くさいなと思っていました。
「言わせるな」
彼女からの「嫉妬して」のメッセージが届いたのは、1時間ほど経った頃でした。それを見た瞬間、抑え込んでいた感情が一気にこぼれてしまったのです。「してる。めちゃくちゃしてる。言わせるな」。考える前に送信していました。
送信ボタンを押してから、恥ずかしくなって画面を伏せました。30秒もしないうちに彼女から電話がかかってきました。耳に届いたのは笑い声と「もっと早く言ってよ」という呆れた声。俺は布団の中で「ごめん、大人ぶりたかった」「行ってきていいよって言ったほうが格好いいと思ったんだ」と素直に謝りました。
そして...
冷静に「行ってきていいよ」と返せる彼氏でいたかった。それが格好いいと信じていました。でも、変に取り繕った返信が、彼女をあれだけ不安にさせてしまった。本音を隠すほうがよっぽど不誠実だったのだと、あの夜に気づかされたのです。
翌日、彼女に電話をかけて改めて伝えました。「ちゃんと嫉妬する。隠さない」。彼女は笑って「そっちのほうが安心する」と返してくれました。冷静ぶる練習より、感情をちゃんと言葉にする練習のほうが、俺にはずっと必要だったようです。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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